俺の妹がこんなに可愛いわけがない~IF~   作:死徒

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保村誠の暗躍

???SIDE

 

所詮この世は弱肉強食

 

強ければ生き、弱ければ…死ぬ

 

それは昔から何も変わらねぇ

 

俺の名は保村誠

 

前世での名は志々雄真実…ようは俺は転生をしたらしい

 

冗談みてぇな話だがこいつは本当のことだ

 

前世での俺は幕末である男が政府軍からの依頼で行っていた人斬りの役割を引き継いだ男だった

 

だが、戊辰戦争が終結し、その役割を終えると政府のやつらは俺の野心と力の強大さを恐れ、俺を殺そうとした

 

一応は仲間だと無警戒に油断していた俺はやつらの不意討ちにより頭に刀傷を浴び、意識が朦朧とした隙に小銃により全身を撃ち抜かれ、刀で滅多刺しにされた挙げ句、倒れ伏したところに油を浴びせられ、とどめといわんばかりにご丁寧に火まで放ってくれやがった

 

確実に死んだと俺自身思っていたが、意識が戻ると銃創や刀傷による傷と重度の火傷により全身が激痛に狂いそうになるものの俺は辛うじて生きていた

 

この時の俺は俺を殺そうとしやがったやつらに復讐することしか考えておらず、後に俺の組織で俺の次に強い男となる宗次郎の暮らす米問屋にて包帯による応急処置を施し、数週間かけ多少の傷を癒すと、米問屋に住む親類を皆殺した宗次郎を引き連れ、政府の追っての追撃を避けるため闇に身を隠した

 

そして、闇に紛れながら俺はあの時俺を殺そうとしたやつらを一人、また一人と殺し、ついに全てを殺して復讐を果たした

 

だが、復讐心が消えると直ぐさま次の衝動が俺を襲う

 

それは…明治という殺し合いも何も出来ねぇ偽善的でクソのような世の中を再び幕末のような混沌とした弱肉強食の摂理に戻すという盛大な野望心だった

 

俺はあの深手を負わされた時より数年を掛け膨大な組織を創り上げ、その幹部的な役割を担わせる為、成長し段違いに腕を上げた宗次郎を筆頭とした十人衆“十本刀”を結成させ、明治政府を破滅させる準備を着々と進めた

 

更に全てを盤石にする為に圧倒的破壊力を秘める戦艦“煉獄”を手配し、そのことを察し愚かにも俺の人斬りとしての先輩ともいえる男“緋村抜刀斎”を俺への刺客として送り込もうと策謀していた天皇を除くと明治政府最高権力者ともいうべき内務卿“大久保利通”を宗次郎を逆に刺客として送り込み暗殺、これにより政府内部を混乱に陥れることにも成功し、後は東京へ向け進行するのみでありその時間稼ぎの為の陽動である計画“京都大火”を実行に移すが、それは京都御庭番衆と警察の連中により防がれ、俺達の乗る煉獄には別動隊として抜刀斎、斎藤一らが奇襲を掛けようとしていた

 

だが、既に多少ではあるが出港している煉獄に船も無しの状態で乗り込むには海を泳ぐ必要があり、その状態ならガトリングガンなどの強力な兵器でなんの問題もなく確実にやつらを仕留められると俺は何処か慢心していた

 

そんな時、抜刀斎の仲間の一人“相楽”とかいう男がこちらに向け爆弾を投擲してくる

 

巨大で堅牢な煉獄が小型の爆弾如きでダメージなど負う筈もないというのが俺達の見解であり、誰もがその爆弾など気にせずやつらへの攻撃に集中する

 

チュドォーン!!

 

しかし小型爆弾はかなりの火薬を濃縮していたものだったらしく、煉獄は一撃で沈没寸前にまで追い込まれてしまう

 

俺は抜刀斎達とアジトで決着をつけることを伝え、その場から徹底する

 

その後、十本刀は俺の参謀である“佐渡島方治”を除き京都御庭番衆の拠点である旅館葵屋に向かわせたやつらを含め全てが敗れた

 

そして俺も一時は抜刀斎、斎藤一、相楽、四乃森蒼紫の四人を倒すが、突如復活した抜刀斎との激戦の果て、いつの間に超えていた俺の火傷による戦闘限界時間により身体が人体発火により燃え尽き死んだ…

 

死んだ後、当然地獄に落ちた俺は同じく地獄にいた俺の女である“駒形由美”と後からやって来た方治、そして斎藤との戦いで俺を殺すことへの闘争心が再び目覚めた十本刀の一人“魚沼宇水”と地獄を制圧するべく動き出していたが、突然俺達をドス黒い闇が包み込み、意識が目覚めると今の肉体になってたってわけだ

 

あれは今から三年程前になるか?

 

ちなみに由美と方治は俺と共に転生して同じ場所にいたが、宇水のやつはいなかった

 

だがやつも間違いなくこの世界に転生している筈だ

 

今度こそ俺を殺す為の力をつけて俺の前に出てこい

 

殺されてやるつもりはねぇが愉しく相手をしてやる

 

「志々雄様!」

 

「なんだ方治?」

 

俺の前に膝まずく方治(転生名“島田高次”)

 

「先日志々雄様自らが行った銀行襲撃の際に得た資金により、闇ルートから銃火器の購入を行いました。

後日受け取りに参ります」

 

「よし、武器が届きその調整が終わり次第あの計画を実行に移す」

 

「真実様、ついにやるのね?」

 

色めかしい笑みを浮かべて俺を見る由美(転生名“保村愛美”)

 

「ああ…第一の計画……刑務所襲撃だ」

 

明治政府を潰すのには失敗したが、この時代はあの頃より更に腐っちまいやがった…ゆえに一度潰す

 

どれだけ時間が掛かろうと確実にな

 

その為には部下が必要だ

 

善の心を持つやつらなんぞいらねぇ、悪の心を持つやつら…弱肉強食の摂理を理解しているやつらが部下にはいる

 

悪を見つけ出すのに最高の場所…それが刑務所だ

 

さて、最初は何処を狙うか?

 

俺は自分自身高揚する気分が抑えきれずそれから暫く笑い続けた




志々雄の回でした

ちなみに志々雄と由美はこの世界では婚姻しているので由美は志々雄を名前で呼んでいます

三年間で組織がまだ出来ておらず、今から動き出そうとしているのは転生した後今の現状を知ることと一郎同様鍛練をして肉体を強化するのに時間を掛けていた為です

以下は転生した志々雄、由美、方治の名です

志々雄真実→保村誠

駒形由美→保村愛美(まなみ)

佐渡島方治→島田(しまだ)高次(こうじ)

志々雄の転生後の顔は前話で語られた通りで、由美と方治は生前同様です
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