ポケモン現代入り 作:ささみ
小屋の前に荷物を広げながら、俺は持ってきた袋を1つずつ確認していた。
中身はきのみの苗や種、それからぼんぐり。全部を一ヶ所へまとめて植えるつもりはない。沢に近い場所、日当たりのいい斜面、少し森へ入ったところと、ある程度ばらけさせるつもりで持ってきている。
小屋の窓際では、持ち込んだラジオが朝から流れっぱなしになっていた。音楽が終わり、天気予報を挟んで、そのままニュースへ移る。
『――続いて、関東地方の一部地域で相次いでいる人的被害、およびポケモンへの被害についてです。これまで複数の野生ポケモンが関与しているとみられていましたが、現地での調査と目撃情報から、大型のゴースト1体が関与している可能性が高いことが分かりました』
「大型のゴースト?」
袋から苗を取り出しながら、何となくラジオへ顔を向ける。
『目撃された個体は一般に確認されているゴーストと比べてもかなり大型で、現在も所在は確認されていません。自治体では夜間の不要な外出を避け――』
「……オヤブン個体かな」
それなら大きいのも分かる。この世界にヒスイそのものがどういう形で混ざっているのかは知らないが、今さら普通より大きな個体が出てきたくらいで驚くことでもない。
俺はそのまま苗を別の袋へ移した。
「まあ、カントーならこっちには関係ないか」
ラジオはそのまま別のニュースへ移り、俺もすぐに意識を戻した。
「よし。こんなもんかな」
立ち上がって周囲を見る。今日はいつもより連れてきたポケモンが多い。
リザード、ニョロボン、ゲンガー、リングマ。それにバタフリーやモルフォンもいる。少し離れた場所では、キルリアとラルトスが並んでこちらを見ていた。
捕まえたシンオウ組も何匹か小屋の周囲にいる。スボミーたちは草の多い場所へ固まり、ロゼリアは少し離れたところからこちらを眺めている。ビッパとビーダルは既に沢の方が気になるらしく、何度もそちらへ行ったり戻ったりしていた。
「今日は好きにやっていいぞ」
俺の声に、リザードたちがこちらを見る。
「小屋と、今から植える辺りだけ避けてくれれば、あとは別に何壊してもいいから。せっかく山あるんだし、いつもみたいに抑えなくていいよ」
「リザ!」
「グゥ!」
「ニョロ!」
反応が分かりやすい。特にリザードは、今までより明らかに嬉しそうだった。
「ただ、怪我したら自分で戻ってこいよ。あと本気になりすぎて喧嘩に変わるのは禁止な」
「ゲンゲン」
「お前が一番怪しいからな?」
ゲンガーが楽しそうに笑いながら地面へ沈んでいく。それを見送ってから、俺は苗の入った袋を肩へ担いだ。
「さて。こっちはこっちでやるか」
最初に選んだのは、小屋から少し離れた日当たりのいい斜面だった。土も柔らかい。沢から遠すぎるわけでもないし、この辺なら育つんじゃないだろうか。
「とりあえず、この辺に何本か植えてみようか」
「ロゼ」
「ラル」
ロゼリアとキルリアが近くへ寄ってきて、スボミーも少し遅れてついてきた。俺がスコップで土を掘り始めると、少し離れたところから重い音が響く。
ドンッ、と地面まで軽く揺れた。
「……始まったな」
顔を上げると、木々の向こうで砕けた岩の欠片が飛ぶのが見えた。今のところそんなことできるのはリングマだろう。
「楽しそうで何より」
そのまま穴を掘っていると、今度は別方向から炎が上がった。続いて何かが地面を滑る音がして、ニョロボンが大きく回り込み、その横からリザードが飛び出すのが木々の間から一瞬だけ見える。さらに、その頭上をバタフリーとモルフォンが横切っていった。
「……思ってたより派手だな」
でも、止める理由はない。ここはそのために買った山だ。
家の庭だったら炎1発撃つにも向きを気にするし、岩なんて壊させられない。多少木が折れようが、地面が抉れようが、ここなら困らない。
「まあ、好きにやればいいんだ」
呟きながら苗を穴へ入れると、その横でロゼリアが土へ手を伸ばし、根元の辺りを少し整えた。
「お、手伝ってくれる?」
「ロゼ」
「助かるわ。じゃあ次こっちな」
隣の位置を示してまたスコップを入れていると、少ししてビーダルがこちらへやってきた。
「ダル」
「ん?」
俺の手元を見ている。
「掘りたい?」
「ダル!」
「じゃあここ。深さはこれくらいで――」
言い終わる前に、ビーダルが地面へ手をかけた。
「あ、ちょ、待っ――」
土が勢いよく掻き出される。
「いや深い深い! 木植えるだけだから!」
「ダル?」
「そんなでかい穴いらないって。何植える気だよ」
覗き込むと、俺が掘った穴の倍くらいある。
「……まあいいか。土戻せば」
ビーダルは褒められたと思ったのか、少し得意そうだった。
「いや、別に成功ではないからな?」
また向こうで大きな音が鳴る。今度はさっきより近い。
見ると、斜面の下をリザードが駆け抜け、その後ろからニョロボンが追っている。リザードは大きく岩を回り込み、そのまま斜面を蹴って方向を変えた。
いつもの訓練より移動距離が明らかに長い。
「……やっぱ広い方が動き変わるな」
庭じゃ、あんな走り方はできない。避けるにしてもせいぜい数歩だが、山なら相手から大きく距離を取ってもいいし、そのまま地形を使って回り込める。
俺が見ている間にもリザードは岩陰へ姿を消し、次の瞬間には別の場所から飛び出してきた。
「自分で考えてんじゃん」
ちょっと嬉しくなる。いつまでも俺が全部指示する必要はない。戦うたびに横から「あれしろ、これしろ」と言わなくても、自分で相手を見て、自分で動ける方がいい。
「……っと。こっちもやらないとな」
手元を見ると、キルリアがこちらを見ていた。
「キル」
「見てたのバレた?」
「キル」
「はいはい。続きやりますよ」
午前中だけで、何ヶ所かにきのみやぼんぐりを植えた。
全部が育つとは思っていない。土が合わないものもあるだろうし、野生に掘り返されることだってあるだろう。でも何本か残ればいい。そこから増えていけば、いずれ山の中で普通に実が採れるようになる。
「こっちは沢近いし、もう少し植えてみるか」
水場へ近づくと、ゴルダックの姿が見えた。沢の中に立って、流れてくる水を眺めている。
「おーい」
「ゴル」
呼ぶと一度だけこちらを見た。それだけで近づいてくるわけではない。
「もう完全にここ住んでるな、お前」
「ゴル」
「まあいいけど。好きにしてて」
以前より随分自然になった。俺が来ても距離を取らないし、だからといってわざわざ寄ってくることもない。
山で暮らして、必要な時だけ小屋へ戻ってくる。最初からそういう形にしたかったので、今の距離感はむしろちょうどいい。
沢沿いの少し高い場所へ移動してまた土を掘ると、今度はビッパまで混ざってきた。
「お前もやる?」
「ビッ」
「じゃあ、この辺ちょっと柔らかくしてくれ。掘りすぎんなよ」
今度は先に注意しておく。
ビッパが地面を掻き始め、その横でスボミーたちが土の匂いを嗅ぐ。俺が苗を植え、ロゼリアが根元を整える。思ったより作業が早い。
「……こいつらいると楽だな」
俺1人なら半日かけてもここまで進まなかっただろう。
遠くでまた、ドン、ドン、と続けて岩が割れる音が響き、その直後にはゲンガーの笑い声らしきものまで聞こえてきた。
「何やってんだあいつら」
少しだけ気になる。でも、悲鳴ではない。なら大丈夫だろう。
「まあいいか」
そのまま作業へ戻った。
昼を過ぎた頃、一度全員を小屋の周りへ呼び戻した。
リザードは身体のあちこちに土をつけ、リングマの毛には細かい石が絡んでいる。ニョロボンもかなり動いたらしく、沢から上がってくるなり地面へ座り込んだ。ゲンガーだけは相変わらず元気だった。
「お前なんで疲れてないんだよ」
「ゲンゲン」
「絶対途中でサボってただろ」
「ゲン?」
「その顔は怪しい」
水と食べ物を出しながら、それぞれの身体をざっと見る。目立った怪我はなく、軽い擦り傷があるくらいだった。
「まあ、大丈夫そうだな。午後も好きにやっていいけど、疲れてる奴は休めよ」
「リザ」
リザードはまだやる気らしい。その横でリングマも立ち上がる。
「お前も?」
「グゥ」
「好きだねぇ」
止める理由もない。食べ終わったらまた自主練へ戻るらしい。
俺は残った水を飲みながら、少し離れた場所にいるキルリアとラルトスを見た。
「で、午後はお前らな」
「ラル!」
「キル?」
「そんな身構えなくていいって。ちょっと色々試してみたいだけだから」
ラルトスはむしろ楽しそうだ。キルリアは俺の顔を見てから、少し首を傾げた。
「前に戦わせた時、結構違っただろ。お前ら。こっちはすぐ前出るし、お前は周り見てるし。せっかくだから、今後どう鍛えるか考えようかなって」
ラルトスとキルリアを順番に見る。
もちろん、そんな説明を全部理解しているかは分からない。でも2匹ともこちらを見ているので、とりあえずやる気はあるらしい。
「じゃ、まず普通にやってみるか」
相手は野生ではなく、身内にした。この辺にいる野生はラルトスたちと比べてもそこまで強くない。勝てる相手と戦わせ続けても、何が得意なのかは分かりづらい。
最初に相手を頼んだのはリザードだった。
「リザード、ちょっと付き合って。加減はしていいけど、動きは普通で頼む。直撃させる時だけ気をつけてな」
「リザ」
リザードが少し離れ、その向かいにラルトスが立った。
「ラルトスも、今日は勝つ必要ないからな。どこまでできるか見たいだけ」
「ラル!」
「……分かってる?」
元気だけはいい。
「まあ、やってみるか。始めていいぞ」
俺が少し下がると、最初に動いたのはラルトスだった。
姿がぶれる。かげぶんしん。
複数に増えた姿が散り、そのままリザードを囲むように動く。リザードは慌てず周囲を見回し、少し待った。
「ラル!」
先に攻撃へ移ったラルトスから、ねんりきが飛ぶ。
だが、リザードは横へ跳んで外すと、そのまま距離を詰めた。
「ラッ!?」
ラルトスが慌てて下がる。それでも逃げ切ろうとはせず、途中で身体をひねり、もう一度リザードを見た。
「やっぱそっち行くか」
完全に逃げられる距離があっても、反撃できる位置を探している。
リザードがさらに踏み込むと、ラルトスはギリギリまで待って横へ飛び、直後、その背後へねんりきを飛ばした。
「いいじゃん」
リザードも少し意外だったらしく振り返る。
「リザ」
「ラル!」
「お前楽しそうだなぁ」
明らかに最初の頃とは違う。強い相手を怖がるというより、どうしたら当てられるのかを考えている。
もうしばらく続けてみても、最後までラルトスの動きはほとんど変わらなかった。疲れても前へ出る。攻撃されれば、その次の反撃を探す。
「はい、そこまで」
声をかけると、ラルトスが不満そうにこちらを見た。
「いや、十分やったって。また後でな」
「ラル……」
「そんな顔すんなよ。お前、やっぱ戦うの好きだな」
笑いながら頭を撫でる。
「ラル!」
「うん。そこは分かった」
次はキルリア。同じようにリザードと向かい合わせる。
「さっきと同じでいいよ。無理に勝とうとしなくていいから。リザードも頼む」
「キル」
「リザ」
始めると、キルリアも最初にかげぶんしんを使った。ただ、その後がラルトスとは違う。
すぐには攻撃せず、リザードがどこを見るか、どちらへ身体を向けるか、距離を保ったままじっと見ている。
「……やっぱ違うな」
リザードが前へ出る頃には、キルリアは既に横へ動き始めていた。攻撃が始まるより先に来る方向が分かっている。
距離を取ったあともすぐには反撃せず、まず安全な位置へ移ってからサイケこうせんを放つ。リザードが避けても追わず、もう一度距離を取った。
「慎重だなぁ」
悪い意味ではない。むしろ周りを見る余裕は、ラルトスより明らかにある。
戦い始めても、自分とリザードだけを見ていない。俺の位置や、近くで見ているラルトス、少し離れたところにいるゲンガーまで時々視線を向けている。
「……じゃあ、ちょっと変えるか」
「キル?」
俺はラルトスを呼んだ。
「こっち来て。次は後ろにいて。リザード、お前はこいつも狙ってみて」
「リザ?」
「もちろん加減してな。キルリアがどう動くか見たい」
リザードが頷く。キルリアは俺とラルトスを交互に見た。
「大丈夫。やってみよう」
「キル」
再開する。
最初は同じだった。キルリアが距離を取り、リザードを見る。
その途中で、リザードの身体がラルトス側へ向いた。
「キル!」
反応したのは一瞬だった。
キルリアが横へ動く。自分へ向かってくる時より速くラルトスの前へ回り込み、リザードとの間に入った。
「お」
リザードが方向を変えれば、キルリアも追う。自分から距離を詰めることは少なかったのに、ラルトスへ近づこうとするリザードには積極的に位置を合わせていた。
次にリザードが大きく回り込むと、キルリアはラルトスの手を引くように動き、一緒に位置を変える。
「へぇ……」
またリザードが狙う。
今度はさいみんじゅつ。リザードは顔を背けて避けたが、その間にキルリアはラルトスとの距離を取らせた。
「なるほどなぁ」
何度か試してみても同じだった。
自分だけなら慎重に逃げる。でも誰かを一緒に置くと、動きが明らかに変わる。攻撃する回数まで増えたが、それも相手を倒すためというより、近づけないために使っているように見えた。
「はい、そこまで」
リザードが動きを止め、キルリアもようやく肩の力を抜いた。
「お疲れ。ラルトスもな」
「ラル!」
「お前はほぼ守られてただけだろ」
元気に返事をされて、少し笑う。それからキルリアを見る。
「……やっぱそっちかなぁ」
「キル?」
「進化先。いや、お前にはまだ分かんないか。サーナイトの方が合いそうだなって思っただけ」
「キル……?」
「戦うのが嫌って意味じゃないぞ。お前、誰かいる時の方が動きいいんだよ。自分だけなら逃げるのに、ラルトス狙われたらすぐ前出るし」
キルリアがラルトスを見る。
当のラルトスは何も気にしていないようで、既にリザードの方を見ていた。
「ほら、あいつはあいつでまた戦いたそうだし」
「ラル!」
「今言ったばっかだろ。休めって」
どうにも戦う方へ意識が向くらしい。
「……こっちはエルレイドっぽいんだよなぁ」
小さく呟く。
もちろん、まだ決める段階ではない。そもそもラルトスはまだ進化すらしていない。
「まあ、お前はキルリアになってからまた考えよう。今はいっぱい戦っとけ。怪我しない程度にな」
「ラル!」
「だから今すぐ行けって意味じゃないって」
午後は再び山の中を回った。
俺は植える場所を探しながら、シンオウ組を何匹か連れて歩く。キルリアも一緒だ。一方、ラルトスは途中からリザードたちの自主練へ戻っていった。
「あいつ本当に好きだな」
「キル」
「お前とは正反対だなぁ」
そう言うと、キルリアが少しだけ不満そうにこちらを見る。
「あ、別に悪いって言ってないよ。違う方が面白いじゃん」
「キル……」
「ほんとほんと」
なだめながら斜面を登り、少し開けた場所を見つけてまた穴を掘る。今回はぼんぐりだ。
「ここなら日も当たるし、悪くないだろ」
苗を植えて土を戻す。その向こうでは、また派手な音がしていた。
リングマが大きな岩へ身体ごとぶつかり、亀裂が走る。そこへリザードが駆け上がり、崩れた岩を足場に跳ぶ。別方向からゲンガーが現れ、避けたリザードの横を何かが掠めた。
「……めちゃくちゃやってんなぁ」
でも、楽しそうだ。
何より、俺が指示しなくても勝手に相手を変え、距離を取り、どう動けばいいか試している。家の近所では絶対にできなかった。
木が倒れる。岩が砕ける。地面が抉れる。それでもここなら、別に構わない。
「山買って正解だったな」
改めて思う。別に訓練だけのために買ったわけじゃないが、この光景を見ていると、それだけでも十分価値があった気がした。
「キル」
「ん?」
キルリアが少し離れた場所を見ている。
俺もそちらを見るが、特に音は聞こえない。
「なんかいる?」
「キル」
キルリアが先に歩き出した。
「あ」
今までは何か感じると、まず俺を見ていた。今日は違う。自分から少し先へ行き、木々の間を覗き込む。
「自分で見に行くようになったじゃん」
追いかけると、少し先ではビッパが2匹、落ちていた枝を取り合っていた。別に危険な喧嘩ではない。しばらく引っ張り合ったあと、片方が諦めて離れていく。
「これか」
「キル」
「別に毎回止めなくていいぞ。あれくらいなら好きにやらせとけば」
キルリアはまだ2匹を見ていた。
「でも、見に行くのはいいな。俺呼ぶ前に自分で確認できた方が楽だろ」
「キル」
「うん。そんな感じでいいんじゃない?」
統括なんて、まだずっと先の話だ。でも少しずつ、自分で周囲を見るようにはなってきた。
「今日は色々分かったな」
キルリアの頭へ手を乗せる。もう避けない。少しだけ目を細めて、そのまま撫でられている。
「サーナイトかぁ」
「キル?」
「いや、まだ先の話」
夕方には、流石に戦闘組も静かになっていた。
小屋へ戻ると、リザードが壁際へ座り込み、リングマは地面へ大の字になっている。ニョロボンも沢の近くで身体を休めていて、ラルトスまで草の上へ座っていた。
「ほら見ろ。やりすぎるから」
「ラル……」
「まだやる?」
「ラル」
「嘘つけ。立つのも面倒そうじゃん」
近づいて頭を撫でる。
「明日動けなくなっても知らんぞ」
その横をゲンガーが元気に飛んでいった。
「だからなんでお前だけ元気なんだよ」
「ゲンゲン!」
「絶対どっかで休んでただろ」
笑いながら餌を用意すると、ポケモンたちがそれぞれ集まり始める。少し離れたところでは、ゴルダックもいつの間にか戻ってきていた。
俺も椅子へ腰を下ろし、水を一気に飲む。
「疲れたぁ……」
今日は結構歩いたし、土も掘った。手も泥だらけだ。
でも山の何ヶ所かには、新しく植えたきのみやぼんぐりがある。今はまだ小さな苗か、土を掘り返した跡しかない。来月どうなっているかも分からないし、全部枯れる可能性だってある。それでも、いくつか根づいてくれればいい。
「育つといいなぁ」
近くにいたロゼリアが、小さく鳴いた。
「お前らも気にしといてくれよ。水足りなそうだったら……って、そこまで頼むのは無理か」
「ロゼ」
「できる?」
返事の意味は分からない。でも、なんとなく任せてもいいような気がしてきた。
視線を動かす。
疲れて座り込んでいるリザード。その近くで横になっているリングマ。まだリザードを見ているラルトス。俺の椅子のすぐ近くにいるキルリア。
昼間とは違って、山も随分静かになっていた。
「……こういうのでいいんだよな」
別に毎回何か見つけなくてもいい。山へ来て、鍛えて、植えて、飯を食わせる。そうやって過ごしているうちに、勝手にできていくものもある。
「明日は何やるかなぁ」
「キル?」
「いや、明日の話。……お前らは休みでもいいか」
ラルトスが顔を上げる。
「お前は休め。特に」
「ラル!」
「元気な返事だけはするなぁ」
笑いながら、椅子の背へ身体を預けた。
今後の展開として伝説ポケモンのサイズどうしよっかなって思ってるんですよね〜
-
図鑑通りのサイズ
-
図鑑よりかなりデカくしてもいい