異世界チハたん(九七式中戦車)無双〜聖女召喚されたけど捨てられました~ 作:LA軍
「(はぁぁああ?!)」
驚きの余り、私の大声がマスクの中で反響し、ビリビリ震える。
いやいや、でも……。
「(も、持ち込むったって、こんなデッカイのをどうやって?)」
コシュー……。
コシュー……。
「(ふん。決まっておろう……どこかのバカが、召喚を悪用しておるのよ)」
しょ、召喚の悪用?!
(……う、なんだろう。わりとそう言う話を、ついこないだ聞いたというか体験したような──)
どことは言わんけど……。
「(え、ええ~っと? でも、そんなに簡単に召喚ってできるの? その話でいくと、ここにいるオーガとか、城門前で殲滅した連中って召喚で呼び出したってことだよね)」
「(そうなるのー。オーガ・エンペラーがおるのが証拠みたいなもんじゃ。……気性の荒い、オーガは上位種がおらんと殺しあうから、その抑えとして配置したんじゃろ)」
そうなるのー……って、
しかし、状況証拠はあるということか……。
(たしかに、このサイズは外からは入れないもんねー)
そして、指揮官タイプ……というか、中間管理職を据えて、現地の魔物を統率させ──数が揃ったところで一斉攻撃。
……なかなかエグイな。
「(あ、でもさ。たまたま、この個体がここで生まれ育って──仲間を呼び寄せたってパターンは?)」
「(その、たまたまとやらを、あと十回くらい連続で使えばそうならんこともないのー)」
たまたま、ここでエンペラータイプの個体が生まれて、
たまたま、今まで誰にも気づかれずに育って、
たまたま、飯も経験値も豊富な餌があって、
たまたま、誰にも気づかれずに首都近傍にオーガが集まって、
たまたま──……あ、無理だわ。
「(つまり、ありえないってことかー)」
「(そうなつのー)」
コシュー……。
コシュー……。
ふむ。
もし、それでもありえるというなら、「猿がたまたまキーボードを叩いて、孫氏の兵法を
うん、ないな。
「(しかし、これは好都合ぞ)」
「(え? なにが)」
これのどこに好都合な様子が??
「(ふん。我は魔物の異変の調査を里から託されておる──……何じゃその目は)」
「(いえ、ナンデモナイデース)」
もちろん、里に厄介払いされたんだろうなーとは言わないでおく。
こいつのアイデンティティを喪失させかねないしね……。
「(うむ?……まぁ、いいわ。それより、ナガセよ。そうと決まれば、周辺を捜索するぞ)」
「(捜索? なにを?)」
死体だらけのそころを家探しって、かな~り気分悪いんですけどー……。
「(決まっておろう。召喚の証拠を捜すのじゃ。オーガエンペラーだけでは、状況証拠だけじゃからな)」
なるほどね。
しっかし、証拠って言われてもなー。
コシュー……。
コシュー……。
「(具体的に何を捜せば──……って、あれ?)」
意見を聞こうと振り返った私の背後でライトが不意に揺れる。
それは、不自然に動く何かがライトの影をよぎったような不安定な動きだ。
「(……なんだろ? まぁ、ネズミかなにかかな)」
ここ不衛生だしねー。
ねずみの一匹や二匹そりゃいるだ折る。
そいつらがライトの近くで動いたら結構な影になるし──────……って、ネズミがいるわけないじゃん!!
「(ルーフデス!)」
「(あーん? なにかみつけ……ぬわーッ?!)」
捜索に集中していたこともあり、
ルーフデスも意識がそぞろになっていたのだろう。
そのせいで一瞬行動が遅れた。
いや、それをいえば私だってそうだ──……このクッソ重い装備と、息苦しさにかまけて注意力が散漫になっていたと言わざるを得ない。
つーか!
オーガでさえくたばってるのに、よりチッコイネズミが生きているわけがない。
一酸化炭素は空気に空度小さいもの、呼吸量の多い物、心拍数が早いものほどより早く重体となる。
つまり──……。
「(な、なんじゃぁっぁあああ?!)」
「(ちぃぃ……!)」
やっぱり!!
マスクの中で叫ぶルーフデスと、グラリと揺れる大地!
思わずしりもちをつく彼女を助け起こしつつ、私も叫んだ!
「(そ、