異世界チハたん(九七式中戦車)無双〜聖女召喚されたけど捨てられました~   作:LA軍

85 / 85
第85話「それぞれの事情」

 そして、

 

「で──アンタはいつまでついてくんのよ?」

 

 地面に転がったルーフデスを見下ろすと、これまたエライ汚いなー。

 

「いや! 汚いのはお主が転がしたからじゃからなー!!」

「……そうだっけ?」

 

「そうじゃ!! な〜んで数秒前ののことを忘れとるんじゃー!」

「えへへ」

「……いや、いま笑うとこか?! え? なんか、我って面白いこと言ったかのー?」

 

 どうだっけ?

 

「いや、こっちのセリフ!!──こ、こわぁ……。お主マジでこわー!」

「失礼だよ。人の顔見て怖いとかさー」

 

 ホント、ぷんぷんですよ。

 

「いや、そーいうとこが怖いんじゃっての!! お主、一個づつ自分の行動振り返ってみー!」

「自分のー?」

 

 …………なんかしたっけ?

 

「ずこー!」

「あはは、おもしろーい」

 

 相変わらず、昭和だわー。

 

「ぐ、ぐぬぬぬ……。この、なんもしてないのに、泥まみれにされたあげく、戦車でひき殺されそうになった我がなんで悪いみたいな流れって、凄ない?!」

 

 すごいねー。

 

「お主が一ッ番凄いわ! ったくもー」

「いやいや、『ったくも―』じゃないからね。何を泥を払ってそのまま乗り込もうとしてんの?」

「はーん?」

 

 いや、はーん? でなくて……。

 

「話終わってないからー」

「マジで言っとんのか、コイツ?」

 

 ルーフデスが助けを求めるようにルルのほうをみるが、甘い甘い。

 ルルはアホの子だから、助けを求めても無駄だよー。

 

「にーっ」

 

 ほーらね。

 

「……はぁ。もう、我の負けでええわい」

「いや、勝ち負けの話してるんじゃないんだけど──ま、いいや、ついでだし、今日はここで野営しよっか」

「好きにしてくれー」

 

 がっくりと肩を落としたルーフデスがとぼとぼと街道の脇の退いて女の子座りをしているので、そのわきにガン止めして、ガソスタ召喚!!

 

「とぅ!」

「近い近い近い」

 

 

 ドーーーーーーーーーン!!

 

 

「近ーい!」

「えへへ」

 

 すごいっしょ!

 

「ホント、色々凄いなお主──はぁ、飯買ってきていいか?」

「いいよー。あ、お金持ってる?」

 

 コイツ文無しじゃなかったっけ?

 前に千円あげたけど──。

 

 ないならしゃーなしにお小遣いを。

 

「ん」

「お、金貨(きんか)持ちなのね──……あぁ、アークスから貰ったんだ」

「大金というほどではないがの」

 

 なるほど、

 ちゃっかり屋根代だけじゃなく、報酬も貰ってたのね、偉い偉い。おねーさん感心~。

 

「我の方が年上じゃかならな?」

「そうだっけ?」

「……もう、どうでもええわい」

 

 あらら。

 すーぐ諦めるんだからー。

 

「ま、とりあえず、各自ご飯買って、たべよーか」

「あーい♪」「そうじゃの」

 

 というわけで、

 Lv2コンビニ付きガソリンスタンで買い物だー。

 

 

  え?

 

 

 スパ銭とかモールじゃないのかって?

 ……そりゃ、街道脇にいきなり温泉があったらビビるっしょ?

 

 私は空気が読める女なので、街道脇にはガソスタとコンビニと思ってます──きりりっ。

 

「……その時点でズレとるからの」

「うっさいよー」

 

 

 

  というわけで──。

 

 

 

「かんぱーい!」

「ぱーい……」

「ぱーい♪」

 

 

 ぷしゅ!

 

「っぱぁぁぁぁあ!」

 

 うまいっ!

 やっぱり日の高いうちに飲む、おビールは美味いね!!

 

「ほんと、うまそーに飲むのー」

「うまいからね。アンタものむ?」

「貰おうかの」

 

 おっけい。

 

「ルルはー?」

「アンタはこっち」

 

 アメリカンな炭酸ね!

 それのゼロカロリーのやつ。

 

「これ好きー!」

「うんうん、ゼロカロリーだから好きなだけ飲むよろし!」

 

 どーん! と、残りの入った1.5L入りを置いてやると、満面の笑み。

 

「つーか、アンタは飲めるんだっけ?」

「何を今更。……何度も言うがお主より年上じゃ」

 

 そうかもしんないけど、子供にしか見えん。

 

 赤い髪に、なんかゆるゆるの服。

 そんでちょっとキツメノお目目。

 まぁ、美少女の部類だろうが、チッコイはチッコイのよねー。

 

「なんじゃ?」

「なんでも──。さ、それより食べよっか」

 

 いつものどーり、チハたんを駐車し、そのわきにガソスタの事務室からソファーを引っ張り出してきて、みんなのご飯を広げる。

 なんちゃってバーベキュースタイルだぜぃ。

 

 さすがにガソスタ内なので火気厳禁だけどねー。

 

「この匂いの中で食うのも慣れてきたのー」

「ぶっちゃけ、そこまで臭くないっしょ?」

 

 服とか手についたらあれだけど、

 施設自体はさほど臭いとは思わない。むしろ、慣れた臭いだ。

 

「まーの。……お、ルルの助はオデンか」

「これ、すきー」

 

 にーっと、笑うルルはおでん全種類コンプリート。牛すじと、ひろうす多め。

 

 通だねー。

 

「我はこっち」

「アンタそれ好きねー」

 

 ルーフデスはルーフデスで、中華まんシリーズコンプリート。

 

 おいしいけど、普通、一個か二個じゃね?

 

「好きなモン食うて何が悪い。それにコンプしたかっただけじゃ」

「あっそ」

 

 私?

 私はほら──女子なので、サラダー。

 

「パスタ入りのサラダを2個も3個も買ってきて女子もなにもあるかい」

「うっさいなー。気持ちの問題だよ」

 

 野菜が入ってるから実質ゼロカロリーだよ。

 

「からあげはどう説明すんじゃ?」

「レモン汁かけたー」

 

 つまりゼロカロリーだね。

 

「……もう、好きにせい」

「ろんのもちよ──えへへ、こっちも食べちゃおっと」

 

 パカー。

 

 あけたのは勿論、大盛りのカツカレーだぜ!

 

「ここに、塩味ゆで卵をのっけて、唐揚げをトッピングー。最後に、パック売りのらっきょうをのせたらー」

 

 じゃん!

 

「ゼロカロリーかれー!」

「いや、高カロリーカレーじゃからな!」

 

 ノンノンノン!

 

「らっきょう載せてるでしょ!」

「意味わからん。……まぁ、好きにせい」

 

 好きにするわーい!

 

「──で、食べながらでいいんだけどさ」

「んあぁ?」「んーっ?」

 

 ルーフデスとルルがこっちを向いてくるので、ここぞと確認。

 

「……あんた、マジでいつまでついてくんの?」

「ぶほっ」

「わ、わーっ」

 

 おっふ。

 

 ルルの顔に中華まんがー……いや、喰うな食うな、そんなん食うな。

 

「ほら、これで拭いて」

「いや、千円で拭くなし!」

 

 やかましいよー。

 

 たまには成金ムーヴをだね。

 なんたって、私は金貨5万枚の女ー!

 

 …………今は3万枚と少しだっけ?

 

「ったく、ルルはこづかいに貰っとけ。あと、どうせやるなら1万円にせんか」

 

 やだよ。

 そんなん、成金みたいじゃん

 

「で、どうなん?」

 

 カレーもぐもぐ。

 

「食うか、聞くかどっちかにせいよ──しかし、そうじゃのー」

 

 頭ガシガシ、

 中華まんもぐもぐしながら言っても説得力なーし。

 

「──前にも言うたかもしれんが、一族より、使命を託されておってなー」

「あー」

 

 厄介払いな。

 

「それというのも、ほれ──最近の一連の流れで知っとるかもしれんが、魔物の動きが尋常ではない」

「っぽいねー」

 

 知らんけど。

 

「それを調査しておるのじゃが、その過程で、先のオークだのベヒモスじゃ。──正直、一人では手が余ると思っておったところに……」

 

 ん?

 なに? 中華まんくれるの? 

 

「いや、やらんわ!! そんだけ、高カロリーのモンを食っといて人のまで欲しがるな! これは指をさしとるだけじゃ!」

「ケチだなー」

 

 つーか、中華まんごしに指さすなや。

 

「──そうでなくて、手が余ると思ったところに、とんでもない奴がおってなー」

「トンデモないとな!」

 

 イッタイ、ダレダロー。

 

「棒読みでいうな。お主に決まっておろうが。……ベヒモスをまとめて倒し、伝説の魔物を下したとなれば手を借りるか、離れるしかないじゃろが?」

「そういうもん?」

 

 ……え?

 ってことはなに?

 

「もしかして、その調査とやらにあわよくば乗っかりたいって感じ?」

「ま、まぁ、そうなるの──実際、終わりがどこにあるかも分からん調査じゃしのー」

 

 それはそう。

 っていうか、それが原因調査ってなもんだしねー。

 

「……そういうわけで、ぶっちゃけた所、お主についていくのが一番真相に近づけそうじゃしのー。って感じなんじゃが、どうじゃ?」

「どうじゃって言われてもなー」

 

 ルーフデスほどじゃないけど、

 私もこれと言って当てがあるわけじゃない。

 

 そもそも、魔族領にルルを連れて行くのが正解ともいえないし、連れて行ったとて親元が分かる保証もまったくない。

 

 まぁ、半分は自己満足だ。

 

 もともとゴロゴロするか観光するかくらいしか考えてなかったし、そのついでともいう。

 ……ルルには迷惑かもだけどね。

 

「んー。まぁ、いいよ」

「そうかそうか。そう簡単にはいか────……んが?! い、いいのか?」

 

 ん?

 

「別にいいよ。アンタって結構この世界に詳しいし、いてくれたら私も助かるっちゃ、助かる」

「お、おう。そのあたりの知識なら任せまい!」

 

 ない胸をドーン!

 

 いや。プルルン♪ と震えるくらいにはあるな……ガキっぽいくせに、ド畜生めー。

 

「いや、な、なんで睨むんじゃ?」

「なんでも──。ま、そういう話ならいいよ」

「マジか!」

「マヂマヂ! でも、店員とかじゃないし、雇用関係でもないから、お金とかは自分で何とかしてよ」

「それはもちろんじゃ! 実はほれ──」

 

 ん?

 あ、冒険者認識票。

 

「……あのギルマスにいって作らせといた。ルルの助も持っとるのに、我だけないのも不都合じゃしのー」

「それはそう。ってか、なんで3つ?」

 

 Aランク、Cランク、Fランク……。

 

「決まっとろう──お主とルルの分よ。言うの忘れとったが、預かっとったわい」

「んな!」

 

 ってことは、もしかして、私ってばAランク?!

 

「うむ。史上最速のランクアップじゃそうじゃ。まぁ、そもそもAランクでも足りん実績らしいからのー。そのうちSランクにお声がかかるんじゃないかと言っておったわー」

 

 へー。

 次はSランクかー。

 

 そういいつつ、ルーフデスから受け取った、Aランクのそれを首に掛ける。

 

「えへへ、私すげーじゃん」

 

 

 

 

 なんてこったぃ。

 あっという間にAランクに昇格だぜー。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ミミック転生~人食い箱の食味記録~(作者:LA軍)(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

目が覚めたらミミックに転生していた。▼もちろんミミック(人食い箱)なので動けません。▼そのため、その場でひたすら待ち伏せ、やってきた間抜けな冒険者を食べていた。▼何十人と食った。▼……じつに美味かった。▼だが、ミミックは知らなかった。▼たくさん食べているウチにいつのまにか強くなり過ぎていたことに。▼そして、気づかないうちに、外では厄災の箱と呼ばれるまでに有名…


総合評価:1215/評価:6.84/連載:123話/更新日時:2026年09月28日(月) 11:55 小説情報

転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜(作者:電動ガン)(オリジナル:現代/コメディ)

目覚めたら無だった。何も無い。宇宙さえも。自分の身体を見る。銀色の甲殻、長い尻尾これモンスターだ!?よく見ると俺の他にも二頭のモンスターが。ドラゴンだこれ!!▼俺たち三頭の女神龍は宇宙創成の前の世界にいる。俺たちを生み出した主神の指示で世界を作り生命を繁栄させることとなったけど・・・・・・それ何年掛かるの?▼何億年も掛けて生命が宿れる星を何個も作り、失敗し、…


総合評価:2855/評価:7.61/連載:146話/更新日時:2026年09月27日(日) 17:07 小説情報

属性盛りすぎTS青春物語(作者:美しい正露丸)(原作:ブルーアーカイブ)

この物語は明らかに属性が渋滞しているTSした少女が青春物語に巻き込まれるお話。▼クロスオーバータグは若干のProjectMoonの設定を引用しているためつけています。知らない人でもわかるくらいの内容にするので履修必須ではないようにします。▼ブルアカのメインストーリーを読みながら進めるため多分めちゃくちゃ更新が遅いです。▼


総合評価:52/評価:-.--/連載:3話/更新日時:2026年09月09日(水) 02:00 小説情報

うわぁぁ!!! エルフだ!!??!(作者:葛城)(オリジナル:ファンタジー/日常)

例によって例のごとく、神様のミスで異世界TS転生しただけでなくエルフになった人の話▼なお、異世界ではエルフはお伽噺の住人扱いされるぐらいで、本当にエルフっていたんだって超驚かれる存在である▼※セルフレイティングは、いちおう念のため


総合評価:4367/評価:8.28/連載:14話/更新日時:2026年08月19日(水) 17:01 小説情報

【TSして最強】世界はまだ、俺が魔女で聖女だと知らない(作者:月森朔)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

ダンジョンが現れてから30年。▼俺は、黒歴史の自作小説キャラになれるという奇妙な能力を手に入れた。▼変身した姿は、▼紅い髪をなびかせるレベル500の魔女▼食いしん坊の女子高生ヒーラー▼希代の美少女魔道具師▼・・・▼かつて妄想で描いたキャラたちが、▼美貌も能力もそのままに、俺のアバターとして実体化する。▼そして能力は進化し、分身も加わり、アバターが連携を始める…


総合評価:1886/評価:8.12/連載:112話/更新日時:2026年09月29日(火) 11:24 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>