あれから結局瑠璃も高坂の妹も話す相手が見つからず会は終了した
「どうやら上手くいかなかったようだな」
「そう、だな…」
「会も終わったことだし俺は妹を連れて帰る、じゃあな高坂」
高坂にそう告げると俺は店外に出た瑠璃の元に向かった
すると瑠璃はやたら長身で明らかにオタクといった感じの女に話掛けられていた
「どうした瑠璃?」
「あっ、兄さん、この人が次の二次会に参加してはどうかと私を誘ってくれていたのよ」
「なんと、黒猫氏の兄上殿でしたか!」
「黒猫?」
「私のハンドルネームよ」
黒猫か…こいつは猫のようなとこがあるからな
そしてこの黒ずくめの服…確かに黒猫だな
「申し遅れました、拙者は沙織・バジーナと申す者でござる」
見た目も凄まじいが、口調も凄まじいなこの女は…
だが拙者か……やつを…抜刀斎を思い出すな
やつとは雪代縁の一件の後、やつの元から消えてから結局一度も会うことはなかったな
「こいつの兄の五更一郎だ…こいつを気にかけてくれたことには一応感謝するぞ」
「なんのなんの、よろしければ一郎氏も二次会に参加しませんかな? 誘おうとしていたのは黒猫氏ともう一人だけですので。 それに黒猫氏も兄上殿が居た方が普段通りに話せると思いますし」
「そ、そうね、確かに兄さんも居てくれた方が私も闇の眷属としての力が最大限に発揮出来ると思うわ」
「参加するのは構わんが、俺はお前らの話題にはついてはいけんぞ?」
「おやっ? 一郎氏はこっち方面には無縁の方でしたか。 てっきり黒猫氏の兄上殿なので多少は縁のある方だと思っていたのですが」
「正直全くわからんな、今日この場に来たのも妹の付き添いだ」
「まあわからなくても構いませんぞ、それではお二人は先にこの先にあるマクドバーガーで待っていてくだされ、拙者はもう一人の方と共に後に向かいますので」
「わかったわ、行きましょ兄さん」
「ああ」
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あれから店につくと俺達は手頃な広さの席についた
そして俺は懐からタバコを取り出すとライターを使い火をつけ吸い始めようとする
「…何を当然のようにタバコを吸おうとしているのかしら兄さん?」
だがすんでのところで瑠璃に取り上げられ火を消された
「悪いか?」
「当たり前でしょう? あなたはまだ未成年なのだから」
未成年か…肉体はともかく、俺の精神は前世から数えれば百年は生きているのだがな
だがそれを事実だとしても瑠璃には言えんな、間違いなく俺も中二病(なかま)だと認識される
「それならやむを得ん…こっちを吸うか」
俺はポケットから小型のキセルを取り出す
「こっちってまたタバコじゃない…」
瑠璃はまた取り上げようと手を伸ばす
「タバコ? 瑠璃、よく見てみろ」
俺は何事もなく伸ばされた瑠璃の手にキセルを置く
「なにかしら? あら、何だかはっかののど飴の匂いがするわね」
「だろうな、何しろそれはタバコではなくただの喫好品としてののどの薬だからな」
「このようなものもあるのね」
「最近開発されたものらしいな。 知り合いの警官にもらったものだ」
「いいわ、これなら認めてあげる」
瑠璃から許可を得ると俺はキセルを吸い出す
…やはりこれはタバコの代用にはならんな…ちっ、どうも俺の周りのやつらは俺がタバコを吸うのをよしとせん…身体に害があるのは否定せんがそんなものは自己責任だろうに…
「…兄さん、口に出てるわよ」
「瑠璃、1本だけなら構わんだr「駄目よ」ちっ」
最後まで言い終わる前に否定され、俺は隠しもせずに舌打ちをする
すると
「お待たせしましたお二方! 先程申していた方であるきりりん氏とその兄上殿をお連れしました!」
先程の二次会提案者である沙織がいっていたやつとその兄とやらと共にこの場にやってきた
「そんな気はしていたがやはりお前達だったか高坂兄妹」
そうだ、もう一人の参加者と兄とは高坂の妹と高坂であった
確かに一次会で完全に蚊帳の外になっていたのは瑠璃と高坂の妹だけだったからな…予想通りだったということか
さて、瑠璃と高坂の妹は友になれるのか…見物だな