一体何をしてるんだろうね俺。原作キャラを磔って。バカじゃねえの?
「”星光”の・・・友達?」
「ああ。一目惚れしたよ。」
アー恥ずかしい!でも、本当だ。
一目惚れだった。前の世界でもそんな事は無かった。
「・・・でも、出会って2時間位しか経って無かった。」
俺は、砂鉄を集め剣にする。漆黒の剣が俺の手に納まる。
「正直お前がなんなのか知らんが。」
俺は、剣で原作キャラの腕を切り落とす。原作キャラは、少し苦しそうな表情になる。
しかし、声は上げなかった。
「友達の事を馬鹿にしたら。」
次は、足を切り落とす。腕も足も失い原作キャラは、不様にも地面に落下する。
「俺でも切れるさ。」
そして最後に胴体へ突き刺し電流を流す。手加減無しの高圧電流だ。
「ガッツアアアアァァァ!!!!!!!」
「苦しいか?苦しいよな?そうだよな?これが”生きる”事だ。死にたい?良いぞじゃあ死ね!」
「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!!!!!!」
最早、元の姿も分からなくなるまで丸焦げにされても生きている彼女。
「このまま死ね!気付かれず死ね!惨めに死ね!家族や友人にも知られずに死ね!」
「あああ・・・。」
原作キャラはもう何も考える事は出来ていないだろう。
「・・・・・・。」
俺は、止めを刺すべく螺子を取り出した。
手足をもがれ、体を焼かれた。
これは、罰なのだろう。
やはり、私は生きていて良いハズ無かったのだ。
あの時。闇と共に消え逝くのが私の定めだったのだ。
だが、私は幸せだった。たった一時にでも幸せな夢が見れた。
赤神寿也の力によって、消滅までの時間が遅れたのだ。
闇の化物には、過ぎた幸せだった。
私は、”星光”を手にかけそして、その友に殺される。
良い最後じゃないか。
本当に。
ああ。
・
・
・
『何をしているのですか』
そんな時だった。”彼女”が目の前に立っていた。
「どうして、お前がここに?」
『どうしてって?分かりませんか?私は、貴方なのですよ?』
”彼女”はそう言うと手を差出してきた。
『さあ、立って下さい。そして”生きて”下さい。』
「もう、無理だ。私はお前の友に殺められた。」
『そうですか。』
「ああ。今更起き上がってもどうにもならない。」
すると、”星光”はクスクスと笑った。
『大丈夫ですよ。彼は嘘つきですから。』
「嘘つき?」
『ええ。貴方が考えを改めて”生きる”選択をすれば、きっと。』
私は訳が分からずクビをかしげる。
『まあ、やりすぎた事には、いつか、O・HA・NA・SHIとさせて頂きましょう。』
”彼女”は黒い笑みを浮かべていた。
いつの間にか私は、ソファーに横たわっていた。
「”大嘘憑き”!」
と、突然そんな声が耳元で聞こえた。私は”手”で耳を塞ぐ。
「えっ・・・・・・・?」
私は、自分の体を見た。”手”所か、”足”も”体”も傷一つ無く”元”に戻っていた。
「さて、俺はもう帰る。じゃあな。」
少年はそう言うと私に背を向けて帰っていった。
本当に何してたんだろうな俺は。”星光”の頼みを聞くとは、全くアイツも厄介な頼みをしてくれたもんだよ。
「”生きて下さい”って、他人に言う事を聞かせるのは、一苦労なんだぞ?」
俺は、そう言いながら、家路についた。
その後、家に帰ると同時に口止めを忘れた事に気付き慌てたのは、また別の話。