とある市民の自己防衛   作:サクラ君

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とーきーおーこえー

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第34話 結成!対天使同盟

現状の戦力確認の為に自分がどの位の強さかを紙に書いてもらった所こんな結果になった。

 

 ヴィータちゃん。

          AAランク

 

 リンちゃん。

          Sランク

 

 シュウちゃん。

         (元)Aランク

 

 ランさん。

         Aランク

 

 コウちゃん。

         不明

 

 南。

         戦闘不可

 

 夢ちゃん。

         治療中

 

 鈴音ちゃん。

         戦闘不可

 

 との結果になった。…ランクってなに?

 

 

 

 

 

「つまり、このランクって言うのは魔導師の魔力量や強さを表すと?」

 

「ああ。…だが、このランクも”天使”や”超能力者”相手では、気休め程度の意味しかないがな」

 

リンちゃんは、ため息をつき、紙を見ていた。

 

「お前ら、結構強いんだな」

 

「…努力を重ねて来たからな。…殺す為に」

 

「……」

 

場にピリピリとした空気が流れる。

ヴィータちゃんとリンちゃんは、気まずそうに視線を逸らし、シュウちゃん達は、そんな2人を睨みつけている。

 

「大体!おま――――」

 

「はい!ストップ!」

 

シュウちゃんがまた何かを言い出す前に私は、大声を上げて黙らせた。

 

「アンタ達。今の状況を理解してんの?」

 

「それは…」

 

「良い?今、この町は、いや、全ての人は後藤によって、未曾有の危機に晒されようとしてんのよ?それに、シュウちゃんだって、このままだったら、一生女の子のままなのよ?」

 

「…」

 

「それに、何とか出来たかも知れない南も夢ちゃんもリタイアしちゃったし、今、まともにあの変態に対応出来るのは、私達だけなのよ。もっと言うのなら、変態と戦う事の出来るのは、アンタ達だけ。つまり、私達は運命協同体みたいなものになってるの!今、仲間割れを起こしてどうするの?」

 

それに、聞いた話では、後藤を倒すのは、1人では、無理の様だ。更に、南の言い方じゃ、後藤は、まだ何らかの奥の手を隠し持っている可能性が高い。決して、個人戦で勝てる相手では、無いだろう。

 

「はっきり言って、私には、アンタ達の関係なんて分からないわ。いいえ、知った事じゃないって言った方が良いわね。だって、私はアンタ達を全く知らないし、リンちゃん達の昔なんて分らない。私の今、分かる事は、このままだと、この町が小さな女の子しかいなくなってしう事だけなんだから」

 

無茶苦茶かも知れないけど、今は、過去の因縁よりロリコンの野望の方が優先されるべきなのだ。…自分で言って泣けてくるけど…。

ともかく、今は、ケンカしている場合じゃない。

 

「お願い。だから協力して?この町をロリコンの魔の手から守って!」

 

私は、深々と頭を下げた。悔しいけど、今の私には、夢ちゃんの時とは違って何の力も無い。只の女の子だ。色々と偉そうな事えを言っているけれど、所詮はまだ、小学4年生なのだ。だから、こうやってお願いする他ない。すると、以外な方向から、返事が返された。

 

「ねぇ、協力しよ?」

 

いっちゃんの手を引いたコウちゃんだった。

 

「コウ?」

 

「あのね。…ナギサさんの言う事は正しいと思うの。私、昔からお兄ちゃん達の事がちょっと怖かったの。お父さんとお母さんの仇って、言って、鬼みたいな表情で、訓練している姿が。」

 

「それは!」

 

「でも、それは、仕方がない事だもんね。…でもね、今は、ちょっと状況が違うと思うの。今、あの人を止めないと、きっと私達と同じくらい不幸になる人が出てくる。そんな気がするんだ。」

 

コウちゃんの言葉にその場が静まりかえった。そして、シュウちゃんは、無言でリンちゃんに手を差し出した。

 

「え?」

 

「…。」

 

困惑するリンちゃんにシュウちゃんは、言う。

 

「…確かに、ナギサやコウの言う通りだ。…今だけ…今だけ、過去の怨みや仇を忘れてやる。…だから、お前等も協力しろ」

 

その言葉にリンちゃんは無言で手をとり握った。

 

「頼む!あの”ロリコン天使”を共に倒そう」

 

こうして、対天使同盟は誕生した。

 

 

 

 

1時間後。

 

主な対策を説明している時、鈴音ちゃんが部屋に入ってきた。

 

「渚ちゃん!分かったよ!」

 

鈴音ちゃんは開口一番にそう言うと、一枚の画用紙を机に置いた。そこには、後藤と対峙する赤い女の子の絵があった。

 

「場所は、水が多い所で、時間は…。」

 

鈴音ちゃんは、していた腕時計を見た。鈴音ちゃんの力は夢を目の前で見る事が出来る。その為身につけていたものごと夢の中に入るので、時計を持参していれば、時間も確認出来る訳である。

因みにこの方法は、夢ちゃんの時も使用したそうだ。

 

「…時間は、今日の朝3時。」

 

「3時ね…」

 

時計を見ると、時刻は午前1時であった。つまり後2時間しか無い事になる。

 

「…とにかく、探さなくちゃね。水の多くて暗い場所を」

 

「ああ、恐らく後藤は、そこに”ロリコン薬”をまくつもりなのだろうな」

 

「でもさ、どうやって、町中にばらまくの?水に混ぜた位じゃごく1部の地域位でしか影響が無いんじゃないの?」

 

そうだ、あいつは、海鳴をロリの町にする。とか言っていた。1日で行うとは、言えないが、存在がバレている以上急ぐはずだ。

つまり、まくとすれば、最も効果的な場所…そう、たった、1日で…全ての市民に効果を及ぼす事の出来る場所。

 

「お空から降って来るの?」

 

そんな時、いっちゃんがそんな事を言った。…空から降る?…待てよ?

 

「ねぇ、いっちゃん?」

 

「なに?」

 

「天使って、知ってる?」

 

「うん!いっちゃん知ってるよ!あのね…天使って――――――」

 

こうして、いっちゃんの口から恐るべき”天使”の力が語られた。もしこれが本当だとするのなら…。

 

 

 

 

後藤は、”天使”にして”自然災害”の様なものと言う事になる。

 




お知らせ。能力を変更しました。
一方通行の反射からベクトル変換能力へ
とりあえずこの編が終わったら人物紹介をいれます!!

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