「それで……」サルが切り出した。「僕たち……一緒に行かない?……」
「うん、もちろん!」彼女は嬉しそうに声を弾ませた。「パーティーは来週の金曜日だよ。現地で待ち合わせしよっか」エシュは優しく, どこか悪戯っぽく付け加えた。
プロテクターの下で、自分の顔がすっかり赤くなっているのが見えないのは、彼にとって幸運だった。
「じゃあ……パーティーで会おう、ね?……」少年は自信なさげに返事をした。
「ふふっ」彼女は楽しそうにクスクスと笑った。「まるで来週は授業に出ないつもりみたいな言い方だね!」
サルはプロテクターの下で、さらに顔を赤くしたようだった。エシュにそれが見えないのは幸いだった。しかし不運なことに、サルは自分の姿を客観的に見ることができず、長年の友人であるアシュリーが彼のボディランゲージを完璧に見抜いていて、照れているのがバレバレだということに気づいていなかった。
「あ……う、うん、も、もちろん! はは……ちゃ、ちゃんと授業には出るよ!」サルの声は、かすかな動揺を容赦なく裏切っていた。
「ふふっ、サル、そんなに焦らなくても大丈夫だよ」彼女は安心させるように言った。「私たち、親友でしょ? もし授業に出たくないなら、病欠だってことにしてあげるよ、あはは!」アシュリーは少年に悪戯っぽくウィンクしてみせた。
もちろん、彼女は彼がなぜ照れているのか知っていたが、良い友人として、それを態度には出さなかった。もし彼女が、サル・フィッシャーが自分のことをただの「友人」以上の存在として見ていると知ったら、どう思うだろうか……。
「え?……あ……はは、エシュ、うん……君は本当にいい『友達』だよ」少年は、そんなありきたりで、だけど……どうしようもなく「間違っている」気がする『友達』という言葉を口にした瞬間、ハッと我に返ったようだった。
「それでね」エシュが話を続けた。「寮まで送ってくれない? なんてね」
「え……っ? あ、う、うん、もちろん! エシュ。行こう」
日はすっかり沈み、その光の残滓さえも世界から消え去っていた。暗闇に包まれた公園は、他のすべての景色と同じように、昼間とはまるで違う場所のように感じられる。夜の冷気が容赦なく肌を刺し、鳥肌が立って体が小さく震えだす。サルは「完璧な」タイミングを見計らうかのように、エシュに気づかれないよう盗み見ては、温まるための何かを提案するチャンスをうかがっていた。しかし不幸か幸いか、彼のトップスはお気に入りのフーディー一枚きりで、彼女もまた上着を羽織っていなかった。唯一の解決策は抱きしめ合うことだけ。もちろん、「友達としての」ハグだ。それ以外にあるわけがない。けれど、好きな「友達」に「友達としての」ハグを提案するのは、決して簡単なことではなかった。サルはただ、彼女の肩をそっと抱き寄せて、少しでも近くで温めてあげたかっただけなのだが、拒絶されるのが怖くてたまらなかった……。だがアシュリーは敏感だった。だからこそ、彼女の方からその沈黙を破った。
「ねえ、サル……」エシュリーは言葉を選びながら言った。「ちょっと寒いかも……その、抱きしめてもらうのって……迷惑かな? 暖まるためだけだよ、私たち友達だし!」彼女はかすかな微笑みを浮かべてそう言った。
「え?……あ、う、うん、もちろん……」少年の心臓は、今にも胸から飛び出しそうだった。まさかアシュリーの方からハグを提案してくるなんて?
「嫌なら無理しなくて大丈夫だからね! 本当に!」自分が押し付けがましかったかもしれないと思い、エシュは慌てて否定した。
「え、えっ?! 違う、違うんだ! 僕……僕だって、自分からそう言おうと思ってたんだから!」
その言葉を発した瞬間、サルは凍りついた。今の一言は、完全に無意識のうちに口から滑り落ちてしまったものだった……。
エシュリーも足を止めた。だが、ショックを受けたからではなく、友達が道の真ん中で立ち止まり、ぼんやりと遠くを見つめ始めたからだ。彼女は自分がやりすぎたのではないかと不安になった。彼にプレッシャーを与えすぎたのかもしれない、と。エシュリーは内心パニックに陥っていたが、それを表に出さないよう必死だった。しかし、かすかに震える声が、彼女の焦りを裏切ってしまっていた。
「あの……サ、サル? 大丈夫?……」
親友の声が、まるで少年を深いトランス状態から引き戻すかのように響いた。
「え?……あ、うん……それで……どこまで話してたっけ? 僕……君を抱きしめてもいい? ただ温めるためだけだよ、変な意味じゃないから……」
「それは……私から言い出したことだしね、ふふっ。もちろんいいよ! でも、早く歩こっか。どんどん暗くなって寒くなってきたし……」アシュリーは少年に一歩近づいた。
サルの手はかすかに震えながら、彼女の肩へと伸ばされた。彼女がこんなにも近くにいる……。たしかに、アシュリーはこれまでもよく彼をハグしてくれた。けれど、その距離の近さは毎回、彼の心臓をまるで籠の中の小さな鳥のように激しく震え上がらせるのだった。彼女の体温が、どうしようもなく身近に感じられる……。エシュリーはただ温まるために、もっと寄り添うように身を寄せた。もちろん、それ以外の理由なんてあるわけがない。彼に触れるのが心地いいからだなんて、そんなわけがないのだ! 二人の足取りは自然と重なり、呼吸はシンクロし、互いの体温が混ざり合っていく。そうして二人は、いつの間にか目的地にたどり着いたことさえ気づかないままでいた。
「それじゃあ……着いちゃったね。送ってくれてありがとう!」
「うん、もちろん! じゃあ……また明日、会える?」
「あれ、やっぱり授業に出る気になったの?」
「おいおい、最初からサボるつもりなんてなかったって! まあ……ほんのちょっと、あの退屈なやつをひとつくらいなら、ね?」
「はいはい、わかってるよ!」彼女はクスクスと笑った。「明日、一限目で会おうね」
「じゃあ、また明日、エシュ!」
「また明日!」
翌日は、サルが約束通り一限目の教室に姿を現すことから始まった。そこから今週の残りの日々は、まるで流れのない水面で小さな筏に揺られ、ゆっくりと進んでいるかのように、ひどく長く感じられた。教授たちの単調な呟きを聞きながら、サルは時折、退屈そうにしたエシュからの視線とぶつかることがあった。彼女は無意識のうちに彼の方を盗み見ているようだった。週の後半、サルの頭の中はパーティーのこと、特にアシュリーがどんな格好をしてくるのか……そして、彼女の前で自分がちゃんと自信を持って振る舞えるかどうかという思考でいっぱいになっていた。
待ちに待った金曜日が、ついにやってきた。その日一日、サルはまるで針のむしろに座っているかのように落ち着かず、ドタバタと寮の自室を動き回っては、これから始まるパーティーでの振る舞いを予行演習していた。少年は準備に没頭するあまり、完全に時間を忘れ、イベントの開始時間をとっくに過ぎてしまっていた! 時計に目をやった瞬間、彼は卒倒しそうになった。
「クソッ!」サルは悲鳴を上げた。
少年はさらに激しく慌てふためき始めた。当然だ、パーティーはもう15分前に始まっているというのに、彼はまだパンツ一丁なのだから! 彼は大急ぎで服にアイロンをかけ、タクシーを呼ばざるを得なかった。自分の乗るべきバスは、もう行ってしまった後だったからだ。哀れなサルは、寮からタクシーへと向かう道すがら、転びそうにさえなった。
しかし、サルが準備に追われタクシーに揺られている間に、アシュリーは友達が来てくれないことに、すっかり落ち込んでしまっていた。
(やっぱり、私は彼に好かれてないのかな……)彼女はそう思った。
少女は壁際で、シャンパングラスを手に時間を潰していた。濃紫色のドレスが彼女のウエストをやさしく包み込み、細いストラップが時折意地悪く肩から滑り落ちる。ボリューミーな裾は、彼女の足元に重たげに広がっていた。退屈しのぎに、彼女は左肩を飾る三輪のバラを代わる代わるいじっていた。
「おーっと、誰かと思えば? 」エシュの前に、このパーティーの主催者であるドレイクの、自信に満ちあふれた声が響いた。「美人のエシュリーが、まさか一人で退屈してるわけじゃないよね?」
「あ、ドレイク! ハロー。全然そんなことないよ、ただ端っこの方から楽しんでるだけ」エシュは気のない風を装って言ったが、実際は全く居心地が良くなかった。
「何言ってるんだよ!」少年は、からかうような皮肉を交えて言った。「お前が絶対にリラックスできる方法を、俺は知ってるぜ」
「ありがとう、ドレイク。でもそういうの、必要ないから」エシュリーはパーティーの主催者から、さりげなく距離を置き始めた。
「まあ待てよ。俺はいい奴だぜ、エシュ。女の子が何を求めてるかくらい分かってるさ。行こうよ、俺たちが二、三時間いなくなったところで、誰も気づきやしないって」ドレイクは、まるで喉を鳴らすような甘ったるい声で囁いた。
「はっ!『数時間』? 自分を過大評価しないでよ、このうぬぼれ屋!」
「何だと?! 行こう、俺の言葉が本当だってことを行動で証明してやるよ!」ドレイクは彼女の手首を掴むと、寝室の方へと無理やり引っ張り始めた。
「何するの?! 離して!」エシュは叫んだ。しかし、大音量の音楽のせいで、周囲の群衆に彼女の声は届かなかった。ドレイクの行動に気づいた数少ない者たちでさえ、トラブルに巻き込まれるのを嫌い、見て見ぬふりを選んだ。エシュリーは決して弱い少女ではなかったが、パーティーの主催者である彼の方が力で勝っていた。
彼は彼女を寝室へと引きずり込んだ。その過剰な自信ゆえに、ドアを閉めようとさえしなかった。必要ない、どうせ目撃者などいないのだから、と。しかし、ドレイクは一つの決定的な事実に気づいていなかった。――サルがパーティーに到着していたのだ。少年は主催者が彼女を寝室へ連れ去るのを目撃し、一切の躊躇なく彼らの後を追った。卑劣漢の手が自分のズボンのベルトへと伸びたその瞬間、サルは叫び声とともに部屋へと踏み込んだ。
「ドレイク! やめろ!」
少年はおそらく人生で初めて、それほどまでに毅然とした声を響かせた。
パーティーの主催者は、予期せぬ来客の方へと首を巡らせた。
「サル? お前、エシュを助けるつもりか?」ドレイクは嘲笑うかのように言った。しかし、彼が笑っていられたのはそこまでだった。少年の頭部に、背後から強烈な一撃が喰らわされた。――アシュリーが状況を判断し、サルが注意を引きつけている隙に掴んだデスクライトで、迫る脅威を殴り倒し、気絶させたのだ。
「エシュ?! 大丈夫?……」
心配と驚きが入り交じったような声で、サルは問いかけた。
「うん! 全然大丈夫。助けてくれてありがとう、サル。本当にいい『友達』ね!」彼女は物柔らかな微笑みを浮かべて、またそれを口にした。彼の心を締め付ける、あの痛烈な言葉を。
「はは。どういたしまして。……行こう、ここから出よう」
「うん、行こう!」
二人は手を繋ぎ、パーティーを後にした。そして、もう何度も訪れたあの馴染みの海岸通りへと向かった。またしても、地平線の彼方へと沈みゆく夕日を、二人で見届けるために。