目覚めると、目の前には、裸になった木々があった。どうやら冬の森の中のようだ。イヤイヤ、待ってよ!なんで転生なのにこんなところにいるんだ?俺はそう思い立ち上がろうとするが。
「あり?」
いくら足を動かしてもスカスカと空をきってしまう・・・空?
俺は、恐る恐る下を見た。足が浮いていた。そして・・・首にはロープ。
「まさか・・・首吊り?」
イヤイヤ、なんで行き成り人生が終焉してるんだよ?一応さっき転生するってヤマダさんも・・・というか、なんで俺は平気なんだよ?
すると答えが近くに転がっていた。近くで鳥がもがき苦しんでいる。
ああ。”不慮の事故”か。俺はとりあえず電気をロープに流し焼き切った。
「やばかった。もし”不慮の事故”を覚えて無かったら死んでたぞ。」
第1話から行き成り死亡って・・・・・・ある意味斬新だが。
「はあ、まあいいか。・・・・・・ん?」
すると、頭の中にヤマダさんの姿が浮かんできた。
『すいません。どうやら少々失敗したようです。』
「どういう事ですか?」
『やはり、精神だけじゃ不安定みたいです。そのせいで精神が死んでいた、その子に宿ったみたいです。』
「じゃあ、この体の元の持ち主は!どうなったんですか?」
『・・・恐らく既に死亡しています。今頃地獄か、天国か。・・・・・・』
その時俺は、ヤマダさんの言葉を思い出した。
『目覚めたときは別人。』
リアルに実感した。確かにそうだ。
「俺・・・どうすれば・・・。」
『その方の体でなんとかしていただくしか・・・・・・。』
「そんな・・・・・・力は使えるけど・・・・・・。」
先ほどから、元の持ち主の記憶が入ってくるのだが、ロクなもんじゃねえぞ!イジメられて、死にたくなるのも分かる様な目に合って。
そして・・・。
『申し訳有りません。どうか・・・。』
ヤマダさんの言葉には本気の申し訳なさが滲んでいた。
「はあ・・・わかりました。力の代償として受けますよ。」
・・・・・・俺も甘いよな。
一応の記憶を頼りにこの身体の持ち主の家に行くとえらく小さなアパートだった。
「ただいま。」
そう言って中に入るが誰もいない。留守なのだろうか?
俺は、目をつむり思い出す。・・・そうか。
「これで、5回目の転校先だったのか。」
どんだけ暗い人生を送って来んだよ。この人。
俺は、頭を抱えて親の帰りを待った。すると
「電話か。」
突然電話が鳴り始めた。受話器を取ると、この身体のお母さんからだった。
『もしもし・・・・・・一夜?母さんだけど。』
「うん。」
『ごめんね。やっぱり一緒には行けないみたいなの。お父さんも。』
「へ?」
どういう事だろうか?
『毎日、家政婦さんに来てもらうから安心して。』
一体何に安心すればいいんですか?訳が解からない。
『じゃあ、元気でね。』
そう言うと母さんからの電話は一方的に切られた。
「・・・・・・・・・・。」
これって、見捨てられたって事?
「なんだ!この新生活は!」
俺は悲鳴を上げた。
こうして俺の新しい人生がスタートしたのだった。