ポケモン現代入り   作:ささみ

85 / 86
第46話

 

 

 

 

 山へ入る準備といっても、特別なものはそれほど多くない。

 

 飲み物と簡単な食べ物、念のための救急用品。スマホに予備のバッテリー。それらをリュックへ詰め終えたあと、俺は机の上に並べていたモンスターボールとスーパーボールへ目を落とした。

 

 今日に限っては、たぶんこっちの方が大事だ。

 

「……こんだけあれば足りるか?」

 

 ひとつ、ふたつと数えながら、まずモンスターボールをまとめてリュックへ入れていく。

 

 その横に置いていたスーパーボールも忘れずに持っていく。数はモンスターボールほど多くないが、山にどんな奴がいるか分からない以上、強そうなのと出会った時に使える方もあった方がいい。

 

 山を見るだけなら、明らかに持ちすぎだった。

 

 けれど、今日は最初から見るだけで終わらせるつもりもない。

 

 シンオウのポケモンが北海道へ現れてから、まだほとんど時間が経っていない。町の近くに現れた連中だけじゃなく、山や森へ放り込まれたポケモンたちも、今頃は自分がどこにいるのかすら分からないまま動き回っているはずだ。

 

 水場を探す奴もいる。

 

 食べ物を探す奴もいる。

 

 身を休められる場所を探す奴もいるだろう。

 

 当然、良さそうな場所が重なれば揉める。

 

 まだ縄張りなんてものが出来上がっていないからこそ、山の中はむしろ今が一番騒がしい。

 

「どうせ何匹かとはやり合うだろうしな」

 

 最後のボールを放り込み、リュックの口を閉じる。

 

 なら、気に入った奴はそのまま捕まえてしまえばいい。

 

 手持ちは増える。

 

 山で暴れているポケモンも少し減る。

 

「一石二鳥だな」

 

 口にしてみると、余計に悪くない気がしてきた。

 

 別に山から野生を一匹残らず消したいわけじゃない。そんなことをしたら、せっかく広い土地を買った意味まで薄くなる。

 

 色んなポケモンが勝手に暮らしている。

 

 その中へ俺たちも好きに出入りする。

 

 最終的には、そのくらいでいい。

 

「行くか」

 

 声をかけると、近くで寝転がっていたリングマがゆっくりと身体を起こした。

 

 リザードもすぐにこちらへ顔を向ける。

 

 ゲンガーに至っては呼ぶ前から俺の足元の影が不自然に揺れていた。

 

「お前、さっきから楽しそうだな」

 

「ゲンゲン」

 

「……まあ、俺もだけど」

 

 否定する気にはなれなかった。

 

     ◇

 

 山へ入って最初に思ったのは、静かじゃない、だった。

 

「……おお」

 

 思わず足を止める。

 

 森のあちこちから、聞き慣れない鳴き声が重なっている。

 

 少し離れた斜面で枝葉が大きく揺れ、その向こうを何かが走り抜けた。さらに奥では短い鳴き声が連続し、遅れて何かがぶつかったような音が響く。

 

 その直後、木々の隙間から一瞬だけ光が走った。

 

「もうやってんなぁ……」

 

 技だ。

 

 思っていたより、ずっと早い。

 

 というより、既に山のあちこちで始まっているらしい。

 

 リングマが鼻先を上げる。

 

 右を向いたかと思えば、今度は左へ顔を向け、耳まで落ち着きなく動いていた。

 

「匂いも酷いか?」

 

「グゥ」

 

「だよな」

 

 俺にすらこれだけ気配が分かる。

 

 リングマからすれば、知らないポケモンの匂いがそこら中に散らばっているようなものなのだろう。

 

 リザードも普段より周囲をよく見ていた。

 

 ただし警戒しているというより、どちらかといえば好奇心の方が強そうだ。遠くから技の音がするたび、そっちへ首が向いている。

 

「先に言っとくけど、今日は喧嘩しに来たんじゃないからな」

 

「リザー」

 

「その返事で尻尾の火が元気になるのおかしくない?」

 

 俺が顔を覗き込むと、リザードはぷいと前を向いた。

 

「絶対楽しみにしてるだろ」

 

「リザァ」

 

「はいはい」

 

 笑いながら歩き始める。

 

 まあ、俺も似たようなものだ。

 

 そうして山へ入って、それほど経たないうちに最初の騒ぎへぶつかった。

 

     ◇

 

 沢へ向かう緩い斜面の途中。

 

 木々が少し開けた場所で、ビーダルとロゼリアが睨み合っていた。

 

「ダルッ!」

 

「ロゼッ!」

 

 先に動いたのはビーダルだった。

 

 地面を蹴って一気に距離を詰める。

 

 ロゼリアが横へ跳び、その腕から散った葉がビーダルの身体を掠めた。それでも勢いは止まらず、ビーダルは身体ごと押し込むようにロゼリアへ迫る。

 

「おー……」

 

 少し離れたところで足を止める。

 

 どっちかが縄張りへ入った、なんて話ではない。

 

 そんなものは、まだ出来上がっていないはずだ。

 

 沢が近く、日も入る。

 

 ここなら暮らせそうだ。

 

 たぶん、両方がそう思っただけ。

 

 そして譲る気がなかった。

 

「元気だなぁ」

 

 眺めている間にも、ロゼリアがまた葉を飛ばす。

 

 ビーダルも退かない。

 

 身体つきは悪くない。

 

 ロゼリアの動きも軽い。

 

 俺は口元が緩むのを感じながらリュックへ手を伸ばした。

 

「よし。最初はあの二匹にするか」

 

 リングマが横からこちらを見る。

 

「何だよ。そのためにこんなに持ってきたんだろ」

 

「グゥ……」

 

「だから呆れるなって」

 

 モンスターボールを二つ取り出す。

 

 スーパーボールを使うほどではなさそうだ。

 

 向こうは向こうで揉めているが、こっちとしては都合がいい。

 

「リザード、行ける?」

 

「リザァ!」

 

 ほとんど食い気味に返事をして前へ出る。

 

「やっぱやる気満々じゃねぇか」

 

 その声で、争っていた二匹が同時にこちらを向いた。

 

 ビーダルも。

 

 ロゼリアも。

 

 一瞬だけ動きを止める。

 

 俺と、前へ出たリザード。

 

 その後ろにリングマ。

 

 さらに足元の影ではゲンガーが揺れている。

 

「……まあ、そりゃ嫌だよな」

 

 どう見ても新しい競争相手だ。

 

 ロゼリアが先に腕を振るった。

 

「リザード!」

 

 鋭い葉が飛ぶ。

 

 リザードは身体を低く沈め、その下を潜るように距離を詰めた。

 

 そこへ横からビーダルまで突っ込んでくる。

 

「リングマ、頼む!」

 

「グオッ!」

 

 大きな身体が前へ出る。

 

 勢いよく走っていたビーダルが、ほんの一瞬だけ足を鈍らせた。

 

 目の前へ立ちはだかったリングマを見上げる。

 

 それでも逃げなかった。

 

「お、行くんだ」

 

 ちょっと感心する。

 

 気が強い。

 

 そう思った次の瞬間、正面からリングマに受け止められていた。

 

「加減な!」

 

「グゥ!」

 

 分かってる、とでも言いたげな声が返る。

 

 リングマが腕を払う。

 

 まともに押し合いにもならず、ビーダルの身体が横へ転がった。

 

 一方のロゼリアも、リザードに距離を潰されて苦しそうだった。

 

 離れたいのに離してもらえない。

 

 炎を警戒しているのか、何度も間合いを取り直そうとしているが、そのたびにリザードが前へ出る。

 

「その辺でいいか」

 

 まずはビーダル。

 

 モンスターボールを投げる。

 

 赤い光が身体を包み、そのまま吸い込んだ。

 

 地面へ落ちたボールが揺れる。

 

 一度。

 

 二度。

 

 三度。

 

 静かになる。

 

「よし」

 

 続けてロゼリアにも投げる。

 

 こちらは二度ほど強く揺れたものの、やがて同じように止まった。

 

 二つのボールを拾い上げ、手のひらへ乗せる。

 

「初っ端から二匹か」

 

 思わず笑う。

 

「いいじゃん。かなり幸先いいぞ」

 

「リザ!」

 

 リザードが胸を張る。

 

「お前も満足そうだな」

 

 リングマを見ると、こっちはもう終わった戦いに興味をなくしたのか、森の奥へ鼻先を向けていた。

 

「……まだいる?」

 

「グゥ」

 

 返事とほとんど同時に、遠くからまた鳴き声が聞こえた。

 

「だよなぁ」

 

 今日は、思っていた以上に忙しくなりそうだ。

 

     ◇

 

 そこから先は、本当に落ち着く暇がなかった。

 

 少し進めばスボミーがいる。

 

 その向こうでは、数匹のビッパが互いに微妙な距離を取りながら沢沿いを動いていた。別の場所ではロゼリアが近づいてきたビーダルを追い払い、さらに奥では、争いを避けるようにラルトスが木々の陰を抜けていく。

 

 山全体が、まだ形を持っていない。

 

 同じ種類が近くにいるからといって、それが群れなのかすら分からなかった。

 

 元から一緒だったのか。

 

 ここへ来て偶然固まっただけなのか。

 

 それぞれが好き勝手に動き、ぶつかり、離れ、また別の相手と出会っている。

 

「ゲンガー、そっち!」

 

「ゲン!」

 

 木の陰へ逃げ込もうとしたビッパの前に、ゲンガーがぬるりと顔を出した。

 

「ビッ!?」

 

 飛び上がるほど驚いて足を止める。

 

「今!」

 

 投げたモンスターボールが当たり、その身体を赤い光へ変えた。

 

 しばらく揺れたあと、静かになる。

 

「よし、また一匹」

 

 拾い上げてリュックへ入れようとして、ふと中を見る。

 

「……あれ?」

 

 空のモンスターボールが、もう目に見えて減っていた。

 

 朝は結構持ってきたはずだ。

 

「思ったより早くない?」

 

 隣からリングマがリュックを覗き込む。

 

「いや、何その顔」

 

「グゥ」

 

「俺だけのせいじゃないだろ。お前だって見つけたら前出てるじゃん」

 

 リングマが顔を逸らした。

 

「ほら」

 

 絶対こいつも楽しんでいる。

 

 見かけたものを全部捕まえているわけではない。

 

 こちらへ向かってきた個体。

 

 動きを見て気になった個体。

 

 せっかくなら持っておきたいと思った種類。

 

 それを選んでいるだけでも、ボールが次々となくなっていく。

 

 そんな中、木々の奥に小さな白い影が見えた。

 

「ん?」

 

 白い身体。

 

 頭を覆うような緑色。

 

「ラルトスか」

 

 少し離れたところに、もう一匹いる。

 

 今まで会った連中とは違って、こちらへ向かってくる気配はなかった。

 

 周囲で鳴き声が上がるたび、落ち着かなそうに位置を変えている。

 

「……そりゃ怖いよな」

 

 近づこうと一歩踏み出す。

 

「ラル……」

 

 すぐに一歩下がられた。

 

「ですよね」

 

 しゃがんでみる。

 

 変わらない。

 

 むしろ俺の後ろにいるリングマまで見て、さらに警戒された気がする。

 

「まあ、そうなるか」

 

 知らない土地。

 

 周りでは知らないポケモンがずっと揉めている。

 

 そこへ人間が来て、その後ろにはリングマとリザード。影にはゲンガー。

 

 俺でも逃げる。

 

「……でも」

 

 手の中のモンスターボールを見る。

 

「欲しいんだよなぁ」

 

 ラルトスがびくっと身体を震わせた。

 

「いや、その反応やめろ。分かったみたいじゃん」

 

 思わず笑う。

 

 結局、戦うよりも逃げる二匹を追いかける方が大変だった。

 

 木々の間を回り込み、ゲンガーにも手伝ってもらい、どうにか二匹とも捕獲する。

 

 最後のボールを拾った頃には、俺の方が軽く息を切らしていた。

 

「……何これ。殴り合ってくれた方が楽だったんだけど」

 

「ゲンゲン」

 

「お前、絶対笑ってるだろ」

 

 ゲンガーの口元が大きく歪んだ。

 

「こいつ……」

 

 文句を言いながらも、手に入った二つのボールを見れば気分は悪くない。

 

 むしろかなりいい。

 

     ◇

 

 昼を少し回った頃、沢へ辿り着いた。

 

 水音が近づくにつれて、別の鳴き声も増えていく。

 

「おお……いるいる」

 

 水場には何匹ものコダックが集まっていた。

 

 岸近くをうろつくもの。

 

 浅瀬へ入っているもの。

 

 水の流れをじっと見ているもの。

 

 ここなら水に困らないと考えるのは、当然だろう。

 

 そして、その少し奥。

 

 俺は自然と一匹へ目を向けた。

 

「……あれ、いいな」

 

 ゴルダック。

 

 周囲のコダックとは明らかに動きが違う。

 

 近づいてきた一匹を睨みつけ、川の広い場所から追い払う。別のコダックも距離を取り、そいつの周りだけ妙に空いていた。

 

 まだ、ここの主ではない。

 

 そんなものが決まるには早すぎる。

 

 けれどこのままなら、いずれあいつが周辺を押さえそうだった。

 

「強そうじゃん」

 

 口元が勝手に緩む。

 

 リングマが俺を見る。

 

「いや、欲しくなるだろ。あれは」

 

「グゥ」

 

「なるって」

 

 リザードまで、俺ではなくゴルダックを見ていた。

 

「ほら、お前もやりたいんじゃん」

 

「リザァ!」

 

「分かりやす」

 

 笑っている間に、ゴルダックもこちらへ気づいた。

 

 赤い目が向く。

 

 すぐには動かない。

 

 リングマを見て。

 

 リザードを見て。

 

 ゲンガーのいる影まで一度視線を落とす。

 

 それでも逃げなかった。

 

「……いいね」

 

 さっきまでより、少しだけ胸が高鳴る。

 

「リザード、行こうか」

 

「リザ!」

 

 今度は、簡単にはいかなかった。

 

 ゴルダックが腕を振るう。

 

 水が弾けた。

 

「うおっ!」

 

 思った以上の勢いに、俺まで反射的に一歩下がる。

 

 リザードも真正面から受けず、大きく横へ跳んだ。

 

「やっぱ強いな!」

 

 声が弾む。

 

 危ない。

 

 けど、面白い。

 

 ゴルダックは間を与えず、続けて攻めてくる。

 

 さっきまで捕まえてきた連中より、明らかに動きが速い。攻撃も重い。

 

「リザード、焦んな!」

 

「リザァ!」

 

 返事は元気だ。

 

 飛んできた攻撃を避け、間合いへ入る。

 

 ゴルダックもそれに合わせて身体を捻り、距離を外そうとする。

 

 何度か攻防が続く。

 

 そのたび、リザードの足取りが少しずつ相手へ合っていく。

 

「そう、それ!」

 

 ゴルダックが攻撃へ移った瞬間、リザードが踏み込む。

 

 綺麗に一撃が入った。

 

 ゴルダックの身体が水際まで下がる。

 

「今!」

 

 手に取ったのは、モンスターボールではなくスーパーボールだった。

 

 ここまで粘った相手に、わざわざ出し惜しみする理由もない。

 

 投げる。

 

 スーパーボールが身体へ当たり、赤い光が弾けた。

 

 水辺へ落ちたボールが揺れる。

 

 一度。

 

 二度。

 

「……」

 

 三度。

 

 静かになった。

 

「っしゃ!」

 

 思わず拳を握った。

 

「リザード、ナイス!」

 

「リザァ!」

 

 駆け寄ってきた頭を、思い切り撫でる。

 

「結構やる奴だったなぁ。いいの捕まえたわ」

 

 拾い上げたスーパーボールを手の中で眺める。

 

 持ってきて正解だった。

 

 こういう相手に使うためのものだ。

 

 名前も姿も知っている。

 

 どんなポケモンかだって知っている。

 

 それでも、実際に目の前で動いて、戦って、その強さを自分で感じるのはまるで違った。

 

「……山買って正解だったかも」

 

「ゲンゲン」

 

「まだ初日だけどな」

 

 ゲンガーの笑い声を聞きながら、俺も笑う。

 

 その後、周囲にいたコダックも何匹か捕まえた。

 

 そちらはモンスターボールで十分だったが、それでも数を使えば減っていく。

 

 改めてリュックの中を覗いた頃には、朝あれだけ余裕があったはずの空ボールが、本気で心許なくなっていた。

 

     ◇

 

「……全然静かになってないな」

 

 午後。

 

 少し高い場所まで上がり、俺は来た方向を振り返った。

 

 今日だけでも、かなり捕まえている。

 

 正確な数は帰ってから確認すればいい。

 

 少なくとも、十匹やそこらでは済んでいない。

 

 それなのに、遠くからはまだ鳴き声が聞こえる。

 

 斜面の向こうで木が揺れ、さらに離れた場所では何かが技を使ったらしく、また短い音が響いた。

 

「どんだけいるんだよ……」

 

 呆れる。

 

 けれど、嫌な気はまるでしない。

 

 むしろ、まだこれだけいるのかと思うと楽しくなってくる。

 

 今日会っていない種類もいるはずだ。

 

 もっと強い奴だっているだろう。

 

「縄張り固まる前に、何回か来た方がいいな」

 

 今なら皆が動いている。

 

 落ち着いて住む場所を決めてしまえば、今度はこっちから探しに行かなければならない。

 

 捕まえるなら、今の方が面白い。

 

 そんなことを考えながら山の奥へ視線を向け――ふと、目を細めた。

 

「……ん?」

 

 木々の向こうに、岩肌が見える。

 

 山なのだから、それ自体は別におかしくない。

 

 ただ。

 

「こんなんだったっけ?」

 

 購入前に見た資料。

 

 地図。

 

 実際に見た景色。

 

 そのどれとも、何となく噛み合わない。

 

 気のせいと言われれば、それまでの違和感だった。

 

 さらに目を凝らす。

 

 岩場の向こう。

 

 影になった場所に、ぽっかりと暗い穴が見えた。

 

「……洞窟?」

 

 気になる。

 

 ものすごく気になる。

 

 少しだけ進もうかと足を出しかけて、空を見上げる。

 

 まだ帰れなくなるほど遅くはない。

 

 けれど、今日は洞窟へ入るつもりで来ていない。

 

 装備も足りない。

 

 それに。

 

「…………」

 

 リュックを開く。

 

 残っているモンスターボールとスーパーボールを見る。

 

「……やめとくか」

 

 思ったより、ずっと少ない。

 

 この状態で奥へ入って、また面白そうな奴が大量に出てきたら絶対後悔する。

 

「今日は十分だろ」

 

 リングマを見る。

 

 リザードを見る。

 

 足元の影から顔を出したゲンガーを見る。

 

 三匹とも、まだまだ元気そうだった。

 

「何で俺が一番帰りたそうなんだよ」

 

「ゲンゲン」

 

「お前は笑うな」

 

 来た道へ身体を向ける。

 

 何となくもう一度振り返ると、遠くの岩場は木々の間からまだ見えていた。

 

 今日歩いたのは、山全体からすればほんの一部だ。

 

 それだけで、これだけ捕まった。

 

 まだ奥がある。

 

 今日とは違うポケモンもいる。

 

 あの洞窟も気になる。

 

「……しばらく暇しなくて済みそうだな」

 

 口に出すと、思っていた以上に楽しそうな声が出た。

 

 少し先を歩いていたリングマが振り返る。

 

「何だよ。お前もまた来るだろ?」

 

「グゥ」

 

 当然だ、とでも言うように鼻を鳴らし、リングマは再び前を向いた。

 

「だよな」

 

 俺は笑って、その大きな背中を追う。

 

 山を買った時も楽しみではあった。

 

 けれど、実際に中へ入ってみた今の方が、ずっと面白そうだった。

今後の展開として伝説ポケモンのサイズどうしよっかなって思ってるんですよね〜

  • 図鑑通りのサイズ
  • 図鑑よりかなりデカくしてもいい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。