空を飛ぶ怪盗   作:兵庫人

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サイショ × ノ × デアイ(9)

「ルパンと次元大介? 一体いつの間に仲良くなったの?」

 

「別に仲良くなんかなってねぇよ」

 

「またまたそんなこと言っちゃって? 一緒にガルベス達とドンパチやった仲でしょう、俺達?」

 

「あれは成り行きだ」

 

 シズクの質問に即答する次元だったが、ルパンに言われて苦い顔となる。しかし実際、ガルベスの屋敷で銃撃戦を繰り広げたルパンと次元がどうして今一緒に行動しているのかはシズク以外の皆も気になっており、エックスがそのことを聞こうとルパンに話しかける。

 

「それでどうして二人は一緒になっているんです?」

 

「実はさぁ? 昨日お前達が先に逃げ出した後、ガルベスの野郎とその部下達ってば、憂さ晴らしでもするつもりだったのか俺に銃を向けてきたんだけどよ? あの時、次元がおたくのリーダーを気に入ったような発言をしていたから、幻影旅団を手引きした裏切り者だとか言い出して次元にまで銃を向けやがったのよ」

 

 言われてみれば確かに昨日、自分の部下になれと言ってきたガルベスにクロロが断った時、その時のクロロの言葉に次元が楽しそうに笑っていた気がする。しかしそれだけでせっかくボディーガードとして雇った次元を裏切り者扱いするとは、よっぽど昨日のウボォーギンとフィンクスの行動に腹を立てていたのだろう。

 

「そうなったらもう仕方がないってことで、俺と次元は協力してガルベス達を叩きのめして逃げ出して、それからは流れでこうして一緒にいるってわけ」

 

「お陰でせっかくの働き口がパーだぜ。しかも昨日のドンパチのせいであそこにいた銭形っていう警官にも目をつけられたし。ああいった奴はしつこいぜ?」

 

「よく言うぜ。次元があの銭形ってやつの帽子を銃で撃ち抜いたから目をつけられたんだろうが?」

 

「その前に銭形の足元に三発銃で撃って威嚇して、しかもそれで転んだ銭形を笑っていやがっただろうが?」

 

 昨日の出来事を説明するルパンに次元は愚痴を言い、その上昨日いた銭形警部に目をつけられてしまったと不満をこぼす。それに対してルパンは銭形警部に目をつけられたのは次元の行動のせいだと反論すると、次元もまたルパンが銭形警部に向かって発砲したことを指摘する。

 

 こうして軽口を叩きあっているルパンと次元は、とても先日殺し合っていたようには見えず、むしろ長年コンビを組んできたように見え、最初はルパン達を警戒していた幻影旅団のメンバーも警戒するのも馬鹿らしいという空気となっていた。

 

「……あの? それで今日は一体どんな用件で来たんですか?」

 

「ああ、そうだった。……あ〜、実は、さ? やっぱりお前達が持っているクラム・オブ・ヘルメス、譲ってくれない?」

 

「はあっ!? またかよ? こりねぇな、オイ?」

 

 エックスが今日ここに来た用件を聞くと、申し訳なさそうな表情をしたルパンが両手を合わせてクラム・オブ・ヘルメスを譲ってくれと言い、それを聞いたフィンクスが思わず声を上げ、次元が帽子を深く被って視線を逸らす。

 

「まぁ、普通そういう反応になるよな……」

 

「……ルパン。一体どうしてそこまでクラム・オブ・ヘルメスを求めるんだ? 怪盗としての意地みたいなものか?」

 

 クラム・オブ・ヘルメスを賭けた昨日の勝負は、クラム・オブ・ヘルメスを開く鍵である斬鉄剣を五右衛門が持っていってしまったため無効となっている。それなのに自分でも図々しいと分かっていながらクラム・オブ・ヘルメスを譲れと言う理由をクロロが聞くと、ルパンは言い辛そうに口を開く。

 

「怪盗としての意地ってのもあるにはあるが……今本当に欲しいのはクラム・オブ・ヘルメスじゃなくて例の男、石川五右衛門の方なんだよ……」

 

『『……………ハイ?』』

 

 予想もしなかったルパンの言葉に幻影旅団のメンバーは全員目を見開き、シズクがルパンを指差してエックスの方を見る。

 

「エックス? ルパンってもしかして同性愛「違う違う違う! 何てことを言い出すのかね、この娘っ子は!?」……?」

 

 シズクの言葉を大慌てで否定したルパンは、これ以上何かを言われる前に仕方なく本音を話すことにする。

 

「……実は俺、ずっと前から信頼できる仲間が二人か三人は欲しいなって思って探していたんだよ。俺の夢『連邦準備銀行』に盗みに行くためにな」

 

「連邦準備銀行……! 流石怪盗、随分と高い目標だね……?」

 

 ルパンの夢を聞いてシャルナークは思わず口元を引き攣らせる。

 

 連邦準備銀行とは世界中の銀行の監督と規制などの様々な業務だけでなく紙幣の発行も行うという銀行で、この世界の経済の中心地点と言っても過言ではない。その為か当然警備は世界トップクラスで、連邦準備銀行に盗みに入って成功したという例は一度もなかったりする。

 

「そうしてようやく見つけた一人目の仲間がここにいる次元」

 

「……ふん。俺はまだ仲間になったつもりはないがな」

 

 次元はルパンの言葉を鼻を鳴らして否定するが、ルパンはそれを軽く流して話を続ける。

 

「それで二人目の仲間……する予定なのが石川五右衛門なのさ。だけど五右衛門が今どこにいるのか皆目見当もつかねぇ。だから五右衛門を釣る『エサ』としてクラム・オブ・ヘルメスを譲ってほしいのさ」

 

 そこまで言ってルパンは懐から一枚の手紙を取り出した。

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