異世界チハたん(九七式中戦車)無双〜聖女召喚されたけど捨てられました~   作:LA軍

82 / 82
第82話「今後の方針」

  ブシュー……!

 

「ぷひー。サウナ、きもつえぇ~~!」

「うむ、動き回った後のサウナはサイコーじゃのー」

「んねー」

 

 今日も今日とて、

 全員でサウナに入ってまったり。

 

 我がファミリーに加えて、パトロンのアークスちゃんも一緒。

 

 っていうか、この子いつ仕事してんのかね?

 なんか、モールとかスパ銭でウロウロしてるとこしか見てないけどー……。

 

「トップがガツガツ働いとるような組織が、まともなわけあるか」

「いや、何も言ってないけど?」

 

 また、私ってば顔に出てた?

 

「いや、今のは口にしてたぞー」

「え?! マヂぇ?!」

 

 顔に出やすいとは思ってたけど、ついに口にまででるようになったか、たはー!!

 

「いや、『たはー!』でなくてじゃな……。ワシ以外の権力者の前でやるなよ?……って言うってもやるよな、お前は」

「しないしない」

 

 ……しないよね? 私。

 

「自分で自信をなくしてどーする。ったく……。ところで、お前はこのあとどーするんじゃ?」

 

 このあと?

 

「水風呂入って、ととのうけど?」

「いや、そんなミクロな話しとらんわ! この街で出てからの話じゃ!」

 

 あ、ああー。

 そっちか。

 

「お、我も気になるのー」

「きになるー」

 

 え? そう?

 

「んー? あー」

 

 そーね。

 このあとね。

 

「んー……」

 

 きょっにゅー! を腕組で潰しつつ、考えこむ私。

 うむ、腕組しやすいね!

 

 (※注: つまり巨乳ではない)

 

「あんまし深く考えてるわけじゃないんだけど、ほらー、ルルのね」

「ルルの?」「ほう」「るるー?」

 

 う、うん。

 ルルのこと。

 

「引き取る云々はとりあえず、おいといて。親元を探すのもありかな~って」

 

 顔を覗き込んでくる、のじゃロリ二人から視線をそらしつつ、頬をぽりぽり。

 

「なに? 親元じゃと?」

「魔族の、か?」

 

 思わず顔を見合わせる二人。

 ルルはよく分かってなさそう。

 

「なんじゃ、引き取るんじゃなかったのか?」

「そのつもりでワシの申し出を断ったんじゃろうが」

 

 いや、まぁそうなんだけどさ。

 

「んー。私のもろもろの事情は省くんだけどさー。まー、自分ってば、別になにか目的があるわけじゃないのよー」

 

 成り行きでこの世界に来て、

 なんか知らんうちに放り出されて、

 気づいたらここにいた。

 

「だから、まー。あえていうなら、ゴロゴロしたい的な?」

 

「しとるが?」

「してますね」

「してるー」

 

 しゃらっぷ!

 わかってるっつの!

 

「そーいうことじゃなくって!! だからさ、それが今回の件で大金を手に入れて、ある程度は叶った今──この子のことを真剣に考えてみてもいいかなーって、そーいう話!」

 

 や。

 今まで真剣じゃなかったってわけじゃないのよ?

 

「ただ、ほら──本格的に自分で育てるとなると色々懸念がね」

 

 そもそも、成り行きで引き取っちゃったし、それが正しいかどうかの自信が未だに持てないのだ。

 

「んーむ。まぁ、言いたいことは分からなくはないの。……普通は、奴隷なんぞ買ってしまえば、親がいようが恋人がいようが、知ったことではないと通すが──お主はそうでないと?」

 

 そりゃそうでしょ。

 

 なにその、鬼畜な価値観……こわいな、この世界。

 

「しかして、ルルの出自はよくわからんのじゃろ?」

「えぇ、はい。……ウチの国の商人のしでかしたこととはいえ、もとはオークの居留地で見つかったとのこと」

 

 そうなのだ。

 

 アークスが渋い顔で答えてくれたが、

 当初は孤児院で引き取る流れもあって、簡単に追跡調査をしたが、奴隷商人から先──それ以上は分からないらしい。

 

 そもそも肝心のルル自身がよくわかっていないのが問題なんだけどね。

 この子ってば、奴隷商人にとっ捕まるまではオーク災害の途中で発見されたという程度の情報しかないみたいだし。

 

 とはいえ、記憶喪失というかそういうのでもないし──本当にな〜んも知らないのだ。

 

 そして、拾った商人もオーク災害でくたばったらしく、近くにいた者もそれ以上は詳しくは知らないという……。

 

 ま、それが嘘か本当かはおいといてね。

 

「つまり何もわからないってこと。……とするとだよ? まぁ、普通に考えても、一回くらい親元につれてくのがいいっしょ?」

 

 そこに親がいるなら返すべきだ。

 

 そして、

 私にはその力がある。

 チハたんがある。

 ぶっちゃけ、なんでもできる。

 

 できないし、やらないという言い訳がどこにもないのだ。

 

「なるほどのー」

「しかし、そうなると魔族の地かー」

 

 うーむ、と考えこむ二人。

 

 まぁ、魔族が生きていける場所といえば基本的にはそこだ。

 北の方にあるという、文字通り人跡未踏の大地。

 魔族以外はほとん住んでいないという場所。

 

 そりゃー、魔族だって変人はいるから、その土地だけに住んでいるわけではないけどね。

 

 遍歴商人をしてたり、武者修行してたりと変人もいるにはいるらしい。

 

 だけど、結構脳筋な魔族に対しての、人間の忌避感情は凄いので、ほとんど人間に勢力圏にはいないと言っていいとのこと──。

 

 つまり、ルルの身元を確認するには、そこに行くのが一番確実。

 

 

 ……つーか、暑くなってきたんだけどー。

 

 

「なに? やっぱ無理?」

「無理とはいわんが遠いぞー」

「それに険しいしのー」

 

 あー。

 そういう話だったね。

 

「近いところでも、戦争中の王国を横切るとかそういうのじゃしの」

「あー、それはパス」

 

 あの国には関わりたくねー。

 

 関わったが最後、多分、というか絶対チハたんで蹂躙したくなるのは請け負いだぜ。

 

「……なんか物騒な顔しとるが、それが良いの。あの国はアレ(・・)じゃからの──ふむ。わかった。とりあえず、ワシの国を通る分には通行を保証しよう」

 

 保証?

 

 あ、そういや、最初の街──サンズなんとかも、首都も、この子の国だったっけ。

 

「ほぅ。ええじゃないか、この国は広大ぞ。そこをフリーパスなら、厄介ごとはだいぶ減るの」

 

 へー。

 

「じゃ、ちょーだい」

「……いや、飴玉みたいに渡すもんじゃないからな? ぶっちゃけ、国土のフリーパスなんぞ金貨5万枚よりもある意味貴重じゃからな? 商人なら、万金どころか、その十倍はだすからな?」

 

「けちけちしないでさー。ほ~れほれぇ、」

「あちょ! ど、どこ触っとんじゃ、あぁーん♡」

 

 げっへっへっへー。

 ここけ、ここがえんのけー──って、あいだー!

 

「あッほぉ! 子供の教育に悪いことすな!」

「いったいなー。あんたってば怪力なんだから、手加減しなさいよ。……あと、時々その常識人なんなのよ? 非常識の塊みたいな存在のくせにー」

 

「お主にだけは言われたくはないわーい。100発もの戦車砲を撃ちこまれたことは末代まで語るからの」

 

 しつこいなー。

 

 ちょっと、ぶちかましただけじゃん。そも、自業自得みたいなもんだいしー。

 

「100発は、ちょっととは言わんからな? ったく、まぁ、ええ。……アークスよ、手形はありがたくもらうとして、通達は大丈夫か? こやつ、思い通りにいかなかったらマジで戦車砲を城門にぶち込みかねんぞ」

 

「そこはなんとも……。とりあえず早馬は走らせますし、ギルド経由でもなんとか──ただ、知っての通り、我が国は色々とアレなもので」

 

 あーはいはい。

 革命で作った、いろんな国のごちゃ混ぜなんだったね。さすがダメな赤い国。

 

「まーなんでもいいよ、むしろ、邪魔してくる誰かを吹っ飛ばさないだけの手形だと思ってる」

「「それはそう」」

 

 むしろ、ちょっかいだして被害を出さないがための手形だ。

 

 そうでもしないと、どうせ城門につくたびに金をせびられたり、身体をジロジロ見られる羽目になるからね。

 

 一応、これでもBランクだってのに、通行は街の治安に左右されるからホント面倒くさい。

 

 そして、この国は治安がウ◯コだからなー。

 

「ウン◯で悪かったの。これでも、昔よりはマシじゃーい」

 

 はいはい。

 

「まぁ、わかった。では次は魔族領を目指すということで、ワシもなるべく支援しようぞ」

「ありがと。あ、その御礼ってわけじゃないけどさ──」

 

「ん?」

 

 まま、こっちきてー。

 ──サウナを出て、ざばぁぁと、水風呂に入った私達は、露天風呂の敷地でタオル一枚で仁王立ち。

 

「なんじゃ?」「なにが始まるんじゃ?」「どーしたの?」

 

 ふふん!

 見て驚け、知って驚け!

 

 

「いくよー」

 

 

 はぁぁぁぁあ!

 

 

 

  「ガソスタ、じゃーーーーーーんぷ!!」

 

 

 

 ──じゅわ~~っち!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ミミック転生~人食い箱の食味記録~(作者:LA軍)(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

目が覚めたらミミックに転生していた。▼もちろんミミック(人食い箱)なので動けません。▼そのため、その場でひたすら待ち伏せ、やってきた間抜けな冒険者を食べていた。▼何十人と食った。▼……じつに美味かった。▼だが、ミミックは知らなかった。▼たくさん食べているウチにいつのまにか強くなり過ぎていたことに。▼そして、気づかないうちに、外では厄災の箱と呼ばれるまでに有名…


総合評価:1195/評価:6.74/連載:122話/更新日時:2026年09月26日(土) 11:55 小説情報

転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜(作者:電動ガン)(オリジナル:現代/コメディ)

目覚めたら無だった。何も無い。宇宙さえも。自分の身体を見る。銀色の甲殻、長い尻尾これモンスターだ!?よく見ると俺の他にも二頭のモンスターが。ドラゴンだこれ!!▼俺たち三頭の女神龍は宇宙創成の前の世界にいる。俺たちを生み出した主神の指示で世界を作り生命を繁栄させることとなったけど・・・・・・それ何年掛かるの?▼何億年も掛けて生命が宿れる星を何個も作り、失敗し、…


総合評価:2799/評価:7.58/連載:145話/更新日時:2026年09月15日(火) 22:48 小説情報

属性盛りすぎTS青春物語(作者:美しい正露丸)(原作:ブルーアーカイブ)

この物語は明らかに属性が渋滞しているTSした少女が青春物語に巻き込まれるお話。▼クロスオーバータグは若干のProjectMoonの設定を引用しているためつけています。知らない人でもわかるくらいの内容にするので履修必須ではないようにします。▼ブルアカのメインストーリーを読みながら進めるため多分めちゃくちゃ更新が遅いです。▼


総合評価:52/評価:-.--/連載:3話/更新日時:2026年09月09日(水) 02:00 小説情報

【TSして最強】世界はまだ、俺が魔女で聖女だと知らない(作者:月森朔)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

ダンジョンが現れてから30年。▼俺は、黒歴史の自作小説キャラになれるという奇妙な能力を手に入れた。▼変身した姿は、▼紅い髪をなびかせるレベル500の魔女▼食いしん坊の女子高生ヒーラー▼希代の美少女魔道具師▼・・・▼かつて妄想で描いたキャラたちが、▼美貌も能力もそのままに、俺のアバターとして実体化する。▼そして能力は進化し、分身も加わり、アバターが連携を始める…


総合評価:1862/評価:8.11/連載:108話/更新日時:2026年09月27日(日) 11:22 小説情報

異世界帰りのTS美少女勇者、人気ダンジョン配信者に成り上がりながら、「性転換の薬」を追い求める(作者:冰藍雷夏)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

 異世界「ターメリック」で魔王を倒した勇者・氷室優羽(ひむろ ゆう)。▼ 女神の約束通り、やっとの思いで地球に帰還した彼を待っていたのは――▼ 黄金の髪に碧眼、彫刻のような容姿を持つ【超絶金髪美少女】としての新しい肉体だった。▼「俺の『お兄ちゃん』が消え去っているんだが!?」▼ 混乱する優羽の前に現れたのは、血の繋がらない同い年の義妹・舞香。▼ 異世界帰りよ…


総合評価:97/評価:5/完結:31話/更新日時:2026年09月23日(水) 00:24 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>