とある市民の自己防衛   作:サクラ君

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新章に突入!?

遅くなりましたが、まあ徐々に投稿していきたいと思います。


日常編(2)
第58話 デートORアライブ


「ねえ、南くんって、どんな子なん?」

大量の書類の整理をこなしながら、はやてはそう言ってきた。

 

「どんな奴って、言われてもな…うーん…」

 

「何故?一夜の事を?」

同じく大量の書類に埋もれかかっている私とリンは、疑問を返した。つうか、終われねえなコレ?通

学時間に間に合うか?

 

「いや、だって、アリサちゃんのデートの相手やろ?そりゃあ気になるよ」

 

「まあな…」

今回の持久走大会の男子の部優勝者である南がクジを引いた所デートの相手がアリサとなったのだ。その時の南の表情は、死刑をま逃れた囚人のようだった。リン曰く『なのは。だったら、世界が崩壊していた…』らしい。

 

「で?どんな子なん?」

興味津々とばかりに聞いてくる、はやて。さて、どう答えようか?

 

『只の超能力者だ』

なんて、言えるか?言った所で、信じて貰えない可能性が高いだろう。それ以前に私はまだ、死にたくない。

 

「えっと…まあ、良い奴だぞ?」

 

「へえーリィンは、どう思う?」

 

「私ですか?」

南との付き合いが、最も長いリンは、腕を組んで思案する。こう言う所が真面目な奴なのだ。私の様に適当の答えれば良いのに。まあ、そこが良い所だけど。そして、思案する事1分後。

 

「…文芸部の中で、怒らせると一番怖い奴では、あるな…」

それが、答えかリンよ。確かにそうだが…噂によると南はかつて、リンを撒肉にした事があるそうな。

 

「へ…へえー…」

はやての表情が心無しか不安になっていた。まあ、友達がデートする相手だから仕方が無いだろうが…。キレると怖い男とデートする事程、不安な事は無いだろう。

 

「あ…安心しろ!南の沸点は、相当高いから!余程の事がない限りでは、リン以外にはキレる事は無い!」

 

「え?なんか、リンが心配になって来たんやけど!」

 

「大丈夫です。奴が暴走してもナギサが確実に仕留めてくれますから」

 

「そうそう。安心しろ」

開始時より不安度が5割増しな表情のはやてを説得していると、持久走大会から数日姿を見せていなかった、赤神と翼兄ちゃんと遠藤がやって来た。それに続いて、なのは達も仕事が終わったのか、やって来た。

 

「なになに?なんの話?」

 

「うわ…まだ、残っているのかよ…ったく、クロノの奴…小学生がやれるレベルじゃ無いぞ?コレは」

翼兄ちゃんが、ため息をつきながら、書類の整理を手伝う。それに続きフェイトも無言で手伝ってくれた。

 

「赤神!遠藤!悪ィけど、手伝ってくれ」

 

「分かったよ」

 

「ああ」

その後、書類の整理は1時間程で終了した。やっぱり翼兄ちゃん達は、スゲエと思う。

 

 

 

クロノに苦情のメールを送信した後、私達は、用意されていた大部屋に集まっていた。内容はもちろん。

 

「アリサのデートの事だな…」

 

「やっぱりか…」

どうやら、現在の話題の中心は、コレらしい。まあ、仕方が無いだろうが。

 

「さっきもはやてに話したけど、南は、良い奴だと思うぞ?」

 

「いや、だけどな…」

先程から、そんな会話のループが続いていた。何か違和感を感じるのにそう時間はかからなかった。

 

「何を警戒している?」

そんな空気の中、リンは、一言そう言う。すると、場の空気が一気に張り詰めたものとなった。この空気は、戦場のものだ…命のやり合いが起こっているような感じがした。

 

「先程から、ヴィータは、一夜の安全性について、1時間近く説明している。アイツが、アリサ嬢に危害を加える事など皆無だとな・・・何を警戒しているのだ?翼達は?」

リンの言葉に翼兄ちゃん達が気まずそうに顔を背けた。そんな中シグナムが、皆を代表するように声を出した。

 

「…南と言う奴は、あの“日野”の手先なのだろう?」

 

「ナギサ?」

一瞬訳が分からなくなったが、直ぐに警戒の意味を理解した。

 

「誘拐事件の事か?あれは、“日野”のやったことじゃねえぞ!」

今から2年程前に起こった、アリサとスズカが誘拐された事件。赤神達の活躍により二人とも無事だったのだが、その時の実行犯が内部事情にも詳しい上“バーニングス”に怨みを持っているとされる“日野”が実行犯ではないのか?と言いう噂があったらしい。それゆえのこの反応みたいだ。心配なのは分かるが、ナギサの友達としての立場から言わせてもらうと何だか悲しい気分のなるな。

 

「翼達の心配も分かるが、あまり私やヴィータの友の事を疑うのは止めてくれないか?実際にその件については、ナギサ本人にも確認を取っている。あの事件には、関わって無いそうだ。例え、関わっていたとしてもそれは、ナギサのせいではないだろう?」

まだ、付き合いが浅かった頃に誘拐事件の事について、きいたことがある。その時ナギサは、うんざりした表情になっていた。今から考えると随分酷い質問をしたものだと後悔している。

 

『“私”だったら、誘拐なんてハイリスクな事なんて、やらないわよ?やるなら…』

そこから先は、覚えていないが、少なくとも2人共無事では無かっただろう。それに、現在はナギサが、“日野”がバカな事をしないように見張っているが、2年前はあの爺さんがやっていたらしい。あの爺さんが、そんな事を見落すとは考えづらい。

 

「…」

だが、皆の目からは、未だに疑いの色が発せられていた。何故分かってくれないのだろうか?ナギサは良い奴なのに…。何故か悔しさがこみ上げてくる。そんな中リンは、ひとつ溜め息をついた。そして、諦めた様に言った。

 

「ヴィータ。これは、私達と同じだな」

 

「へ?」

意味が分からず呟くと赤神達の表情が少し変わった。

 

「“闇の書”として、一度広まった悪評は簡単には消えない。“日野”もまた同じなのだろうな…誘拐事件の黒幕と言う烙印を押され何をするにも疑われる。まるで、我主の今をはっきりと見ているようだ」

見ると、はやては、少し俯き飲み物を見つめていた。確かに今のナギサの評価は、今のはやてに似ているかもしれない。未だにはやては、“闇の書の主”と言うレッテルが貼られ局内でも信用が薄いのだ。

 

「確かにな…」

元々の悪評を広げたのは、私達だが、主には、無条件でそれ以上の悪評がついてくる。なんという悪循環。

 

「…もうやめようよ」

フェイトがポツリと呟くと皆小さく頷くしかなかった。

 

 

 

 

と、いう話を部室にてヴィータとリンが話しているのを俺は、文芸部らしく本をめくりながら聞いていた。

 

「なんで、深夜に小学生が集団で集まっているのかはともかく良い疑問ね」

そんな、話題から出された日野様の答えは笑顔だった。

 

「って!良いのかよ?疑われたままだぞ?」

 

「アハハ~何言ってのよ?良いじゃない?疑わしとけば?そっちの方が“バニングス”のお嬢様も不安で一杯になるだろうしね」

まあ、日野様の事だからこの程度の答えは、予測していたが、やっぱりはっきりと仰る事で。すると、日野さんは、面白そうにこちらを見てきた。俺は、無駄な抵抗だが、本に顔を隠す。

 

「なんなら、南。“バニングス”のご令嬢を襲っちゃう?今なら“日野”のせいに出来るけど?」

 

「遠慮しときますよ。この心地いい学校生活を灰塵にきたしたくないからな」

それに、襲うとしたら、後藤の役目だろうに。俺は、ロリコンでは無い。

 

「ん?今誰かに褒められた様な?」

 

「気のせいだ」

 

「あ、そうなんだ。所でヴィーたん。デートは、何時が良い?」

 

「そんな予定はねえ!」

カバンを後藤の顔面に叩き付けるヴィータを無視して会話は進む。

 

「っても、あの誘拐事件以来“バニングス”の警備もかなり厳重になっているみたいだから、襲うとか無理でしょうけどね」

 

「…どのくらいなの?」

ここで、昼寝から復活した時田さんがログインしてきた。つうか、寝ながら話聞いてたんだね。

 

「何しろ、資金が違うからね。ウチとは、比べ物にならないんじゃないかしら?」

「個人衛生やら赤外線やら町を一つ包囲網を張るナギサの家より凄いとはな…想像も出来ないな…」

同感である。金持ちの警備のレベルは、計り知れない。

 

「当たり前でしょう?“日野”の本家家元よ?じゃないと誘拐事件の後も呑気に学校に来るわけ無いでしょうが?」

 

「まあ、確かにな…」

 

「…うん」

普通の学校にお金持ちのお嬢様が来ていると思ったらそんな秘密があったとはね。…おちおち学校で能力が使えなくなったな。

 

「まあ、普段から監視しているのは家位だけどね」

 

「…プライバシーって知ってる?」

 

「プライバシー?何それ?食えんの?」

流石は、日野様である。何事に置いても勝てる気がしない。とは言え、多少考慮はしてくれているだろうが。

 

「ん?」

そんな会話をしている内に部活終了の鐘が聞こえてきた。放送もそろそろだろう。

 

「まあ、今日はここまでね。ほい部活終了!南!鍵よろしくね~」

 

「今日は、後藤達だろうが!」

 

「デートは、遊園地かな?」

 

「だから、行かねえって!」

 

「ほら、後藤行くぞ」

今日も見事なまでにバラバラな文芸部であった。

 

 

 

その夜のこと。

 

『もしもし…』

家に帰りお風呂から上がった時ジィが電話を持ってきた。相手は、鈴音ちゃんらしい。

 

「もしもし?どうしたの?」

 

『…うん…あのね』

どこか、歯切れの悪い言葉に疑問を抱いたが、気にしない事にした。でも…。

 

『…死んじゃう…』

 

「へ?」

 

『このままだと…誰かが死んじゃう…』

未来予知。それは、気にしない事には出来ない危機が迫っている証。

 

 

 




さて動き出した歯車。また投稿は遅れると思いますがよろしくお願いします。
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