紅蓮都市の闇夜 -オーバークロック・ガーデン-   作:A&T

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episode9 幽霊たちの胃袋

 紅い月の光さえ届かない、廃棄された地下下水道のさらに奥。

 

 錆びた配管が天井を這い、壁面には古い排水の跡が黒く染みついている。湿った空気は重く、遠くで水滴の落ちる音だけが、やけに大きく響いていた。

 

 追手の気配は、ようやく消えた。

 

 ベアトの根も、トレスの精神汚染も、武装兵の足音も、今だけは届かない。

 

 その重苦しい沈黙の中で、ヴェロニカは震える足を無理やり動かし、壁にもたれてへたり込んでいるアリスの前へ歩み寄った。

 

 アリスはぐったりと座り込み、焦げた黒手袋を外しかけている。いつもの不敵な笑みは浮かべているが、顔色は悪い。重力制御デバイスを限界以上に使った反動で、指先は小刻みに震えていた。

 

 ヴェロニカは無言のまま、その前に立つ。

 

 そして。

 

「――いたっ!?」

 

 ごつん、と鈍い音がした。

 

 振り下ろされた拳が、アリスの頭を的確に捉えていた。

 

「何すんの、先輩……ッ!」

 

 アリスは涙目で頭を抱えた。

 

「こっちは命がけで計算外のバックアップまでしてあげたのに、これが命の恩人に対する態度!? 理不尽にもほどがあるんだけど!」

 

 ヴェロニカは黙っていた。

 

 アリスはその沈黙に苛立ったように、さらに言葉を重ねる。

 

「本当にさあ、先輩面して格好つけるのもいい加減にしてよ。あそこで私が介入しなかったら、今頃先輩はベアト様の植木鉢の栄養になってたんだよ? 自己犠牲なんて、一番効率が悪い――」

 

「……すまなかった」

 

 アリスの言葉が止まった。

 

「……え?」

 

 呆然と顔を上げる。

 

 そこには、血と煤に汚れ、それでもどこか憑き物が落ちたような顔をしたヴェロニカが立っていた。

 

 ヴェロニカは、アリスの目をまっすぐ見た。

 

 そして、一人の戦士として。

 

 一人の女として。

 

 深く頭を下げた。

 

「お前を、あんな場所に一人で残そうとした」

 

 低く、掠れた声だった。

 

「お前が、私と同じように自分を捨てられずにいたことに、気づいていながら……私は自分の決着をつけることばかり考えていた」

 

 アリスは何も言えなかった。

 

「アリス。お前を裏切り者の道へ引き込んだことも含めて、謝らせてくれ」

 

 ヴェロニカは、さらに頭を下げる。

 

「本当に、すまない」

 

 アリスは反論の言葉を失った。

 

 いつも理屈と皮肉で自分を守ってきた少女は、しばらく視線を泳がせ、それから乱暴に自分の髪をかき混ぜた。

 

「……あは」

 

 小さな笑い。

 

 だが、いつものような余裕はない。

 

「本当……謝るくらいなら、最初から巻き込まないでよ」

 

 アリスはぷいと顔を背ける。

 

「おかげで私の完璧なキャリア、全部シャットダウンなんだから」

 

「……ああ」

 

「ベアト様のお気に入りポジションも、ガーデンの高待遇も、専用端末も、研究室のアクセス権も、全部パー」

 

「すまない」

 

「二回も謝らないで。調子狂う」

 

 アリスは顔を背けたまま、少しだけ口を尖らせる。

 

 その耳元が微かに赤くなっていることに、ヴェロニカは気づいた。

 

「……お姉ちゃん」

 

 背後で、弱い声がした。

 

 ハルカだった。

 

 キョウカの腕の中で、ようやく意識を取り戻している。顔色はまだ悪く、声にも力はない。それでも、彼女の瞳には本来の静かな光が戻っていた。

 

「……エルフの人たち」

 

 キョウカはハルカを強く抱き締めながら、ヴェロニカとアリスを見た。

 

 その顔には疲労と怒りと、どう扱えばいいのか分からない感謝が混じっている。

 

「……最悪な脱走劇だったな」

 

 キョウカは不器用に笑った。

 

「まあ、アタシたち全員、死にぞこないってことか」

 

 それから、少しだけ目を逸らす。

 

「……ありがとな。あんたたち」

 

 湿った地下の空気の中で、四人はしばらく黙っていた。

 

 かつて追う者と追われる者だった。

 

 組織の猟犬と、脱走した異能者だった。

 

 それが今では、同じ地下の闇に沈む逃亡者だ。

 

 誰かの命令ではなく。

 

 誰かの計画でもなく。

 

 初めて、自分たちの意志でここにいる。

 

 ヴェロニカは腰のホルダーから、自分の端末を取り出した。

 

 ガーデン支給の高機能端末。

 

 任務、認証、決済、位置情報、通信、記録。

 

 組織と自分を繋ぎ止めていた鎖そのものだった。

 

 彼女はそれを一瞥もせず、床のコンクリートへ叩きつけた。

 

 硬い音を立てて端末が跳ねる。

 

 さらに、ナイフの柄を振り下ろし、精密機器の心臓部を正確に粉砕した。

 

 火花が散る。

 

 画面が死ぬ。

 

「……これで、私は完全に幽霊だ」

 

 アリスもまた、自分の多機能デバイスを見つめていた。

 

 それは彼女にとって、ただの道具ではない。目であり、耳であり、手足であり、世界と繋がるための神経だった。

 

 アリスは自嘲気味に口角を上げる。

 

「あはっ……私の全記録、全コネクション、さようなら」

 

 そして、迷いなく足で踏み砕いた。

 

「ガーデンの最高傑作が、ただの不法投棄ゴミになっちゃった」

 

 電子部品が最後の火花を散らし、沈黙する。

 

 四人の位置を組織へ送り続けていた、目に見えない鎖が断ち切られた瞬間だった。

 

「行こう」

 

 ヴェロニカは、壊れた端末の残骸を背に歩き出す。

 

「もう、誰の命令も聞こえない場所へ」

 

 アリスは一瞬だけ、自分が踏み潰した破片を振り返った。

 

 それから、ヴェロニカの隣へ並ぶ。

 

「ねえ、先輩。端末を捨てたからには、これからの生存確率は全部私の勘で弾き出すことになるけど」

 

「……覚悟はできている」

 

「本当に?」

 

「ああ」

 

 ヴェロニカは少しだけ考えた後、付け加えた。

 

「お前の勘は、データよりも信用できる。今はな」

 

 アリスは目を瞬かせた。

 

 それから、照れ隠しのように笑う。

 

「あはっ。今の言葉、後で絶対に撤回させてあげる」

 

 四人の足音が、冷たい地下下水道の奥へ消えていく。

 

 だが、すぐに現実が彼女たちへ追いついた。

 

「……さて」

 

 キョウカがハルカを背負い直し、暗い通路の先を見る。

 

「逃げたのはいいけど、これからどうするんだ? ヴェロニカ」

 

 当然の問いだった。

 

 組織の冷静な指揮官であり、エルフの戦士であり、先ほどまで堂々とベアトへ啖呵を切っていたヴェロニカなら、当然この先の潜伏先や追跡を撒く経路くらいは用意している。

 

 誰もが、そう思っていた。

 

 しかし、返ってきたのは沈黙だった。

 

「…………」

 

 ヴェロニカは虚空を見つめたまま、動かない。

 

 いや、動けない。

 

 キョウカが眉をひそめる。

 

「……おい。黙ってねえで何か言えよ。まさか、何も考えてねえなんて言わねえよな?」

 

 ヴェロニカの肩が、わずかに震えた。

 

 そして、蚊の鳴くような声が漏れる。

 

「……あの子たちを助けること、それだけに全演算リソースを割いていた」

 

「は?」

 

「その後のことは、完全に変数の外だった」

 

「はぁッ!?」

 

 キョウカの声が下水道に反響した。

 

「つまり、ノープランで行き当たりばったりだったってことかよ!」

 

 アリスも信じられないものを見る目でヴェロニカを見た。

 

「あは、あはは……嘘でしょ、先輩。あんなに格好よく『最後まで共に行く』とか言って、端末まで壊しちゃって。これからどうやって寝床や食料を確保するつもりだったの?」

 

 そして、追い打ちをかけるように、キョウカの背中のハルカがジト目で呟いた。

 

「……エルフの人。なんか、頭良さそうな顔してるのに」

 

 少し間が空く。

 

「……意外と、バカなんだね」

 

「…………っ!」

 

 その一言は、どの銃撃よりも深くヴェロニカの胸に刺さった。

 

 組織の処刑人として恐れられてきた女が、今やただの計画性のないエルフとして、少女に憐れまれている。

 

「私は、ただ……最善を尽くした結果だ」

 

 ヴェロニカは壁に手をつき、がっくりと項垂れた。

 

「バカと言うな。傷つく」

 

「あはは! 面白い、最高だよ先輩!」

 

 アリスは腹を押さえて笑った。

 

「じゃあ、これからの生存戦略は、この出来損ないの後輩が立ててあげるから。その代わり、しばらくは私の荷物持ち決定ね」

 

「屈辱だが、認めざるを得ないな」

 

 ヴェロニカは深く息を吐き、両手を軽く上げた。

 

 彼女とアリスは、ガーデンという巨大な温室の中で、整えられた経路を効率よく進むことには長けていた。

 

 だが、何の後ろ盾もなく、地の底を這って生き延びる術については、追われる側だった姉妹の方がはるかに経験豊富だった。

 

「キョウカ、ハルカ」

 

 ヴェロニカは真剣な顔で二人を見る。

 

「ここから先の隠れ家と足取りの消し方については、お前たちの判断に従おう。頼めるか」

 

 キョウカは少し意外そうな顔をした。

 

 そして、ニカッと笑う。

 

「はっ。ようやく年貢の納め時かよ。いいぜ、エルフの姉ちゃんたち。アタシたちがずっと組織の目から逃げ回ってこれたのは、運だけじゃねえってところを見せてやる」

 

「……お姉ちゃん、あんまり調子に乗ると、また捕まるよ」

 

「うっせ」

 

 ハルカに釘を刺されながらも、キョウカは周囲を確認し始めた。

 

「まずは下水道を出る。出口は正規のルートじゃなくて、崩落しかけてる旧区画の通気口だ。そこから先は、アタシの知り合いの……まあ、裏のツテを辿る」

 

 キョウカはヴェロニカとアリスを見る。

 

「あんたたちの綺麗な服は目立ちすぎる。途中でなんとかしなきゃな」

 

「あはっ。泥臭いのは苦手なんだけど」

 

「命と服、どっちが大事だ」

 

「服って言ったら怒る?」

 

「置いてくぞ」

 

「命で」

 

 アリスは軽口を叩きつつも、キョウカの的確な判断に感心したようだった。

 

 一方のヴェロニカは、軍事教本には載っていない、生きるための知恵を噛み締めていた。

 

「……感服した。組織の追跡アルゴリズムを逆手に取った、実に見事な経路選択だ」

 

「……ヴェロニカさん、また頭良さそうなこと言ってる」

 

 ハルカがぼそりと言う。

 

「今は、静かに歩いて」

 

「……すまない」

 

 ヴェロニカは口を噤んだ。

 

 かつて追う者だった二人は、新米の逃亡者になった。

 

 そして、追われる者だった姉妹は、今や頼もしい案内役になっている。

 

 立場は完全に逆転していた。

 

 しばらく進んだところで、アリスの腹が鳴った。

 

 盛大に。

 

 地下通路に、遠慮なく反響した。

 

「……あは。もう限界」

 

 アリスは壁に寄りかかり、恨めしげにキョウカを見る。

 

「私の精密な脳が、糖分不足でシャットダウンしそうなんだけど」

 

「我慢しろ。今はネズミ一匹動いてもベアトの耳に届く時だ」

 

「そのネズミでもいいから何か食べたい気分なんだけど」

 

「食うな。腹壊すぞ」

 

 その時、ヴェロニカがふと足を止めた。

 

 暗がりの隅を、泥まみれの野ネズミが走っていく。

 

「おっ、野ネズミだぞ。アリス、食べるか?」

 

 空気が止まった。

 

 アリスは、ネズミとヴェロニカの顔を交互に見た。

 

「……バカにしてるの?」

 

「いや、栄養価は高いと聞くが」

 

「先輩。そういうのは、さっきの感動的な謝罪の余韻があるうちに言ってほしかったよ」

 

 アリスは心底蔑むような視線を送った。

 

「いい? 私の体は高度なナノマシンと精密な代謝コントロールで維持されてるの。そんな、どこの病原菌を持ってるかも分からない野生のタンパク質を摂取したら、胃壁がパニックを起こして生存確率がマイナスに振り切れるわけ」

 

「……そうか」

 

 ヴェロニカは大真面目に残念そうな顔をした。

 

「アリスには適さないのだな」

 

「誰にも適さないよ、たぶん」

 

 キョウカがこらえきれずに吹き出した。

 

「ひゃはは! ヴェロニカ、あんたマジで言ってんのかよ。組織のトップエージェントが下水道でネズミ狩りとか、トレスが見たらショックでまたトイレに引きこもるぞ」

 

「……ヴェロニカさん、意外と野生児なんだね」

 

 ハルカが冷ややかに言う。

 

「ちょっと、引く」

 

「…………」

 

 ヴェロニカは再び胸を押さえた。

 

 その時、ハルカが自分のリュックのポケットを探った。

 

「……はい、アリスさん。これ」

 

 差し出されたのは、半分に割られ、少し潰れた栄養調整食品だった。

 

「……お腹の音、うるさいから」

 

「えっ」

 

 アリスはそれを、まるで砂漠で水を見つけた旅人のような手つきで受け取った。

 

「あ、ありがと……ハルカちゃん」

 

 小さく齧る。

 

 その瞬間、アリスの表情が緩んだ。

 

「……おいしい。組織の合成保存食より、ずっと自由の味がする……」

 

「……私にはないのか、ハルカ」

 

 ヴェロニカが少しだけ期待を込めて見つめる。

 

 ハルカは冷淡に、空っぽのポケットをひっくり返して見せた。

 

「……ヴェロニカさんは、さっきのネズミ食べて」

 

「……」

 

「バカは体力あるから大丈夫」

 

「…………っ」

 

 ヴェロニカは、かつてない敗北感に打ちひしがれた。

 

 組織最強の剣と、最高知能の電子戦術家。

 

 その二人が今、一人の少女が持っていた半分の菓子に命を繋がれている。

 

「……アリス」

 

 ヴェロニカは、情けない顔で口を開く。

 

「その半分、少しだけ……一口でいい。私にも」

 

「先輩面して格好つけてたさっきの台詞、全部撤回するなら考えてあげてもいいよ」

 

「…………」

 

 ヴェロニカは長い沈黙の後、低く言った。

 

「……すまなかった、アリス様」

 

「あはっ! 今の先輩、最高に情けない顔してる」

 

 キョウカの呆れた溜息と、アリスの毒のある笑い声が、暗い通路に重なった。

 

 ヴェロニカは、分けてもらった一口をゆっくり咀嚼した。

 

 わずかな糖分が脳へ行き渡る。

 

 すると、彼女の瞳から情けなさが消え、再び鋭い光が戻ってきた。

 

「……さて。少し冷静になった」

 

「糖分って偉大だね」

 

 アリスが呟く。

 

 ヴェロニカは湿った壁に背を預け、声を低くした。

 

「アリス。お前が掴んだプロジェクト・パンドラ。そしてトレスに与えられた精神汚染。それらを繋ぎ合わせると、ベアト様の狙いは単なる支配の域を超えている可能性がある」

 

 空気が変わった。

 

 アリスも笑みを薄める。

 

「続けて」

 

「ガーデンはこれまで異能者を集め、不安定な状態を維持してきた。共鳴、暴走、感情増幅。それらの際に発生するエネルギーを抽出するためだ」

 

 ヴェロニカは見えない図を空中に描くように指を動かす。

 

「もし、キョウカとハルカの絆を毒に変え、その拒絶反応によるエネルギーを増幅させて放出したとしたら」

 

 ハルカがキョウカの服を握った。

 

「……みんなが、私たちが見た悪夢を見せられるってこと?」

 

「可能性は高い」

 

 ヴェロニカは頷く。

 

「この都市の人々の精神構造そのものを一度リセットし、ベアト様の望む理想の庭の住人として書き換える。つまり、この都市そのものを巨大なポッドに変えるつもりなのかもしれない」

 

「……都市のリブート」

 

 アリスの顔から余裕が消える。

 

「あは。ベアト様、思ったよりずっと最悪だね」

 

「させねえ」

 

 キョウカの拳が震えた。

 

「ベアトのクソババアが、アタシたちを利用してそんなイカれた花園を作ろうってんなら……その庭ごと、アタシが灰にしてやる」

 

「正面突破の戦力はない」

 

 ヴェロニカは言った。

 

「まずは生き延びる。奴の計算を狂わせるノイズになる」

 

「逃げるだけじゃ、終わらないってこと?」

 

 ハルカが尋ねる。

 

「ああ」

 

 ヴェロニカは、彼女の頭にそっと手を置いた。

 

「まずは、アリスに何か食わせることだ」

 

「そこからなの?」

 

「その後のことは、その後で考えればいい」

 

「……結局メシかよ!」

 

 キョウカのツッコミが響く。

 

 だが、その空気は悪くなかった。

 

 絶望の逃避行の中に、奇妙に明るい風が吹いていた。

 

 ヴェロニカは再び歩き出す。

 

「行こう。ジジイの店で装備を整える」

 

「了解、リーダー」

 

 アリスが皮肉混じりに言った。

 

 ヴェロニカはふと足を止める。

 

「アリス」

 

「何?」

 

「私はもう、先輩でも何でもない。組織の階級も、任務上の上下も、すべて捨てた」

 

 ヴェロニカは静かに言う。

 

「好きに呼べ」

 

 アリスは少しだけ目を丸くした。

 

 それから、いつものように不敵に笑う。

 

「あはっ。じゃあ、ヴェロニカ」

 

 名前だけで呼ばれた瞬間、ヴェロニカはわずかに息を呑んだ。

 

 それは命令系統から外れた呼び名だった。

 

 同じ場所に立つ者の呼び名だった。

 

「……何だ」

 

「次はちゃんとした温かいご飯、奢ってよ。お金がないなら、どうにかして稼いで」

 

「努力する」

 

「そこは約束してほしかったなあ」

 

 キョウカが先頭で笑い、ハルカが小さく欠伸をする。

 

 ヴェロニカとアリスは、その後ろを並んで歩いた。

 

 もう先輩と後輩ではない。

 

 組織の猟犬でもない。

 

 死にぞこないの裏切り者たちは、誰の命令も届かない闇の奥へ、自分たちの足で進んでいった。

 

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