異世界チハたん(九七式中戦車)無双〜聖女召喚されたけど捨てられました~ 作:LA軍
「え~っと……あ、これかな?」
ウェアラブルカメラから取り出したマイクロSDを動画鑑賞用のタブレットに差し込むと、いくつかの画像データがあった。
どれもこれも今日の日付──つまり、防護服を着たときから映像が始まっているらしい。
防護服のオプション装備だけど、映像を通じて指令室とやり取りするためについてるんだってー。
なんかSFっぽくてカッコイイね。
『ぬー! ブカブカで動きづらいぞー』
『(我慢しなって言ってるでしょー。はい、剣)』
『ん? 抜き身で持っていくのか? おー、剣豪みたいでかっこいいかものー』
「お、アンタだ」
「そりゃそうじゃろ──って、その辺は飛ばせ! なんか我がアホみたいじゃろーが」
いや、アホみたいじゃなくて、アホじゃん。
「……殴んぞ」
「なんも言ってませんけどー」
へっへっへ、
殴れるもんならやってみー。
「くぬぅ……。ああ言えばこう言う女じゃのー」
「はいはい。それよりこれがどうしたの?」
こんな映像見てても面白くないけどー?
つーか、画像越しの声って、なんかキモイー。
……私ってこんな声だっけ?
「わからんのか? 洞窟が崩れた以上──これで内部の再確認するのじゃよ」
「あーなるほど。確かに、中に入るにはユンボがいるねー」
あとダイナマイトとか。
「ユンボはないし、ダイナマイトも危ないから却下じゃ」
「それなー」
だから、映像で再確認か。
たしかに、あの時は探してる暇もなかったけど、映像なら何か映ってる可能性はあるね。
「じゃから、このあたりかのー?」
「……何気にハイテク使いこなしてるアンタに違和感を覚えなくなってきたわ」
剣振り回してる脳筋かと思いきや、
コイツ結構頭いいんだよなー。……アホだけど。
「だから、殴んぞ!!」
「だから、何も言ってねーっつ~の!」
「けんかしないのー」
「「はーい」」
最近、ルルちゃんってば私達を
アホの子とか思っててごめんね。アホだけど。
「娘に失礼な感情持つでないわ」
「客観的な感想だよ。私は褒めるだけのバカ親じゃないのー」
つーか、ナチュラルに心読まないでほしいなー。
「お主は顔に出過ぎなんじゃ」
「どんな顔だよ……って、ここらへんかな?」
ルーフデスが止めた画像を覗き込むと、ちょうど巣穴の底に到達した当たりだった。
『ぬっ! こ、これは──……!』
『(すっごいね……)』
コシュー……。
コシュー……。
「……音声切ろっか」
「う、うむ……」
ミュート、ポチっ。
……やっぱ映像越しの自分の声を聞くのキッツいわー。
ルーフデスもこれ、我の声か? みたいな顔してるし……。
「つーか、この辺から戦闘にいくまでそんなに時間なかったよね」
「うむ。じゃから、ゆっくり再生といこうか」
ゆっくり再生……。
「……そっちの『ゆっくり』じゃないからの?」
「わ、わかってるよ」
つーか、なんでお前がゆっくり知っとるねん。
もしかして、見てるのか?
「──で、この辺じゃが……。むぅ、死体が邪魔じゃのー」
「えっぐい数だもんねー」
まさに死屍累々。
つーか、これを『ようつべ』にアップしたら再生数稼げそうだな。
いや、稼いでどうするねんって感じだけど。
「センシティブで、跳ねられて仕舞じゃぞ。それかAIじゃーとか言われて大炎上」
「それはそう」
つーか、ナチュラルに以下略
「……顔、揉んでも出とるからな?」
「むー。そんな顔してないのに、なんかムカツクなー」
いっそマスクでもするか?
「それより、しっかり見んか!」
「はいはい」
見てもわからんのだけどね。
とりあえず、再生速度を落としてっと──。
「……ぬ! そこじゃ!」
「ほえ?」
そこって、ここ?
とりあえず、ルーフデスが目をくわっ! と開くので、思わず一時停止。
しかし、画面にはオーガの死体くらいしか映ってないけど。
……あれ?
タブを動かして数秒バック……あ、これ。
「気づいたか?」
「うん。地面がやたらと
あの凸凹だらけの洞窟で妙に整地されている箇所がある。
まぁ、オーガがある程度整えかのかもしれないけど、ちょと不自然。
「そこからゆっくり再生──……いや、だから、そのゆっくりじゃないぞ!」
「何も言ってないでしょ!」
ゆっくりゆっくり言うからちょっと反応しちゃうだけだよ!
「ったく、真面目にやれ」
「やっとるがな」
「ふたりともー……」
「「はーい」」
ゴメンねルルちゃん。
なでりこなでりこ。
「てか、これってまさか」
「うむ。死体のせいで全容が見えんが、間違いないのー」
ルーフデスが画像を止めるた所は、まさしく
私も似たようなのを見たから、何となく覚えている……。
「やはり、召喚の魔法陣じゃな」
「あー……やっぱり
いやーな思い出がむくむくと頭のなかでもたげてくるのであった。