とある市民の自己防衛   作:サクラ君

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にじファンから移転してきました!
お暇な方は駄文ですがどうぞお楽しみください!!
しばらくは向こうで出してた話で話が進んでいきます。


プロローグ編
プロローグ


『次は、○●駅。○●駅。』

 

いつもの電車でいつものアナウンスを聴きながら、ガタゴト揺れる電車に俺

は揺られていた。外の風景もいつものまんま。

乗客の顔も変化に乏しく余り変わらない。

そんな日常風景が今日もある。

いや、きっと明日も明後日も。

 

「ああ。寝み。」

 

テスト勉強のせいで大して寝てない。

 

「まあ、後少しだからな・・・。」

 

ああ、眠い・・・・・・・。

 

 

 

目を覚ますと、暗い場所にいた。何処だ此処?

 

「トンネルにでも入ったのか?いや、それにしては。」

 

暗すぎる。まさか・・・。

 

「申し訳有りません!」

 

突然背後からそんな声が聞こえた。

振り返ると、実に苦労していそうなオジサンがいた。

テンプレと言う奴か。

 

「俺は、死んだんですか?」

 

「ええ。ワタクシこのような者です。」

オジサンは、名刺をそっと差出してきた。

 

(あの世課・ヤマダハヤト)

ふむ、実に分かりやすい。

 

「死んだといっても、肉体はまだ生きてますがね。」

どういう事だろうか?

 

「簡単です。精神が既に死亡しているのです。そして、ここに来た。ワタクシは、なんとか戻そうとしたのですが・・・。」

ダメだったと・・・。

 

「で、俺はこれからどうなるんですか?まさか、このままここに?」

 

「いいえ、取り合いずアナタには、別の世界に行ってもらいます。」

 

なんで?

 

「この世界は、いわゆる神とそれに準ずる者しか存在が出来ないからです。」

 

「そんな・・・もう親にも会えないんですか?」

 

まだ、肉体が生きているのなら、可能性はある。

そう思っていたが。

 

「・・・たとえ目覚めたとしても、その時のアナタは既に別人です。家族のことも友達のことも解からない。既に”アナタ”と言う存在は死亡していますから。」

 

「・・・・・・。」

 

俺は、無言でうなづいた。

 

「それでは、転生して頂きます。これから行ってもらう世界は、いわゆるアニメの世界です。」

 

「アニメ?」

テンプレだ。

 

「知りませんか?最近よく―。」

 

「わあああああ!」

メタ発言は禁止ダ。

 

「安心してください。アナタがある程度知っている世界ですから。」

 

「わかりました。・・・でもひとつお願いがあります。」

 

「なんでしょうか?」

 

「もし、俺の体が目覚めたら、少しだけ昔を思い出せる様にしてください。」

 

「・・・善処します。」

ヤマダさんは、そう言うと白い紙を差出してきた。

見るとそこには5つの欄があった。

 

「その中に自分の力を書いて下さい。なんでも良いですよ。」

 

「また、テンプレートな事が・・・・・・。」

 

「いいえ、結構真面目なんです。今から行く世界には、別の神が転生させた方々が数人いらっしゃいます。いつ彼等の戦いに巻き込まれるか分かりませんから。」

 

どうやら、結構デンジャラスな所らしい。

 

「はぁーわかりました。俺は、戦いなんてしたくないし、平和に一生を終えたい。」

 

だから、目立つ力や強い力はパスっと。

 

「こんなもんですかね。」

 

「えっと・・・”超電磁砲”と”ベクトル変換能力と”幻想殺し”。確かに目立ちにくいですが、もう少し強い方が。」

 

これでも自分の身ぐらい守れると思うのだが・・・

 

「じゃあ、”球磨川君の力”と”不慮の事故”で。」

 

「あくまで自分優先で防御思考ですか。わかりました。では、”ベクトル変換能力”と”不慮の事故”には、オン・オフ機能を付けときますね。」

 

「あ!待って下さい!どれか消して、コルルのライフジオの方が・・・。」

 

「最悪、海にでも逃げるつもりですか!?それなら最初はから”知られざる英雄”の方が良いのでは?」

 

それは・・・ちょっと・・・誰にも気付かれない人生は嫌だし・・・。

 

「分かりました。それも追加しておきましょう。元はワタクシの力不足なんですし。」

 

ヤマダさんはそう言うと紙を受け取った。

 

「では、楽しい来世を。時々ですが、アナタの家族の写真でも送りますよ。」

 

「はい。」

すると、俺の意識は暗く濃い霧の中に沈んで行った。

 




これからよろしくお願いします

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