とある市民の自己防衛   作:サクラ君

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今回は少し短めです


第35話 探し物はなんですか?

後藤に関する恐るべき情報を手に入れた私たちは、2手に別れ行動することになった。チーム分けは。

 

A班

 私。

 リンちゃん。

 ランさん。

 

B班

 ヴィータちゃん。

 シュウちゃん。

 鈴音ちゃん。

 

と言う具合に分かれたのだった。

 

 

 

 

「で?一体私達は、なにを探せば良いの?」

 

「取り合えず、さっき言った所を回るわよ」

 

「しかし、さっき話した仮説が正しければ、場所は数十はあるぞ?見つかるのか?」

 

「たぶんね。鈴音ちゃんの予知が正しければ、私たちの内どちらかの班があの変体を見つける事になるらしいからね」

 

私が、言うとランさんが少しじとめで言った。

 

「随分と信用してるのね。未来予知なんてあやふやなモノなのに」

 

「確かにな。どんな時代の予知者でも必ず当たる予言者などいなかったな」

 

リンちゃんも地図を眺めながらそう言った。まぁ、鈴音ちゃんをあまり知らない人から見ればそうかもしれない。だけど、私は知っている。

夢ちゃんの時も彼女のおかげで私の命は助かったのだ。それに鈴音ちゃんの力については、南・夢ちゃんという2人の超能力者も認めているのだ。信用度は高いと考えてもいいだろう。

 

「大丈夫よ。確かにあやふやだけどこんな時なら鈴音ちゃんは、南より役にたつから。兎に角予言に出てきた赤い女の子をさがしましょう」

 

今、探すべきは、鈴音ちゃんの夢に出てきた、赤い服を着た女の子だ。恐らくその子の前に後藤は、現れるのだろう。そうなると、その子が非常に危ない状況になってしまう。早めに見つけなければいけない。

 

「…赤い服の子供…ん?」

 

「どうしたの?リンちゃん」

 

「…いや、ちょっと気になってな…赤い服…」

 

リンちゃんは、腕をくんで何やら考えだした。何か心当たりでもあるのだろうか?

 

「それよりさ、ナギサ」

 

すると、ランさんが、自分のディバイス(武器らしい。)を見ながら言ってきた。

 

「あの変態を見つけられたとして、どうやって捕まえるの?正直に言うと例え魔力の結界を張って無かったとしても、あの変態に勝てていたかは、怪しかったわよ」

 

そう言って、ランさんは険しい顔をして辺りを見渡した。ランさんの実力は、リンちゃんの話では、そこいらの魔導師より強いらしい。

まだ、いんの?この町に?

 

「その点は、大丈夫…だと思う…」

 

そう言って、私は、リュックの中からネット網を取り出した。大きさ的には、人間2人分位だろうか。

 

「なんだ?それは?」

 

リンちゃんとランさんが不思議そうに網を見ていた。

 

「“身動き不能”夢ちゃんに貸して貰ったの。これに絡め取られたら、ゆっくり締まって行って、最終的には、対象を肉のサイコロにする拷問用アイテムよ」

 

「強度は?」

 

「南で実験した限りでは、かなり頑丈。サイコロにする時間は大体30分って所かしら」

 

「え?試したの…?」

 

「ふむ…一夜が脱出出来なかったのか…」

 

「ねえ!なんで正確な時間が分かってんの?」

 

何か、ランさんが、驚愕の表情で私を見ていたが気のせいよね。大丈夫よ?ちゃんと昏倒させてから実験したから。人道的でしょう?

 

「…だが、それだけでは、いささか頼り無くないか?南の力は、どちらかと言えば防御に特化した力だ。それに対し後藤は私の見た限りでは、攻撃に特化した力のようだったが…」

 

「うーん…死に直面した南の必死の攻撃には耐えたんだけどね…」

 

「ねぇ…その南って子、元に戻さない方が幸せな人生を遅れるんじゃないかしら?」

 

大丈夫よ…記憶の方は、ちゃんと“大嘘憑き”で削除してあるから。

 

「でもまぁ、今の所は、これくらいしか捕獲の使用がないのも事実だし、これに賭けましょう」

 

「ふむ。そうだな。…ん?そろそろ1箇所目か」

 

リンちゃんの言葉に顔を上げると、確かに目的の場所が見えてきた。

 

「下水処理場ね…」

 

「ああ、この町。もしくは、近くには、2箇所ある。ここに居なければ…地下に潜るしかあるまいよ。」

 

「うへー今更だけどかなりの賭けね。明日が休みで本当に良かったわ」

 

もし潜る事になったら匂いが大変な事になりかねない。しかも下水の出口は、全部で数十もあるのだ。それを全部回るとなると体力も時間もかかる。

 

「時間は?」

 

「2時30分だな」

 

「と、言う事は…」

 

「もし、ぶつかるとしたら…やっぱりここになりそうね…」

 

ランさんは、表情を険しくしてディバイスを握り締めていた。…それにしても。

 

「なんで、赤い女の子は、こんな所にいるのかしらね?」

 

どう考えても、夜遅くに女の子が来るような所とは思えないんだけども。

 

「…赤い服…何だ?何か忘れているような…」

 

リンちゃんがまた、何かを呟いていた。何よ?そんな時だった。

 

「あ、赤い服と言えばさ」

 

ランさんが思い出した様に言った。

 

「鉄槌の騎士のバリアジャケットって…」

 

「……」

 

え?何?どうして2人とも黙り込むの?沈黙が辺りを包み込む。それから…。

 

「「しまったぁ!」」

 

リンちゃんとランさんの絶叫が響いた。…コレは、後に聞いた話なのだが、私達が探していた赤い女の子は…。

 

「ヴィータ!」

 

だった、らしい。

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