「いや〜、助かったぜ流星君。やっぱりいざって時に頼れるのは同じ怪盗の知り合いだぁね」
「お礼を言うのはまだ早いと思いますよ?」
エックスの手を取って空に逃げることに成功したルパンは笑みを浮かべて礼を言うのだが、エックスが背後から追って来ている武装ヘリを見ながら返事をすると、ルパンも武装ヘリの方を見て心から嫌そうな表情を浮かべる。
「あらら……。まだ追って来ているよ? あのオカマ、しつこ過ぎない?」
「……一応聞きますけど、貞千代達に追われている理由に心当たりあります?」
「惚けるなよ? あのオカマが俺を狙っているのも、流星君が俺を助けたのも、コレが目的なんだろ?」
エックスの質問にルパンは先程の安堵の笑みとは違う、好戦的な笑みを浮かべると懐から二つに分けられた大粒のダイヤモンド、トワイライトを取り出して見せる。
「なるほど。やっぱり貞千代達の目的もゲルト族の秘宝だったわけですね。……とにかくルパンさん? 悪いですけど、これから俺について来てもらいますよ。嫌だったらそのダイヤだけ、俺に渡してくれても構いませんよ?」
「バカやろー。これは俺が『ドルーネ』の爺さんから貰ったものなんだよ。そう簡単に渡せるかよ」
ルパンはそう言うとトワイライトを自分の懐に戻すのだが、エックスはそれどころではなく彼の口から出た人物の名前に顔を引き攣らせる。
「ドルーネ? 今ドルーネって言いました? あの、かつて『十老頭』の一人に数えられていた?」
十老頭とは六大陸十地区をナワバリにしている巨大なマフィアの長達によるマフィアンコミュニティで、全員で十人いることから十老頭と呼ばれ、裏社会の頂点に君臨している。そして今ルパンが言ったドルーネとは、十老頭の一人の先代を務めていた裏社会の実力者であり、今でも主にクカンユ王国のナワバリで強い影響力を持っていると言われていた。
「まさか秘宝の鍵の出所があのドルーネだったなんて……。何でクカンユ王国の影の支配者がゲルト族の秘宝の鍵なんか持っているんだ?」
「ああ、どうやらドルーネ爺さんってば若い頃、傭兵商売をしていたみたいでね。それでこの国に訪れたことがあって色々あったらしいぜ? ……まあ、詳しい話はアレを何とかしてからにしようや?」
「それもそうですね。……おっ? ちょうど来たようだ」
ルパンは貞千代達が乗っている武装ヘリを見て言い、エックスが同意して下を見るとそこにはララとシズクが運転するトラックの姿があった。
「あのトラックに乗りますよ、ルパンさん」
「うん? それは構わねぇけど……って、あれって次元じゃねぇか?」
エックスがルパンと一緒にトラックに荷台に降りるとそこには何故か次元がすでに乗っていて、次元はエックスとルパンの姿を見ると片手を上げて挨拶をしてきた。
「よお、怪盗流星。久しぶり」
「次元さん? どうしてこのトラックに?」
「いやな? 襲撃を受けてルパンと逸れた後、逃走用の車を拝借しようと適当な車を探していたらそこのシズクの嬢ちゃん達と出会ってな。せっかくだから乗せてもらったってわけだ」
エックスの質問に次元はトラックの運転席で運転をしているララと助手席のシズクを指差して答えるのだが、そうしているうちにも貞千代達が乗っている武装ヘリが迫って来て、ルパンは焦った声を出す。
「うわぁ、ヘリ来ちゃってるじゃない? やっぱりこんなトラックでヘリから逃げるのは無理だって。あのまま飛んでいた方が良かったんじゃないの?」
「あの状態で飛んでもスピードが出なくて結局逃げ切れませんよ。任せてください。……『
ルパンに答えてからエックスはトラックの車体に手を触れて念能力を発動する。するとトラックの車体に「
「きゃあああっ!? な、何!? 何なの、このスピード!?」
「落ち着いてください、ララさん! こっちからトラックを操作しますから、ハンドルやブレーキに触れないでください!」
突然猛スピードを出したトラックに悲鳴を上げるララにエックスが指示を出す。
今エックスが使用した念能力「
ルパンは車体から突然現れた「ターボマン」のジェットエンジンを見て感心したように言う。
「凄いな、こりゃ? どんな金庫も開けられる鍵に空を飛べる服、しかも乗り物に自由に取り付けられるジェットエンジン……。流星君ってば便利なもの持ち過ぎでしょ? まるで泥棒になるために生まれてきたような男だな?」
「……その言葉、前に仲間からも言われましたけど、褒めてます?」
「褒めているに決まっているでしょ? それで流星君? 俺達について来てほしいって言っていたけど、何処に連れて行くつもりなんだい?」
ジト目になって聞いてくるエックスにルパンは、軽い調子で答えるとこれから何処へ行くつもりなのかと聞く。
「団長達がいる場所ですよ。多分、そこにゲルト族の秘宝があるはずです」
エックスが向かっている先は、ゲルト族の秘宝を探しているクロロ達がいる場所であった。