異世界チハたん(九七式中戦車)無双〜聖女召喚されたけど捨てられました~ 作:LA軍
そして、
「で──アンタはいつまでついてくんのよ?」
地面に転がったルーフデスを見下ろすと、これまたエライ汚いなー。
「いや! 汚いのはお主が転がしたからじゃからなー!!」
「……そうだっけ?」
「そうじゃ!! な〜んで数秒前ののことを忘れとるんじゃー!」
「えへへ」
「……いや、いま笑うとこか?! え? なんか、我って面白いこと言ったかのー?」
どうだっけ?
「いや、こっちのセリフ!!──こ、こわぁ……。お主マジでこわー!」
「失礼だよ。人の顔見て怖いとかさー」
ホント、ぷんぷんですよ。
「いや、そーいうとこが怖いんじゃっての!! お主、一個づつ自分の行動振り返ってみー!」
「自分のー?」
…………なんかしたっけ?
「ずこー!」
「あはは、おもしろーい」
相変わらず、昭和だわー。
「ぐ、ぐぬぬぬ……。この、なんもしてないのに、泥まみれにされたあげく、戦車でひき殺されそうになった我がなんで悪いみたいな流れって、凄ない?!」
すごいねー。
「お主が一ッ番凄いわ! ったくもー」
「いやいや、『ったくも―』じゃないからね。何を泥を払ってそのまま乗り込もうとしてんの?」
「はーん?」
いや、はーん? でなくて……。
「話終わってないからー」
「マジで言っとんのか、コイツ?」
ルーフデスが助けを求めるようにルルのほうをみるが、甘い甘い。
ルルはアホの子だから、助けを求めても無駄だよー。
「にーっ」
ほーらね。
「……はぁ。もう、我の負けでええわい」
「いや、勝ち負けの話してるんじゃないんだけど──ま、いいや、ついでだし、今日はここで野営しよっか」
「好きにしてくれー」
がっくりと肩を落としたルーフデスがとぼとぼと街道の脇の退いて女の子座りをしているので、そのわきにガン止めして、ガソスタ召喚!!
「とぅ!」
「近い近い近い」
ドーーーーーーーーーン!!
「近ーい!」
「えへへ」
すごいっしょ!
「ホント、色々凄いなお主──はぁ、飯買ってきていいか?」
「いいよー。あ、お金持ってる?」
コイツ文無しじゃなかったっけ?
前に千円あげたけど──。
ないならしゃーなしにお小遣いを。
「ん」
「お、
「大金というほどではないがの」
なるほど、
ちゃっかり屋根代だけじゃなく、報酬も貰ってたのね、偉い偉い。おねーさん感心~。
「我の方が年上じゃかならな?」
「そうだっけ?」
「……もう、どうでもええわい」
あらら。
すーぐ諦めるんだからー。
「ま、とりあえず、各自ご飯買って、たべよーか」
「あーい♪」「そうじゃの」
というわけで、
Lv2コンビニ付きガソリンスタンで買い物だー。
え?
スパ銭とかモールじゃないのかって?
……そりゃ、街道脇にいきなり温泉があったらビビるっしょ?
私は空気が読める女なので、街道脇にはガソスタとコンビニと思ってます──きりりっ。
「……その時点でズレとるからの」
「うっさいよー」
というわけで──。
「かんぱーい!」
「ぱーい……」
「ぱーい♪」
ぷしゅ!
「っぱぁぁぁぁあ!」
うまいっ!
やっぱり日の高いうちに飲む、おビールは美味いね!!
「ほんと、うまそーに飲むのー」
「うまいからね。アンタものむ?」
「貰おうかの」
おっけい。
「ルルはー?」
「アンタはこっち」
アメリカンな炭酸ね!
それのゼロカロリーのやつ。
「これ好きー!」
「うんうん、ゼロカロリーだから好きなだけ飲むよろし!」
どーん! と、残りの入った1.5L入りを置いてやると、満面の笑み。
「つーか、アンタは飲めるんだっけ?」
「何を今更。……何度も言うがお主より年上じゃ」
そうかもしんないけど、子供にしか見えん。
赤い髪に、なんかゆるゆるの服。
そんでちょっとキツメノお目目。
まぁ、美少女の部類だろうが、チッコイはチッコイのよねー。
「なんじゃ?」
「なんでも──。さ、それより食べよっか」
いつものどーり、チハたんを駐車し、そのわきにガソスタの事務室からソファーを引っ張り出してきて、みんなのご飯を広げる。
なんちゃってバーベキュースタイルだぜぃ。
さすがにガソスタ内なので火気厳禁だけどねー。
「この匂いの中で食うのも慣れてきたのー」
「ぶっちゃけ、そこまで臭くないっしょ?」
服とか手についたらあれだけど、
施設自体はさほど臭いとは思わない。むしろ、慣れた臭いだ。
「まーの。……お、ルルの助はオデンか」
「これ、すきー」
にーっと、笑うルルはおでん全種類コンプリート。牛すじと、ひろうす多め。
通だねー。
「我はこっち」
「アンタそれ好きねー」
ルーフデスはルーフデスで、中華まんシリーズコンプリート。
おいしいけど、普通、一個か二個じゃね?
「好きなモン食うて何が悪い。それにコンプしたかっただけじゃ」
「あっそ」
私?
私はほら──女子なので、サラダー。
「パスタ入りのサラダを2個も3個も買ってきて女子もなにもあるかい」
「うっさいなー。気持ちの問題だよ」
野菜が入ってるから実質ゼロカロリーだよ。
「からあげはどう説明すんじゃ?」
「レモン汁かけたー」
つまりゼロカロリーだね。
「……もう、好きにせい」
「ろんのもちよ──えへへ、こっちも食べちゃおっと」
パカー。
あけたのは勿論、大盛りのカツカレーだぜ!
「ここに、塩味ゆで卵をのっけて、唐揚げをトッピングー。最後に、パック売りのらっきょうをのせたらー」
じゃん!
「ゼロカロリーかれー!」
「いや、高カロリーカレーじゃからな!」
ノンノンノン!
「らっきょう載せてるでしょ!」
「意味わからん。……まぁ、好きにせい」
好きにするわーい!
「──で、食べながらでいいんだけどさ」
「んあぁ?」「んーっ?」
ルーフデスとルルがこっちを向いてくるので、ここぞと確認。
「……あんた、マジでいつまでついてくんの?」
「ぶほっ」
「わ、わーっ」
おっふ。
ルルの顔に中華まんがー……いや、喰うな食うな、そんなん食うな。
「ほら、これで拭いて」
「いや、千円で拭くなし!」
やかましいよー。
たまには成金ムーヴをだね。
なんたって、私は金貨5万枚の女ー!
…………今は3万枚と少しだっけ?
「ったく、ルルはこづかいに貰っとけ。あと、どうせやるなら1万円にせんか」
やだよ。
そんなん、成金みたいじゃん
「で、どうなん?」
カレーもぐもぐ。
「食うか、聞くかどっちかにせいよ──しかし、そうじゃのー」
頭ガシガシ、
中華まんもぐもぐしながら言っても説得力なーし。
「──前にも言うたかもしれんが、一族より、使命を託されておってなー」
「あー」
厄介払いな。
「それというのも、ほれ──最近の一連の流れで知っとるかもしれんが、魔物の動きが尋常ではない」
「っぽいねー」
知らんけど。
「それを調査しておるのじゃが、その過程で、先のオークだのベヒモスじゃ。──正直、一人では手が余ると思っておったところに……」
ん?
なに? 中華まんくれるの?
「いや、やらんわ!! そんだけ、高カロリーのモンを食っといて人のまで欲しがるな! これは指をさしとるだけじゃ!」
「ケチだなー」
つーか、中華まんごしに指さすなや。
「──そうでなくて、手が余ると思ったところに、とんでもない奴がおってなー」
「トンデモないとな!」
イッタイ、ダレダロー。
「棒読みでいうな。お主に決まっておろうが。……ベヒモスをまとめて倒し、伝説の魔物を下したとなれば手を借りるか、離れるしかないじゃろが?」
「そういうもん?」
……え?
ってことはなに?
「もしかして、その調査とやらにあわよくば乗っかりたいって感じ?」
「ま、まぁ、そうなるの──実際、終わりがどこにあるかも分からん調査じゃしのー」
それはそう。
っていうか、それが原因調査ってなもんだしねー。
「……そういうわけで、ぶっちゃけた所、お主についていくのが一番真相に近づけそうじゃしのー。って感じなんじゃが、どうじゃ?」
「どうじゃって言われてもなー」
ルーフデスほどじゃないけど、
私もこれと言って当てがあるわけじゃない。
そもそも、魔族領にルルを連れて行くのが正解ともいえないし、連れて行ったとて親元が分かる保証もまったくない。
まぁ、半分は自己満足だ。
もともとゴロゴロするか観光するかくらいしか考えてなかったし、そのついでともいう。
……ルルには迷惑かもだけどね。
「んー。まぁ、いいよ」
「そうかそうか。そう簡単にはいか────……んが?! い、いいのか?」
ん?
「別にいいよ。アンタって結構この世界に詳しいし、いてくれたら私も助かるっちゃ、助かる」
「お、おう。そのあたりの知識なら任せまい!」
ない胸をドーン!
いや。プルルン♪ と震えるくらいにはあるな……ガキっぽいくせに、ド畜生めー。
「いや、な、なんで睨むんじゃ?」
「なんでも──。ま、そういう話ならいいよ」
「マジか!」
「マヂマヂ! でも、店員とかじゃないし、雇用関係でもないから、お金とかは自分で何とかしてよ」
「それはもちろんじゃ! 実はほれ──」
ん?
あ、冒険者認識票。
「……あのギルマスにいって作らせといた。ルルの助も持っとるのに、我だけないのも不都合じゃしのー」
「それはそう。ってか、なんで3つ?」
Aランク、Cランク、Fランク……。
「決まっとろう──お主とルルの分よ。言うの忘れとったが、預かっとったわい」
「んな!」
ってことは、もしかして、私ってばAランク?!
「うむ。史上最速のランクアップじゃそうじゃ。まぁ、そもそもAランクでも足りん実績らしいからのー。そのうちSランクにお声がかかるんじゃないかと言っておったわー」
へー。
次はSランクかー。
そういいつつ、ルーフデスから受け取った、Aランクのそれを首に掛ける。
「えへへ、私すげーじゃん」
なんてこったぃ。
あっという間にAランクに昇格だぜー。