あの衝撃の再開から1日が経過した。
「さあ、もう諦めなさい!さっさと行くわよ?」
「イヤだーい!俺は、帰って寝るんだ!」
こんな事で原作キャラと関わるなんぞ冗談じゃ無い!下手をすると死亡フラグの可能性すらある。
「ほら、ワガママ言わないの」
「どちらかと言えば、無茶を言うのは、日野さんじゃん!」
そんな俺の抵抗を力でねじ伏せる日野さん。
「くそ…仕方ねえか…”大嘘――”」
その時、首筋に何かが当てられた。ヒンヤリする。”カチリ”と言う音が聞こえたと同時に俺の身体に電流が走り
「うぎゃあああああ!!!!!!!!!!!」
「五月蝿いわ」
更にもう1本追加と言う地獄を与えられ俺は意識を失った。
「ったくよ…なんで、私がここにいなくちゃならねんだ」
私は、文芸部の部室にて、そう呟いた。
「前にも言った通り、主の所に行けば良かったのではないか?」
「テメェを一人にする訳にはいかねえだろうが」
全ての元凶である”元闇の書の管理人格リインフォース”がそう言ったので、私はそう返した。
「ハァ…」
私の主である”八神はやて”とその兄貴”八神翼”。そして、その他の仲間たちは、別の部活にまとめて入っていた。私もはやてと同じ部活に入るつもりだったのだが、リインフォースがこの部活に興味を持ち入ってみたいと言い出したのだ。それが、問題だった。リインフォースは、私たち闇の騎士(現・蒼天の騎士)の中では、管理人格だっただけはあり、トップクラスの知識を持つのだが、あくまで知識だけであり時々とんでもない事をやって退ける事があるのだ。そんな、奴を一人で歩かせるなど問題を起こして下さいと言っているようなものだ。誰かが、近くにいて、見張らなければならなかった。そして、それが出来るのは、まだ、部活の届けを出していなかった私だけ…そんな訳で、私はここにいる。
「フムフム…なるほどな…ウヒヒ…」
「スヤスヤ…ZZZ」
そして、今この部屋には、リインフォースの他にも2人いた。
一人は、同じ日に転校してきた、後藤聖一と言う男だ。あの日以来クラスメイト全員から、真性の変態と言われる奴になっていた。幼女好き。幼稚園を覗いていたり、低学年の教室を覗きに行ったりしていて、私の知っているだけで、8回は、職員室に呼びされていた。そんな、後藤は、カバーの付いた本をニヤニヤして読んでいた。時々カバーの隙間から、”神体幼女”やら”18”やらの文字が見えていた。なんとなくコイツには近づかないようにしようと心に決めた。
もう一人は、時田鈴音と言う女の子だ。基本的に寝ている事が多い奴だ。とは言え授業は、ちゃんと聞いている様で、質問されたら、答えると言う器用さも持っている。そんな、鈴音は、やっぱりスヤスヤと寝息を立てていた。
「つうかよ、部長は、まだなのかよ」
「恐らく一夜を連れて来ているのだろう」
「お待たせ~」
「ホラ来た」
すると、部室のドアから、この部の部長である、ナギサが、入っていた。…謎の肉塊を引きずって。
「遅かったな。ナギサ」
「いやーゴメンゴメン。コイツが駄々をこねてさ」
ナギサは、肉塊をベチャリと投げ捨てて言った。…コレ…人間か?
「ファァ~ん?あ、ナギサちゃん。おはよう」
とここで、鈴音が目を覚ました。
「いい匂いだね。お肉?」
「南よ。コンガリ焼いてみたの」
「へえ…」
なんだ?この風景は?これが、日常なのか?
「おい…リインフォー」
「さて、そろそろ始めよう」
リインフォースは、肉塊を椅子に乗せながら言った。その光景を後藤は、少し困惑気味に見ていた。
すると、ナギサは、頷いて言った。
「さあ、ようやく全員集まったわね。ようこそ文芸部へ。私が、部長の日野渚よ。そんじゃ、知らない奴もいると思うから、南から自己紹介宜しく!」
「人を気絶させた上に焼却炉に放り込んで置いてよくそんな口が聞けるな…」
「!!!」
私は、その声が、聞こえた、方向に目を向けると、そこは、肉塊では無く一人の少年がいた。
「俺は、南一夜。ただの超能力者だ。よろしく」
南はそう言うと椅子に座った。
「OK、じゃあ、次は、鈴音ちゃん!」
鈴音は、ゆっくりと立ち上がると
「時田鈴音です。只の未来が分かる未来人です。よろしくお願いします」
なんだ?超能力者って?未来人って?名乗るのが流行ってんの?
「じゃあ、次は、リンちゃん!」
「ああ」
次は、リインフォースだ。皆からはリンと呼ばれている。私もそう呼ぶかな?
「八神リインフォースだ。私は、元管理人格をしていた時代がある。以上だ。よろしくな」
って!おい!良いのか?バラしても?仮にも一応は、秘密事項なんだぞ!
「…後藤は…良いとして」
「おい!無視するな!」
後藤は、勢い良く立ち上がり
「僕は、後藤聖一!好きなものは、美幼女!な只の天使だ。よろしく!」
こいつの脳内を一度見てみたい。
「天使って…ウェ―…」
止めろ。私も吐きそうだから。
「じゃあ、最後にヴィータちゃん!」
ついに、私の番が回って来た。えっと…。
「八神ヴィータ。えっと…只の…騎士です…」
こんなもんで良いのかな?すると、ナギサが、髪を撫でて来た。何だろうか?
「ヴィータちゃん。無理しなくても良いのよ」
「?」
そして、落胆した様に言った。
「何?この人外集団は!」
それは、私が聞きたい。