異世界チハたん(九七式中戦車)無双〜聖女召喚されたけど捨てられました~ 作:LA軍
ブシュー……!
「ぷひー。サウナ、きもつえぇ~~!」
「うむ、動き回った後のサウナはサイコーじゃのー」
「んねー」
今日も今日とて、
全員でサウナに入ってまったり。
我がファミリーに加えて、パトロンのアークスちゃんも一緒。
っていうか、この子いつ仕事してんのかね?
なんか、モールとかスパ銭でウロウロしてるとこしか見てないけどー……。
「トップがガツガツ働いとるような組織が、まともなわけあるか」
「いや、何も言ってないけど?」
また、私ってば顔に出てた?
「いや、今のは口にしてたぞー」
「え?! マヂぇ?!」
顔に出やすいとは思ってたけど、ついに口にまででるようになったか、たはー!!
「いや、『たはー!』でなくてじゃな……。ワシ以外の権力者の前でやるなよ?……って言うってもやるよな、お前は」
「しないしない」
……しないよね? 私。
「自分で自信をなくしてどーする。ったく……。ところで、お前はこのあとどーするんじゃ?」
このあと?
「水風呂入って、ととのうけど?」
「いや、そんなミクロな話しとらんわ! この街で出てからの話じゃ!」
あ、ああー。
そっちか。
「お、我も気になるのー」
「きになるー」
え? そう?
「んー? あー」
そーね。
このあとね。
「んー……」
きょっにゅー! を腕組で潰しつつ、考えこむ私。
うむ、腕組しやすいね!
(※注: つまり巨乳ではない)
「あんまし深く考えてるわけじゃないんだけど、ほらー、ルルのね」
「ルルの?」「ほう」「るるー?」
う、うん。
ルルのこと。
「引き取る云々はとりあえず、おいといて。親元を探すのもありかな~って」
顔を覗き込んでくる、のじゃロリ二人から視線をそらしつつ、頬をぽりぽり。
「なに? 親元じゃと?」
「魔族の、か?」
思わず顔を見合わせる二人。
ルルはよく分かってなさそう。
「なんじゃ、引き取るんじゃなかったのか?」
「そのつもりでワシの申し出を断ったんじゃろうが」
いや、まぁそうなんだけどさ。
「んー。私のもろもろの事情は省くんだけどさー。まー、自分ってば、別になにか目的があるわけじゃないのよー」
成り行きでこの世界に来て、
なんか知らんうちに放り出されて、
気づいたらここにいた。
「だから、まー。あえていうなら、ゴロゴロしたい的な?」
「しとるが?」
「してますね」
「してるー」
しゃらっぷ!
わかってるっつの!
「そーいうことじゃなくって!! だからさ、それが今回の件で大金を手に入れて、ある程度は叶った今──この子のことを真剣に考えてみてもいいかなーって、そーいう話!」
や。
今まで真剣じゃなかったってわけじゃないのよ?
「ただ、ほら──本格的に自分で育てるとなると色々懸念がね」
そもそも、成り行きで引き取っちゃったし、それが正しいかどうかの自信が未だに持てないのだ。
「んーむ。まぁ、言いたいことは分からなくはないの。……普通は、奴隷なんぞ買ってしまえば、親がいようが恋人がいようが、知ったことではないと通すが──お主はそうでないと?」
そりゃそうでしょ。
なにその、鬼畜な価値観……こわいな、この世界。
「しかして、ルルの出自はよくわからんのじゃろ?」
「えぇ、はい。……ウチの国の商人のしでかしたこととはいえ、もとはオークの居留地で見つかったとのこと」
そうなのだ。
アークスが渋い顔で答えてくれたが、
当初は孤児院で引き取る流れもあって、簡単に追跡調査をしたが、奴隷商人から先──それ以上は分からないらしい。
そもそも肝心のルル自身がよくわかっていないのが問題なんだけどね。
この子ってば、奴隷商人にとっ捕まるまではオーク災害の途中で発見されたという程度の情報しかないみたいだし。
とはいえ、記憶喪失というかそういうのでもないし──本当にな〜んも知らないのだ。
そして、拾った商人もオーク災害でくたばったらしく、近くにいた者もそれ以上は詳しくは知らないという……。
ま、それが嘘か本当かはおいといてね。
「つまり何もわからないってこと。……とするとだよ? まぁ、普通に考えても、一回くらい親元につれてくのがいいっしょ?」
そこに親がいるなら返すべきだ。
そして、
私にはその力がある。
チハたんがある。
ぶっちゃけ、なんでもできる。
できないし、やらないという言い訳がどこにもないのだ。
「なるほどのー」
「しかし、そうなると魔族の地かー」
うーむ、と考えこむ二人。
まぁ、魔族が生きていける場所といえば基本的にはそこだ。
北の方にあるという、文字通り人跡未踏の大地。
魔族以外はほとん住んでいないという場所。
そりゃー、魔族だって変人はいるから、その土地だけに住んでいるわけではないけどね。
遍歴商人をしてたり、武者修行してたりと変人もいるにはいるらしい。
だけど、結構脳筋な魔族に対しての、人間の忌避感情は凄いので、ほとんど人間に勢力圏にはいないと言っていいとのこと──。
つまり、ルルの身元を確認するには、そこに行くのが一番確実。
……つーか、暑くなってきたんだけどー。
「なに? やっぱ無理?」
「無理とはいわんが遠いぞー」
「それに険しいしのー」
あー。
そういう話だったね。
「近いところでも、戦争中の王国を横切るとかそういうのじゃしの」
「あー、それはパス」
あの国には関わりたくねー。
関わったが最後、多分、というか絶対チハたんで蹂躙したくなるのは請け負いだぜ。
「……なんか物騒な顔しとるが、それが良いの。あの国は
保証?
あ、そういや、最初の街──サンズなんとかも、首都も、この子の国だったっけ。
「ほぅ。ええじゃないか、この国は広大ぞ。そこをフリーパスなら、厄介ごとはだいぶ減るの」
へー。
「じゃ、ちょーだい」
「……いや、飴玉みたいに渡すもんじゃないからな? ぶっちゃけ、国土のフリーパスなんぞ金貨5万枚よりもある意味貴重じゃからな? 商人なら、万金どころか、その十倍はだすからな?」
「けちけちしないでさー。ほ~れほれぇ、」
「あちょ! ど、どこ触っとんじゃ、あぁーん♡」
げっへっへっへー。
ここけ、ここがえんのけー──って、あいだー!
「あッほぉ! 子供の教育に悪いことすな!」
「いったいなー。あんたってば怪力なんだから、手加減しなさいよ。……あと、時々その常識人なんなのよ? 非常識の塊みたいな存在のくせにー」
「お主にだけは言われたくはないわーい。100発もの戦車砲を撃ちこまれたことは末代まで語るからの」
しつこいなー。
ちょっと、ぶちかましただけじゃん。そも、自業自得みたいなもんだいしー。
「100発は、ちょっととは言わんからな? ったく、まぁ、ええ。……アークスよ、手形はありがたくもらうとして、通達は大丈夫か? こやつ、思い通りにいかなかったらマジで戦車砲を城門にぶち込みかねんぞ」
「そこはなんとも……。とりあえず早馬は走らせますし、ギルド経由でもなんとか──ただ、知っての通り、我が国は色々とアレなもので」
あーはいはい。
革命で作った、いろんな国のごちゃ混ぜなんだったね。さすがダメな赤い国。
「まーなんでもいいよ、むしろ、邪魔してくる誰かを吹っ飛ばさないだけの手形だと思ってる」
「「それはそう」」
むしろ、ちょっかいだして被害を出さないがための手形だ。
そうでもしないと、どうせ城門につくたびに金をせびられたり、身体をジロジロ見られる羽目になるからね。
一応、これでもBランクだってのに、通行は街の治安に左右されるからホント面倒くさい。
そして、この国は治安がウ◯コだからなー。
「ウン◯で悪かったの。これでも、昔よりはマシじゃーい」
はいはい。
「まぁ、わかった。では次は魔族領を目指すということで、ワシもなるべく支援しようぞ」
「ありがと。あ、その御礼ってわけじゃないけどさ──」
「ん?」
まま、こっちきてー。
──サウナを出て、ざばぁぁと、水風呂に入った私達は、露天風呂の敷地でタオル一枚で仁王立ち。
「なんじゃ?」「なにが始まるんじゃ?」「どーしたの?」
ふふん!
見て驚け、知って驚け!
「いくよー」
はぁぁぁぁあ!
「ガソスタ、じゃーーーーーーんぷ!!」
──じゅわ~~っち!