い、今俺の目の前で起こっている事を説明するぜ。
俺は、いつも通り、ミニテストの採点をしていたんだ。そして気がついた。
これは、6年生用の問題だと言う事に。
当然、誰も答えられる訳が無い。なんたって、受験生用のミニテストだからだ。
恐らく、1組のアリサ・バーニングスでも不可能だろう。
で、だ。
俺は、あの優しい篠山先生でもサジを投げた、出来の悪い生徒と噂をされ。
何故、聖杯小学校の編入試験をパス出来たのか、最近7不思議にも追加されつつある、南一夜の答案を採点したんだ。
結果は、
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満点だった。
最初は、夢だと思った。そうだろう?成績は常に低空飛行。授業態度は最悪のあの南が、満点だと?
取り合いず顔を洗ってやり直すが、そこには全問正解の丸だらけ。
クソ、これで、37回顔を洗ったんだぞ?夢なら覚めろ!覚めてくれ!
「あ”あ”あ”~!!!!」
「どうしたのかしら?甲田先生。もう30回以上も顔を洗ってるけど?」
「きっと、色々ストレスが溜まってるのよ。そっと、しときましょう?」
俺が、この事実を認めるまで、後5時間。
何か、俺の知らない所で、未知の戦いが繰り広げられている用な気がするが、無視しとこうか。時は昼頃。
俺は、”高町なのは”出現ポイントである屋上を避け体育館裏で朝の惣菜パンをほうばっていた。
最近タマゴサンドにはまってます。
「このマヨネーズがまた・・・。」
体育館裏と言えば、学校の不良の3大溜まり場の一つに数えられるが、幸いこの学校で、不良と言う存在は、余り見たことがない。
なので、ここはジメジメするだけの場所であり、光の道を歩む主人公勢は勿論の事、一般生徒も滅多に訪れない俺のいこいの場と化しているのである。
「アムアム。あー美味かった。さて、昼はどう時間を潰すかね。」
1・教室に帰り寝る
うん、良い案だが、確実に日野さんに絡まれるからパス。
2・”高町なのは”及び転生者の調査
俺は、自爆するほど、アホじゃない。
3・学校の施設を見学する
4段前を参照してくれ。
4・ここで、時間を潰す
これしか無いか。
そんな訳で、俺は余り湿ってないコンクリートの上に横になった。もし濡れても”大嘘憑き”があるから大丈夫だ。
小鳥の囀りや微かに届く太陽の光が眠気を誘う。このまま寝るのも悪く無いのかも知れない。
「ファァァっと。」
一つ大欠伸をして、体を伸ばすと、誰かが、やって来る足音がした。
「ちぃ、折角のリラックスタイムを・・・。」
一瞬、気配を無かった事にしようかと思ったが、学校で無闇に力を使う訳にもいかない。何が原因で厄介フラグが立つか分らないからだ。
やるなら、始業前に限る。奴らは授業に行くから。
そう思い、部室塔の影に隠れる。『聖杯ファイト!』と書かれた旗を横目で見ながら、訪れた者の顔を見る。
数は3人。女2人男1人、歳は、俺と同じだ。何故わかるって?2人は隣(3組)の奴らだし、1人は俺のクラスメートだからだ。っと言うより時田さんだったからだ。
「何しにきたんだ?もしかして、もう友達になったとか?」
流石は、小学生!と、思ったのだが。
「キャ・・・。」
どうやら、違う様だ。男の方が時田さんを突き飛ばしたからだ。
「キモ田なんで、お前学校に来てんだよ。お前がいるだけで、学校の品格が下がるだろうが!」
「そうそう♪死んじゃった方が良いよ?」
「・・・・・・・・・・・・。」
そう言えば、時田さんイジメが原因で学校に来なくなってたんだっけ?と、言う事はアイツ等がその一因なのか?
と、言うか日野さんはどうした?
「全く、日野って奴になんて言われたのか知らないけど、お前なんて、只のグズなんだから分かれよ。」
「アハハ~そうだね。みーんなそう思ってるよ?知らなかった?」
さて、まあ、それは、置いて置くとして、どうしようか?
「まあ、良いや丁度良いし。これ以上つきまとわれるのも嫌だしな。」
と、言う訳で俺は。
「失礼。」
介入することにした。
「ん?誰かと思えば、2組の暗い君じゃないか。そいつ継ぐグズが何の用だ?」
「あ、友達にしたくないランキング上位の人だ!何?正義の味方気取り?ウケんるんですけど~。」
俺、そう思われてたんだ?へぇ~知らない事が多かったんだな。案外。と言うか、そのランキング、誰が集計してんの?
「一夜・・・君・・・。」
時田さんが、暗い表情で俺を見ている。俺は、軽く笑うと元気を出すように言った。
「安心しろ。日野さんの約束は、守る。」
「ハァ?何言ってんの?バカじゃね?」
「ヴザイ♪」
俺は、振り向きざまにチョキでヴザ男の眼にフレンチキッスをプレゼント。
「ギャアア!!」
ヴザ男絶叫。ヴザ・・・。
「ちょ・・・大丈――。」
続いて、素敵(笑)な彼女にも同様のプレゼント。
「キャアア!!!」
眼を押さえて転げ回る2人が面白い事。アッハハハ!!
「ついでにもう一つ♪」
視力を無かった事にしてあげましょう。イッツ”大嘘憑き”!
「め、眼が見えないよ~。」
「い、嫌ぁ!!!」
「大丈夫!きっとこの先も上手くやって、行けるさ。!」
昼休み終了まで、そのままでいてもらおうか?
「俺の仲間に次、手を出したら、殺すから?いや、半殺しだから、注意せよ!」
今だに泣きじゃくる2人に背を向け時田さんの手を引いて体育館裏から脱出する。
「・・・あの人達大丈夫なの?」
時田さんがオズオズと聞いてくる。まあ、なんと優しい。
「心配無用。後遺症すら残らんよ。所で、なんで、1人?日野さんは?」
「うん・・・パンを買いに行ってくれて・・・。」
ああ、納得。そう言えば、朝の拉致の時、弁当を作らなかったんだった。・・・日野さん・・・なんて、バカな事を・・・。
「時田さん。」
「・・・何?」
「学校に来なかった方が良かった?」
「・・・・・・うん。」
「・・・・・・。」
「でもね。・・・楽しい。」
「は?」
意味が分からないが?因みに俺のアナザーマインドは、学校=地獄と言う認識なので、更に解からない。
「・・・これからも守ってくれる?」
だが、僅かに笑うこの表情は、解る。そして、このセリフの真意も。
つまり、条件付きか。それなら。
「自己防衛程度にならね。」
こう答えるのがベストだろう。
続けて投稿します。