とある市民の自己防衛   作:サクラ君

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主人公不在のバトルスタート!



第19話 激突!殺人鬼VS超能力者(仮)

学校の中を強烈な電光が駆け巡り、闇に包まれた校内を照らし出している。

いま、この場に対峙する2人の人間。

1人は、小学校低学年程の子供にして殺人鬼。”余世夢”

別名。夢の殺人鬼。敵を自分の夢の中へと引きずり込み仕留める。完全犯罪者である。

1人は、小学校4年生の同じく子供にして超能力者(仮)。”日野ナギサ”

別名。委員長。厄介事を人に押し付ける厄介なお人である。

 

 

 

 

「なに?なんか、すごく失礼な事を言われた様な気がするんだけど?」

 

「アハハ~何余所見してんの?」

 

私が、油断している隙に余世は、次々と黒犬を召喚して私を襲わせる。流石にこの数は右手じゃ捌ききれず辺りに紫電を放って、牽制する。実に不思議な事に能力の使い方が頭の中に流れ込んで来るのだ。

おかげで、次にどうすればいいのかよくわかる。

 

「ちぃ、アンタ!そんな遠くからじゃなくて、近くに来なさいよ!」

 

「嫌だよ?その力アタシの能力をあんまり寄せ付け無いんだもん。近付くだけ危険よ」

 

余世は、そう言うと、次は炎を繰り出した。なんでもアリですか?

 

「でも、その程度なら!コイツで十分!”超電磁砲”!」

 

「甘い!”不闘”!」

 

すると、どういう事か、余世の炎の勢いと威力が段違いに上がり、”超電磁砲”を軽々と貫いた。

 

「嘘!クッ・・・!!」

 

右手を突き出して炎を防ぐが、それが、駄目だった。

 

「アハハ!隙アリ!”呪われた双剣”!」

 

突然現れた、双振りの双剣が私の鎖骨から胸にかけて皮一枚を切り裂いた。

 

「痛っ!切られた!痛い!」

 

「アハハ!」

 

「・・・でも・・・。」

 

私は、素早く相手の腕を掴む。ただじゃやられないわ。

 

「最大電流!!!!」

 

「えっ?・・・・・・アギャアアアアアアア!!!!」

 

直接電流を相手に流し込む。舐めんじゃないわよ!

流石に、電流を直接流した影響で、余世の体が、プスプスと煙を上げて、焦げ臭くなる。

 

「ア”ア”ア”ア”・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

正に電気椅子。しかも正面から見ている。もう限界かも。

 

「てい!」

 

腕を放し余世を放り投げる。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

ピクリとも動かない余世を見ていると、何もここまでする必要があったのか?と思わなくもない。

てか、やりすぎたか?

 

「・・・まあ、良いか。早く本当の世界に帰してよね」

 

その時、ポンという音が聞こえ下を向くとミニ南が出現した。

 

「ハァハァ・・・あのジジイ・・・だだもんじゃねえ・・・。日野さん無事・・・ヒデェ」

 

「何よ?文句あるの?私だって、見てよ!こんなにやられたのよ?」

 

私は、自分の傷を示す。コレ治るの?まぁ、いざとなったら、南にやってもらえば良いか。

 

「・・・ユルサナイ・・・」

 

「「!!」」

 

その時、完全に枯れ果てた、声が聞こえてきた。私もミニ南もそちらを見ると、そこにはプスプスと最早炭人間と化した余世がいた。

 

「キャアア!」

 

「ホラーだね。てか、アレやったのは日野さんなんだから。悲鳴はないと思うぞ?」

 

「いや!いや!嫌ァ!!!」

 

「ア”・ア”・ア”・・・―」

 

更に電撃をぶち込む。悪即滅。

 

「ひ、日野さん!それぐらいに・・・せめて原型を残さないと・・・」

 

「ハァハァハァ・・・」

 

煙が、辺りに漂い炭臭い臭いが鼻を付く。殺った?そして、煙の中に一つのシュルエットが浮かび上がる。

 

「・・・ハ?」

 

「・・・来たな。日野さん勝負はこれからだ」

 

それは、2メートルは超える大男だった。片手に肉厚の肉切り包丁を持ち、濁った眼でこちらを見ていた。

 

「アカカカ・・・コロシテヤル・・・コロシテ・・・ヤル・・・”マッド・ブッチャー”アノ、オンナヲコロセ・・・」

 

「フシュ、、、」

 

大男は、ゆっくりとでもとても早く私に近づいてくる。なによ・・・この人?

 

「ま・・・マジかよ・・・」

 

すると、ミニ南は、見当違いの方向を向いて呟いていた。

 

「・・・テメェ・・・寄りにも寄って、こっちにエライもん召喚しやがったな」

 

「・・・どうしたのよ?」

 

「悪い。ちょっと不味そうだ。そいつが現実世界でも召喚出来る事を完全に忘れてたわ」

 

ミニ南の声は、本当に不味い事を知らせていた。本当に何があったのよ。

 

「アハアh・・・ミnナ・・・しnジャエ・・・”ヨトゥン”ミンナゴロシテ・・・アハ」

 

狂気に満ちた、余世の声に背筋が凍り付そうになる。すると、ミニ南がとんでもない事を呟いた。

 

「日野さん。悪いけど、追っては一回殺しておくよ」

 

「は?」

 

南まで何を言ってんの?馬鹿になった?

 

「じゃないと、正直再生が出来ないくらいグチャグチャにされかねない」

 

ミニ南のちっこい体を握り潰さんばかりに握るが、反応一つしないと言う事は本当にヤバそうな奴がいるのだろう。

 

「・・・好きにしなさい。ただし・・・」

 

「分かってる。”無かった事”にするだけだから。とにかく」

 

「うん。分かってる。絶対に・・・」

 

「「勝ってよね」」

 

そう言うと、ミニ南はポンと消えた。

さて・・・・・・

 

「フシュ・・・。。、、」

 

「あんたの相手は私ね。叩き潰してあげる」

 

 

 

 

さあ、戦闘開始よ。

 


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