「『やあ!キミがリンちゃんダネ!』『ボクは、南一夜。って言うんだ。ヨロシクネ!』」
「… … …」
「何やってんのよ!このバカが!!!」
「ガッツ!」
原作キャラ似の女の子を磔にして挨拶をしていたら、日野さんに殴られた。
でも仕方ないじゃないか!俺の体は、考えるより先に動くんだから。
「リンちゃん大丈夫?ああもう!どうして、こんなに深く刺すのよ!」
太い螺子が、身体に刺さっている時点で大丈夫じゃないと思うけど?…まあ、日野さんにツッコムだけ無駄か。
「日野さん。そいつに近付いちゃ駄目だ。色々問題になる」
「…アンタのこの行動が問題よ」
ごもっともで。
「とにかく、この部屋を元に戻して、リンちゃんを開放しなさい」
「へいへい…そいつは後回しなのか?」
「早く!」
やはり、この娘分らない。
「では、改めて。私は、八神リインフォースだ」
「俺は、南一夜だ」
「…なんで、南はともかく、リンちゃんまで普通に会話してんのよ…」
「ナギサから、部員の名を聞いた時から、こうなるのではないかとは予想していたからな」
「成る程。だから、あの光の壁が出てきたのか」
「ああ。だが、無駄だった様だな」
「当然」
まあ、俺には”幻想殺し”があるしな。
取り合いず、元に戻した部室の椅子にかけて、置いてあった菓子を摘む。すると、日野さんが、言った。
「そうよ!それ!さっきも思ったけど、アレは何なの?もしかしてアンタも超能力者?」
「あ…それは…」
原作キャラ。リインフォース。略してリンは、困った様な表情になった。どうやら、どう説明するか悩んでいるらしい。
アレか?一般人には、話せないとかか?…しゃあない。
「ソイツは、超能力者じゃないぞ。魔法使いと言う奴だ」
「正確には、魔導師だがな」
良いのか?そこ補正しても?
「魔導師?なにそれ?」
「自分の固有のチカラを自分で使えるのが、”超能力者”」
「ならば、それを道具で補い強力なチカラを使うのが、”魔導師”と言ったところだ」
どうやら、このリンと言う魔導師は、自分を追い込むのが好きなようだ。すると、日野さんが興味津々な目を向けてきた。
ヤバイ、下手に動けなくなった。
「へえー超能力者以外にもそんなのがいるのね。この世界は不思議が一杯ね」
”超能力者”も”魔導師”もそんなもの扱いですか。流石です。日野様。
「ところで、アンタらどういう関係?なんで、南が先制攻撃を加えてんの?」
随分軽口風だが、言葉の節々に色々と探る様な雰囲気を感じる。恐らく余世の事もあり日野さんなりに心配してくれているのだろう。
有り難い。…しかし、どうしたものか。どういう関係?うんー…別に特には…強いて言うなら、一度殺そうとしただけだしな…。
初恋の子を殺されただけだし…ふむ。
「……ゴメン…答えにくいなら別に良いわよ?」
いかん!ここで、言わなければ、恐らくあのジジイが動くだろう。となれば、不要な秘密まで日の目を見る気がする。
「あ!別にたいした関係じゃねえぞ?ただ、初恋だった子が、ソイツに殺されて、俺がソイツを餐肉にしかけただけだから!な!リン!」
「ああ、その通りだ。本当に大した関係ではない」
「イヤイヤ!なんかスゴイことさらりと言わなかった?殺された?餐肉?どう考えてもまともな関係とは思えないんですけど!」
うん。自分で言うのもなんだが…その通りです。
「…でもまあ、夢ちゃんの事もあるし…気にするだけ無駄ね」
本当にこの人の器は桁違いだ。ホレ見ろ、リンも唖然としていらしゃる。
「でもまあ、仲良くね。これからは同じ部のメンバーなんだから。それに喧嘩しない!部屋がそのたびに壊れるなんて、冗談じゃないわ。良いわね?南!」
「ハイ!」
「良いわね?リンちゃん!」
「あ、ああ」
”超能力者””魔導師”。異端者2人をも黙らせ従わせる日野さんが、実は一番の異端なんじゃないかと思う今日この頃である。
「ほら、握手!握手!仲直りしなさい」
互いの手を取り、日野さんは強引に握らせる。俺は、どうしようか頭を悩ませる。このままだと原作キャラと同じ部活になっちまう。俺の回避生活は?この2年間は?…いや待て、まだ手はある。
「日野さん、俺やっぱり」
「はい!却下!じゃあ、この部の説明を始めるわよ?」
俺は、原作キャラ以上に厄介な人物に見つかった事を今更ながら後悔した。
次は番外編です。