紅蓮都市の闇夜 -オーバークロック・ガーデン-   作:A&T

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episode12 異形の巨塔

 かつて白銀に輝いていた組織の象徴、セントラル・タワー。

 

 紅蓮都市の中心にそびえ立つその塔は、かつては冷たく、鋭く、そして完璧だった。硝子と金属で形作られた高層の城。ガーデンの権力と秩序そのものを示す、白い刃のような摩天楼。

 

 だが今、四人の前にあるのは、そんなものではなかった。

 

 赤黒い巨大な蔦が塔全体を締め上げ、壁面のあちこちから脈動する触手が突き出している。窓は砕け、内部から溢れた肉質の根が、まるで内臓のように外壁を這っていた。

 

 もはや建物ではない。

 

 都市の中心に根を張った、異形の巨塔だった。

 

「……あはっ。冗談でしょ」

 

 アリスが、ジジイの店で組み直したジャンク受信機を片手に、引きつった笑みを浮かべる。

 

「私の知ってる構造データが、ひとつも役に立たない。エントランスも、非常階段も、エレベーターシャフトも、全部生き物みたいに書き換わってる。これ、ビルっていうより……巨大な消化器官だよ」

 

 受信機はまともな地図を返さない。

 

 画面にはノイズが走り、塔から放たれる強力なジャミングと、生体電位の乱れが、古い回路を悲鳴のように震わせている。

 

 ハルカは、キョウカの袖を握りながら、青ざめた顔で塔を見上げていた。

 

「……気持ち悪い」

 

 小さな声だった。

 

「タワー全体が、誰かの心臓みたいに動いてる。風が、変。上に行くほど、悲鳴が渦になってる……」

 

「ハルカ、大丈夫か」

 

 キョウカが妹の肩を抱く。

 

「……大丈夫じゃない。でも、止まったら、もっと怖い」

 

 ハルカは深く息を吸い、震えを押し込めた。

 

 その目に、まだ恐怖はある。

 

 だが、逃げる色はなかった。

 

 キョウカはそれを見て、不敵に笑う。

 

「上等じゃねえか。中身がどう変わってようが、ぶち抜いて進むだけだ。なあ、ヴェロニカ」

 

 ヴェロニカは返事をしなかった。

 

 彼女は、かつて自分が何度も通った正門を見ていた。

 

 今やそこは、巨大な裂け目だった。白銀の扉は歪み、牙のような蔦が絡みつき、奥から赤黒い光が漏れている。

 

 ここは職場だった。

 

 檻だった。

 

 そして今、自分たちの手で葬るべき戦場になった。

 

「……待て」

 

 ヴェロニカは一歩前へ出る。

 

「ここから先は、ベアト様の思考そのものに足を踏み入れるのと同じだ。物理的な障壁だけではない。精神を蝕む罠が張り巡らされていると考えろ」

 

 彼女はジジイの店で手に入れた市民服の襟を整えた。

 

 黒い制服はない。

 

 組織の紋章もない。

 

 それでも、立ち姿だけは変わらなかった。

 

 ヴェロニカは中古の剣を抜いた。

 

 組織の業物のような輝きはない。刃は少し曇り、柄にも古い傷がある。だが、今の彼女には、その不格好な剣の方が似合っていた。

 

「アリス。生体電位の乱れを読んで、通れる道を探せ。正確な地図でなくていい。行き止まりと罠だけ分かれば十分だ」

 

「あはっ。注文が雑。でも、今の状況だとそれが一番現実的だね」

 

「キョウカ。前方の蔦と肉壁は、お前の拳で砕け」

 

「任せろ」

 

「ハルカ。気流と温度を見て、精神汚染の胞子や毒性の高い霧があれば流せ。無理はするな」

 

「……うん。風の通り道、作る」

 

 ヴェロニカは四人を見た。

 

「私は、前から来るすべての障害を斬る。誰も一人にはならない。四人で進む」

 

 アリスが口角を上げる。

 

「いいね。今度は一人で格好つけないってこと?」

 

「そうだ」

 

「素直すぎて気持ち悪い」

 

「黙れ」

 

 短い軽口が、四人の緊張を少しだけ解いた。

 

 ヴェロニカは塔の裂け目を見据える。

 

「行くぞ。ベアト様の夢を、今ここで終わらせる」

 

 崩壊した門をくぐり、四人は脈動する肉壁の中へ足を踏み入れた。

 

 エントランスだった場所は、もはや原型を留めていなかった。

 

 受付カウンターは根に飲み込まれ、床には赤黒い粘液が薄く広がっている。天井から垂れ下がる管のような蔦が、ときおり鼓動のように震え、そのたびに壁の奥から低いうめき声が響いた。

 

「……足元、右」

 

 ハルカの声。

 

 直後、床の粘液が泡立ち、細い根が刃のように伸びてきた。

 

 キョウカが前に出る。

 

「おらっ!」

 

 巨大なガントレットが床を叩き割り、根をまとめて潰した。

 

 ヴェロニカは同時に横から伸びる蔦を切り払い、アリスは受信機に繋いだ小型基板を肉壁へ押し当てる。

 

「あはっ。回路っていうより神経だけど、多少は読める。左の階段は完全に塞がれてる。中央ホールを抜けて、旧警備区画を迂回するしかない」

 

「なら、そこを行く」

 

 四人は固まって進む。

 

 ヴェロニカが先頭。

 

 キョウカが左側を守り、ハルカが背後の気流を読み、アリスが右側の壁に走る生体信号を追う。

 

 誰も離れない。

 

 誰も置いていかない。

 

 そのまま旧警備区画へ差しかかった時だった。

 

 奥の肉壁が裂けた。

 

 そこから、数人の武装兵を従えたトレスが姿を現す。

 

 彼女はガーデンの制服を身につけていた。

 

 だが、その制服もすでに綺麗ではない。襟元には赤黒い蔦が這い、袖口からは細い根のようなコードが覗いている。顔には焦燥があり、それを覆い隠すように歪んだ優越感が張りついていた。

 

「ノコノコとやってきたな、ヴェロニカ!」

 

 トレスの声が、脈打つエントランスに響く。

 

「お前はここで終わりだ。ベアト様の手を煩わせるまでもない。その傲慢なエルフの耳を削ぎ落として、今度こそ私の足元に這いつくばらせてやる!」

 

 トレスが手を振りかざす。

 

 随伴する強化兵たちが一斉に銃口を向け、紫色の精神汚染弾をチャージし始めた。

 

「……トレス」

 

 ヴェロニカは、かつての同僚を見た。

 

 怒りよりも先に、冷たい憐れみが胸に広がる。

 

「まだそんな、誰かに用意された台詞を喋っているのか」

 

「黙れッ! 裏切り者の分際で、私の忠誠を語るな!」

 

「忠誠ではない」

 

 ヴェロニカは静かに言った。

 

「それは、ただの思考停止だ」

 

「あはっ。ヴェロニカ、今のは同意」

 

 アリスが受信機を片手に鼻で笑う。

 

「トレス、あなたの脳内、さっきからベアト様のノイズでぐちゃぐちゃだよ。生存確率を計算する価値もないくらい、信号が腐ってる」

 

「黙れ、アリス! お前も同じだ! ベアト様の恩を忘れた裏切り者が!」

 

「忘れてないよ。ちゃんと覚えてる」

 

 アリスは笑った。

 

「だから嫌になったんじゃん」

 

 キョウカが拳を鳴らす。

 

「ヴェロニカ、こいつはアタシが一発ぶん殴って――」

 

「いや」

 

 ヴェロニカはキョウカの前に立った。

 

「トレスは私が止める」

 

「でも、四人で進むんだろ」

 

「ああ。離れる必要はない」

 

 ヴェロニカは剣を構える。

 

「お前たちは私の背後を守れ。アリスは汚染弾の制御信号を乱せ。ハルカは毒性の霧を流せ。キョウカは兵を止めろ。私は、トレスを斬る」

 

 キョウカは数秒だけヴェロニカの横顔を見た。

 

 それから笑う。

 

「いいじゃねえか。今度は一人でやるって言わねえんだな」

 

「学習した」

 

「あはっ。偉い偉い」

 

「褒めるな、アリス。腹が立つ」

 

 ハルカが小さく呟く。

 

「……トレス、自分では来ないんだ」

 

 その言葉に、トレスの顔が歪んだ。

 

「フン! お前たち、やってしまえ!」

 

「……ハルカ。正解だ」

 

 ヴェロニカは、襲いかかってきた強化兵の刺突を最小限の動きで受け流す。

 

「トレス。貴様はいつもそうだ。自分を安全圏に置き、他者の命を消費して成果だけを欲しがる」

 

 剣が閃く。

 

 重装甲の腕が弾かれ、銃口が切り落とされる。

 

「そんな臆病な牙が、今の私に届くと思っているのか」

 

 強化兵の一人が背後から回り込もうとした。

 

 キョウカが踏み込む。

 

「邪魔だ!」

 

 拳が盾ごと兵を吹き飛ばした。

 

 ハルカは片手を上げ、冷たい風を通路に流す。精神汚染弾から漏れた紫の霧が、気流に押し流され、肉壁の隙間へ散っていく。

 

 アリスは壁に手袋を押し当て、焼け残ったインターフェースで強化兵の照準補助を乱す。

 

「右に二体。下がって、キョウカ」

 

「分かってる!」

 

「分かってない動きだったけどね」

 

「うるせえ!」

 

 四人は固まったまま、敵を押し返した。

 

 誰か一人が突出するのではない。

 

 ヴェロニカが切り込み、キョウカが砕き、ハルカが流れを作り、アリスが狂わせる。

 

 かつて追う者と追われる者だった四人の動きは、不格好ながらも噛み合っていた。

 

「な、何をしている!」

 

 トレスは後退しながら喚いた。

 

「囲め! さっさと殺せと言っているだろうが!」

 

 だが、部下はもういない。

 

 最後の強化兵がキョウカの拳で壁に叩きつけられ、動かなくなる。

 

 エントランスに残ったのは、四人とトレスだけだった。

 

 ヴェロニカは剣先を下げずに、一歩前へ出る。

 

「さあ、トレス。次は貴様の番だ」

 

「ひ、ひぃ……!」

 

 トレスは両手のデバイスを構えた。

 

「来るな! 私の最高傑作、精神崩壊波で、その誇り高い精神ごとズタズタにしてやる!」

 

 禍々しい紫の光が放たれる。

 

 精神を直接侵す波が、空間を満たした。

 

 ハルカが顔をしかめる。

 

 キョウカが歯を食いしばる。

 

 アリスが受信機を握り潰しそうなほど力を込める。

 

 だが、ヴェロニカは一歩も引かなかった。

 

 紫の光が彼女を包む。

 

 トレスの顔に歓喜が浮かんだ。

 

 しかし、光が収まった時、そこに立っていたのは、膝をついた廃人ではない。

 

 静かに剣を構えた、エルフの女だった。

 

「な……なぜだ!?」

 

 トレスがデバイスを叩く。

 

「最大出力だぞ! なぜ狂わない、なぜ膝をつかない!」

 

 ヴェロニカはゆっくりと歩み寄る。

 

「トレス。一つ訂正させろ」

 

「何を……」

 

「貴様は今、その技を私の最高傑作と言ったな」

 

 ヴェロニカの声は乱れない。

 

「それは違う。貴様の脳も、技も、その姑息な戦術も、すべてはベアト様から与えられた、あるいは模倣しただけの紛い物だ。貴様自身が生み出した価値など、この場所には一つとして存在しない」

 

「黙れ……!」

 

「本当の最高傑作という言葉はな」

 

 ヴェロニカの脳裏に、横で不敵に笑うアリスの姿が浮かぶ。

 

「絶望の淵でも自分の意志で計算を止めず、自分の力で道を切り拓く者にこそ相応しい」

 

 トレスの顔が引きつる。

 

「私の精神が崩れない理由を知りたいか」

 

 ヴェロニカは剣を低く構えた。

 

「貴様のような空虚な女が放つ毒など、今の私には……彼女たちがくれた半分の栄養食品ほどの重みもないからだ」

 

「何を言っている……意味が分からない!」

 

「ああ、そうだろうな」

 

 ヴェロニカの左頬の痣が、蒼く光る。

 

「誇り高い騎士だった私は、今や泥にまみれたバカの仲間入りだ。だが、トレス」

 

 その姿が、ふっと消える。

 

「今の私は、以前の私よりもずっと強いぞ」

 

 蒼い閃光が走った。

 

 トレスが悲鳴を上げる間もなく、デバイスが砕け散る。

 

 続いて、ヴェロニカの一撃がトレスを背後の肉壁へ叩きつけた。

 

 トレスはずるりと床へ崩れ落ち、荒く息を吐いた。

 

 彼女の瞳から、狂信的な光が薄れていく。

 

 砕けたデバイス。

 

 自分の腕に絡む赤黒い蔦。

 

 脈動する塔。

 

 それらを見て、トレスはようやく、何かに気づいたように顔を歪めた。

 

「……あ、あぁ……」

 

 力ない笑いが漏れる。

 

「そうか。私は……最初から、ただの肥料だったのか……」

 

 ヴェロニカは剣を引いた。

 

 冷徹な処刑人としてではなく、かつて同じ旗の下にいた同期として。

 

 彼女はトレスへ、静かに手を差し伸べた。

 

「気づいたのなら、立て、トレス。ベアト様の庭から抜け出すのは、今からでも――」

 

 だが、トレスが震える指先を伸ばそうとした瞬間だった。

 

「――あ、ああああああッ!」

 

 トレスの喉から悲鳴が迸る。

 

 彼女の全身に、黒い蔦のような筋が浮かび上がった。精神汚染の種が、疑念という不純物に反応して暴走を始めたのだ。

 

「トレス!」

 

 ヴェロニカが手を伸ばす。

 

 しかし、背後の肉壁から無数の蔦が飛び出し、トレスの体を包み込んだ。

 

 アリスが叫ぶ。

 

「下がって、ヴェロニカ!」

 

 キョウカがヴェロニカの肩を掴み、無理やり引き戻す。

 

 次の瞬間、トレスの体は赤黒い蔦と融合し、歪な守護獣のような姿へ変わっていった。

 

 そこに、もう人の言葉はなかった。

 

 かつて彼女の瞳があった場所から、皮肉なほど美しい若芽が伸び、小さな花を咲かせる。

 

「……最悪」

 

 アリスが吐き捨てた。

 

「ベアト様、自分の部下を予備のバッテリーくらいにしか思ってなかったんだね」

 

 ハルカは顔を背ける。

 

「……痛い。あの人、もう、自分の声がない」

 

 キョウカは歯を食いしばった。

 

「ヴェロニカ、下がれ。そいつはもう、あんたが知ってる奴じゃねえ」

 

 トレスだったものが、植物の触手と化した腕を振り下ろす。

 

 ヴェロニカはそれを紙一重でかわした。

 

 芽吹いた花が、彼女を嘲笑うように揺れている。

 

「……すまない、トレス」

 

 ヴェロニカは剣を握り直す。

 

「いや、もうその名で呼ぶことすら、貴様への侮辱か」

 

 怒りが胸を焼いた。

 

 ベアトへの怒り。

 

 人の命を、心を、疑念さえも素材に変えるその在り方への怒り。

 

「……ベアト様」

 

 ヴェロニカは、低く呟いた。

 

 長い間、その名には敬称が付いていた。

 

 忠誠の名残。

 

 恐怖の名残。

 

 そして、かつて自分が信じようとしたものへの、最後の未練。

 

 だが、目の前に転がるトレスだったものを見た瞬間、その未練は音を立てて焼き切れた。

 

「……そうだ。もはや、様など不要だ」

 

 ヴェロニカの左頬の星型の痣が、蒼く燃える。

 

 彼女は天井の奥、塔の頂上にいるであろう支配者へ向けて、怒りを叩きつけるように叫んだ。

 

「……ベアト!! 貴女は、人の命をどこまで弄べば気が済むというのだ!!」

 

 その声は、脈動する肉壁を震わせた。

 

 かつての猟犬が、初めて主の名を呼び捨てにした瞬間だった。

 

「ハルカ、風を! アリス、操られている信号を乱せ! キョウカ、道を開け!」

 

「応よ!」

 

 キョウカが踏み込む。

 

 拳が蔦の腕を砕き、トレスだったものの体勢を崩す。

 

「……ヴェロニカの道、誰にも邪魔させない」

 

 ハルカが気流を操り、毒々しい胞子を上方へ流した。

 

「あはっ。神経信号、ぐちゃぐちゃだけど読めなくはない」

 

 アリスが肉壁に残った導線を突き刺し、ベアトの制御信号へノイズを流す。

 

「三秒だけ止める。ヴェロニカ、外したら笑うよ」

 

「笑うな」

 

 ヴェロニカは踏み込んだ。

 

 

 仲間たちが作った、わずかな隙。

 

 それを逃すはずがない。

 

「トレス」

 

 蒼い魔力が剣に宿る。

 

「これが、お前にできる唯一の、そして最後の救いだ」

 

 剣が、トレスだったものの胸部を貫いた。

 

 かつて心臓があった場所。

 

 そこに根を張っていた赤黒い核が、蒼い光に焼かれて崩れていく。

 

 若芽が震え、花が黒く萎れた。

 

 守護獣は大きく揺れ、それから力を失って崩れ落ちる。

 

 エントランスに、静寂が戻った。

 

 ヴェロニカはしばらく、倒れたそれを見下ろしていた。

 

 救えなかった命。

 

 それでも、部品のまま終わらせることだけはしなかった。

 

 彼女は剣を引き抜き、血と樹液を払う。

 

 崩れ落ちたトレスの背後で、上層へ続く螺旋階段が、まるで誘うように脈動を強めていた。

 

 アリスが壊れかけた受信機を叩きながら、苦い顔をする。

 

「上に行けってことみたいだね。親切な案内にしては趣味が悪すぎるけど」

 

 キョウカが拳を鳴らす。

 

「行くしかねえだろ。あのクソババア、絶対にぶん殴る」

 

 ハルカは少しだけ不安そうにヴェロニカを見た。

 

「……ヴェロニカ。大丈夫?」

 

「大丈夫ではない」

 

 ヴェロニカは正直に答えた。

 

「だが、進める」

 

 彼女は階段を見上げた。

 

 その先にいるのは、神を気取る女。

 

 自分たちを庭の部品として扱い、都市を根で締め上げ、人の心を燃料にしようとする支配者。

 

「行くぞ」

 

 ヴェロニカは一度も振り返らず、階段へ足をかけた。

 

「頂上で、ベアトを止める」

 

 守るべき仲間。

 

 断つべき過去。

 

 そして、この狂った庭の主。

 

 四人の行進は、ついにベアトが待ち受ける最上階へと近づいていった。

 

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