「…待て、今なんと言った?」
聞き違いかと俺は瑠璃に再度問い返す
「だから、後日素晴らしき聖地で催される他の眷属達との集いの場に兄さんも招待してあげると言っているのよ」
だが、やはり聞き違いではなかったらしい
「何故俺が中二病共の集まりに出なければならんのだ?」
「そ、それは…あなたは私の兄なのだからついてくるのは当然でしょう?」
当然反論する俺だがこの愚妹はあろうことかこんなことをぬかしてくれた
「つまりは一人では不安だから来いと言うことだろう…阿呆が、一人で行くのが嫌なら何故参加を希望した?」
「……」
すぐさまその真意を読みとると俺は冷静に言葉を返す
すると瑠璃は押し黙った
「同じ趣味を持つ友が欲しいのだろう? お前が口下手な上に趣味が趣味ゆえに友も今までいなかったからな」
「……」
俺の発言に瑠璃はだんだん涙目になっていく
…これでは俺が悪いようで胸糞悪い…ちっ、やむを得んな
「…仕方ない、俺も行ってやる。 ただし、俺が居たところでお前らの話についていけずに確実に場違いになるだろうから多少離れた場所でお前の様子を見とくだけだがな」
「!? に、兄さん、いいの?」
泣きそうな表情から一変希望に満ちた笑みを浮かべる瑠璃
「お前から言い出したことだろうが…それにお前に友ができるいい機会だしな」
「ありがとう兄さん、でも会場ではむやみやたらに牙突をしないで頂戴ね」
「…瑠璃、お前は俺をなんだと思っている?」
率直に感じたことを口にする俺
こいつは俺が何もしてないやつにも襲い掛かるとでも思っているのか?
「犯罪者相手には一切容赦ない冷酷無情の狼ってところかしら?」
「会場に犯罪者が出る前提で話すな阿呆が…大事件でも起きん限り暴れる気はないから安心しろ」
「ふふっ、わかったわ」
こうして瑠璃の付き添いで俺も参加させられることになったわけだが…
「……」
案の定というべきか瑠璃は話す相手が居らず取り残された状態になっていた
そして少し離れた場所でそれを見ていた俺はとある知り合いに遭遇していた
「…何故お前が此処にいるんだ高坂?」
「それは俺のセリフだ五更、こんな場所お前に一番似合わないぜ」
そんなことは自分自身よくわかっている
わざわざ指摘してくるな阿呆が…
こいつの名は高坂京介、中学時代から学年もクラスも今まで同じ…俗にいう腐れ縁という友人の一人だ
その頃からの友人ではもう一人赤城というやつがいるがそれは今はどうでもいいだろう
「俺自身理解していることを言うな阿呆…俺はうちの妹の集会に名目上付き添いで来ているだけだ」
「お前もかよ…っていうかお前に妹居たんだな」
「その手の話題をしたことがなかったからな、それはお前とて同じだろう?」
中学から数年程度こいつとは友人関係ではあるが、家族関連特に妹についてはこいつ自身全く話さなかったからな
「…確かにそうだったな、俺と妹はついこの間まで全く会話も無いくらいに冷戦状態だったからその話題出すのも難だったからな」
「そうか…聞いておきたいんだがいいか?」
「ん?」
「俺の妹はあそこにいる妙な服装の黒服なんだが、お前の妹はもしやあのやたら派手なギャルのような女ではないだろうな?」
「あぁ、当たりだ」
「どちらも話す相手が居ないようだな」
「そうだな」
「共に前途多難といったところか?」
「はぁ~……」
高坂の妹も瑠璃と同じ状況ということにこの集まりで二人が友を作るのは厳しいと俺は感じ、高坂は盛大に溜め息をついた