突然の一人暮らしと言う小学生低学年がやっては行けない様な状況に混乱したが、しばらくして落ち着いた。
「まあ、ある意味ラッキーと考えるしか無いか。」
この身体の元の主である、南一夜と言う精神は既にこの世界にはいないのだ。
親と暮らしていたら、妖しがられるだろうから。それこそ居心地が悪い。
「取り敢えず、ここが何の世界だか調べるか。」
ヤマダさんは、俺が知っているアニメの世界だと言った。しかも他の転生者達の戦いとまで言っていた。
少なくとも平和な世界とは思えない。となると、候補としては・・・
1・”超能力と魔法がある世界”
2・”近未来の能力者バトルの世界”
3・”小学生の先生がいる世界”
4・”ファンタジーな魔法の世界”
・・・って所か。
「取り敢えず2と4は違うな。」
新聞を見るとちゃんと俺の知っている年より低いが少なくとも近未来では無い。
そして、ここは日本だ。帰り道に空飛ぶ人には合っていない。
「となると、可能性は1・3か。どちらも嫌だな。」
その時ふっと、新聞の文字が気になった。
「海鳴?」
そう書かれてあった。海鳴・・・魔法・・・いや待て!
「”リリカルなのは”だと!待て待て!確かにあらすじは知ってるけど細かくはしらんぞ!」
えっと・・・確か小学生の女の子が、魔法少女になって・・・ええっと・・・なんか黒い女の子と戦って・・・。
ダ、ダメだ・・・主人公の顔すら怪しい。まあ、そんな世界だ。
「ヤバイ・・・原作知識が無いと余計な事に巻き込まれるかも・・・。」
そう思ったが・・・すぐに諦めた。なぜならば
「その”なのは”及びその周りに近づかなければ良いじゃん!よし、これで行こう!」
こうしてしばしの方針も決まり俺は眠ることにした。
#とーりゃんせ。とうりゃんせー。#
眠りにつくとこれまでの人生がフィードバックしてきた。
もちろんこの身体の人生だ。
けして、格好良くもなくスペックも低いが、俺は生きようと誓った。