異世界チハたん(九七式中戦車)無双〜聖女召喚されたけど捨てられました~   作:LA軍

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第80話「報酬!」

「いったたたた……。お、お前という奴は~」

「いや〜。だって、御礼言われて悪い気分じゃないけどさー。いつまで経っても頭上げてくんないんだもーん」

 

 そういう時、なんて言えばのか知らないしー。

 

「普通に、『御礼を言われるほどじゃない』とか、『お互い様だよ』とか、『貸しにしとく』とか色々あるじゃろうが、だのにお主という奴は……」

「あ、それそれ。そーいうの!」

 

 やー。

 とっさに思いつかなくてさー。

 

「なので、もっかいやっていい?」

「や~るか、馬鹿垂れー! ワシにだってプライドくらいあるわーい!」

 

 あ、やっぱし?

 

「つーか、アークスよ。こりゃ、コイツなりの照れ隠しじゃよ」

「んな!」

 

 そ、そそそそそ、そんなことないしー!

 

「ほ〜れ、動揺しとるじゃろ?」

「ホントですね。……なるほど、どーりで。少しコイツのことが分かりましたぞ」

 

 にっと歯を見せて笑うアーくスちゃん。

 

 コイツ、だいぶいい性格になってきたなー、なんか私とルーフデスで口調変えとるし……。

 

 最初はただの傲慢な奴かと思ったけど、

 どうやら一連のピンチを、トップとして切り抜けたことで、諧謔味を手にしたッポイ。

 

「では、そうじゃの──お前の言う通り、報酬の話をしようか」

「お、待ってましたー!」

 

 ようやく支払ってくれる気になったかー。

 

「うむ。街もピンチを切り抜けて、民の財布の紐も軽くなってきておるしのー。それにオーガの武具にベヒモスやらゴルドの大穴から回収した魔石に、その他素材やらと、大量に入手できたゆえ、予算の目途がついた」

 

 おー。

 

 そういや、その辺の回収って雑にしかしてなかったね。

 ギルドに頼んでその分の報酬ももらわないとな。

 

「──ゆえに金貨にして5万枚ほど渡そうと思う!」

「んな!」

 

 ご、5万枚?!

 

「え、えーっと……」

 

 金貨五万枚ってことは、

 一枚10万円だから──………………ぶほぉ!

 

「ぬが?! き、きったなー!!」

 

 ご、五十億え~~~~~~~ん?!

 

「はぁっぁあ?! 50億って、国家予算かよ?!」

 

「……いや。驚愕しとるとこ悪いが、顔面に唾(つば)ッつーか、得体のしれない液体がとんできたんじゃがー」

「あ、ごめんごめん。得体の知れないかどうかは置いといて──ふふ〜ん。とりあえず、これ(・・)で拭いときなー」

 

 財布から千円札をピッ! と出して、ニヒルに笑う。

 

「釣りはいらないよ」

「いや、まず謝れや。あと、いきなり成金ムーヴすんなし!」

 

 はいはい。

 貧乏人の竜人族のロリBBAは黙ってどーぞぉ。

 

「むっかつくのー。……あと、千円は貰う。コンビニでアイスでも買うわ」

「くくくっ、アイスくらいなんぼでも奢(おご)ってげるよ! なんたって、私は金貨5万枚の女ぁぁー!」

 

 あーっはっはっは!

 

「国家予算ガールと呼んで貰おうかぁぁ!」

「こっかよさんがーるぅ!」

 

 んー

  んー

 

「ルルちゃんはいい子ぉ。そんで、ルーフ。アンタ悪い子。……いま、その顔は分かる。『ガールって歳じゃなかろう』って顔だよね、それ」

 

「うむ、正解じゃ……。『あと、国家予算は言い過ぎじゃー』の顔でもあるぞ。……ついでに言えば、『また軍刀で……』の顔もしとるがのぉぉおお! つーか、まさかそれで」

 

  スパコーーン!!

 

「あいだー!? いって(痛)ぇぇええんじゃがぁぁあ!」

 

「ふん、天罰だよ。天罰ー」

 

 カヅッ! とした手ごたえが超気持ちいい~♪

 

「あっほぉぉお! 『きもつえぇ~♪』……とちゃうわ! 我は人間の幹部連中など-でもいいが、ここは、これでも一応は会議室で、こほ国のトップが集まっとるとこじゃろーに! そんなとこで武器を振り回すでなーい! あと我は大使じゃ大使!!」

 

 ちっちっちっ。

 まったくこれだからー。

 

「よく見なよ。鞘のままだよ──」

 

 にひひっ。

 

 殿中での抜刀は忠臣蔵まっしぐらコースなので、そのくらいに気は使ってますぅ~。

 

「いや、鞘付きなら殴ってもいいわけじゃないからな? つーか、忠臣蔵を知らんわ!」

 

 あぁ~~ん??

 

「なに? BBAのくせに『赤穂浪士』も知らないのー?」

「年末じゃねーんだから、まだ見とらんわーい!」

 

 あ、見る気はあるんだ。

 ならばよしッ!

 

 さすが、あっと言う間にハイテクに馴染む竜人族だぜ。こっそり動画も見てるっぽいし、リサーチ力(りょく)たっかーい。

 

「っていうか、マジでほどほどにせい! 見てみぃ、さすがにアークスどももどこから突っ込んでいいか、わからなーいって顔しとるぞ」

「いや、別にツッコミ待ちじゃないしー」

 

 漫才のつもりはない。

 私は常に本気だ! キリリッ(曇りなき眼ぉ)

 

「……いやもうマジで。本気で殴るの止めてほしいじゃが……。もちろん、力加減のこともいうとるぞ?」

「だって手加減したら効かないじゃん。アンタ」

 

 固いんだもん。

 

「あ、あー……そろそろ、次の話をいいかの、ナガセよ」

「あ、ごめん。コイツが聞き分けなくて──」

「我は悪くなくね?! 唾ぶっかけられて、殴られただけじゃね?! マジでな~んもしてないからの?!」

 

 うっさいなー。

 涙目でピーピー言うくらいなら部屋の外で待ってりゃいいのにー。

 

「コイツ。も~やだー」

 

 あ、マヂで泣いたー。

 

「ま、まぁまぁ、大使殿もその辺でー」

「お主までそんなことを……。我、竜人族なんじゃがのー」

 

 はいはい。

 

「で、なんだっけ?」

「あ、おう。報酬の話じゃ」

 

 ん?

 報酬?

 

「まだくれんの?」

 

 ずるっ。

 私の発言にずっこけ掛けるアークスちゃん。

 

「お、お前は忘れとるんか?! 散々、ワシを脅したり、脅迫したり、脅喝したりしてきたじゃろうが!」

「どれも同じじゃん」

「そんだけ、脅しとったんじゃ!!」

 

 そうだっけ?

 

「なんなんコイツ! もー! ワシがどんだけ苦心したとー!」

 

 地団太地団太と、滑稽なダンスを踊るアークスちゃん。

 

「ダンスちゃうわ! 怒り狂ッとんのじゃぁぁ! はぁはぁはぁ」

 

 まぁまぁ。

 

「お茶でも飲んで」

「お、おうそうであったな──……って、これお前の飲みかけじゃろうが!! あーもう!」

 

 細かいなー。

 

「話しが進まないから、さっさと言ってよー」

「……これ、ワシが悪いのか?」

「我の気持ちわかったか? コイツ、いっっっつもこうなんじゃ!」

 

 なに、キャラかぶりの二人で同じ顔すんのやめてほしいなー。

 セリフだけだとややこしいんだよ。

 

「……殴っていいかの?」

「我も殴っていいかの?」

 

 ええわけあるかい。

 

「それより、なに? 結局、追加の報酬くれんの? ボーナスなら大歓迎だよー」

 

 金貨ならいくらあっても困らないしね!

 今の私の瞳はドルマークになってる自信があるぜー。

 

「はぁ……。本気で忘れとるようじゃのー。……ほれ、そっちのチッコイ奴の話じゃ」

「ん? ルルの話?」

 

 ……なんだっけ?

 

「これ、マジで忘れとるのか?」

「そういう奴じゃ」

 

 えー?

 なんか頼んだっけ? ルルの話、ルルの話──…………あ!!

 

「あーあれ(・・)か!!」

「そう、それ(・・)じゃ!!」

 

 そうだった。

 そうだった。

 忘れるとこだったわ、一番大事な話!!

 

 せーの、

 

「「孤児院の話!!」

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