空を飛ぶ怪盗   作:兵庫人

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ハックツ × ト × ケンコク(4)

「それじゃあ、今からゲルト族の秘宝を探すってことでいいかな? 結局秘宝が見つかっていなかったら取らぬナントカの皮算用でしかないんだし」

 

「ええ、そうね。……ルパン、トワイライトを」

 

 ルパンの言葉に頷いたララは首飾りからトワイライトを取り外し、ルパンの持っていたトワイライトを受け取ると、二つのトワイライトを組み合わせた。二つに分かれていたトワイライトが再び一つの宝石に戻った瞬間、トワイライトの輝きが増して、オーラを見ることが出来る者はトワイライトに宿っていたオーラが活性化したのが理解できた。

 

「あとはそのトワイライトをどうするか、なんだが……。そうだな、あの石像辺りが怪しいか?」

 

「ほぅ……?」

 

(いや、何で分かるんだよ、この人?)

 

 一つの宝石に戻ったトワイライトをどう使うか考えながら周囲を見回していたルパンは、大広間の中央にある巨大なトカゲの石像に目をつける。「凝」を使ってみると確かに石像のトカゲの額辺りにトワイライトに宿っているのと同じオーラが感じられ、不完全な念能力でオーラを見ることができないはずなのにトワイライトと同じオーラがする箇所に気づいたルパンに、ジンが感心したように呟きエックスが心の中で疑問の声を上げる。

 

「……あった。多分ここだ。ララ」

 

「分かったわ。……ええっ!?」

 

 ルパンがトカゲの石像を調べてみると額の辺りに何かをはめ込む穴があり、ルパンに言われてララがトワイライトを石像の穴にはめ込むとトカゲの石像が音を立ててせり上がり地下へと続く道が現れた。それを見てジンが納得したように頷く。

 

「なるほどな。特定のオーラを込めた物質を鍵にした隠し通路って訳か。これだと地下の空間も念で保護されているみたいだし、地下を掘り進んでゲルト族の秘宝を横から盗み出すなんてこともできそうにないな」

 

 それからエックス達は現れた地下への道を進んで行き、しばらく階段を降りて行くと上の大広間と同じくらい広い空間に辿り着いた。そしてそこにあったのは……。

 

「何、コレ……? 夜空?」

 

「ここ、地下よね?」

 

「キレイ……」

 

 地下の空間にあったのは無数の星々が輝く夜空で、それを見たマチとパクノダとシズクが口々に感想を呟く。

 

「いや、違う……これは星じゃない。……嘘だろ?」

 

「あ〜らら? こりゃあ、スゲェや?」

 

 やがて地下にある夜空の星々の正体に気づいたエックスとルパンが驚きの声を上げる。地下にある夜空の星々、その正体は無数の宝石でどれも大粒であり、トワイライトに匹敵する大きさと輝きの宝石も数多くあった。

 

「わぁ〜! ダイヤモンドの星空なんて素敵すぎじゃない!」

 

「これは驚いたな。確かにこれだったら数千億ジェニーの価値はあるわな?」

 

 地下に広がるダイヤモンドの夜空を見て不二子が目を輝かせて喜び、次元が感嘆の声を漏らす。ララ達ゲルト族も声が出ないといった様子でダイヤモンドの夜空を見上げている。

 

 このダイヤモンドの夜空は過去に滅んだゲルト族の王国の栄華の象徴であり、それを今の戦いを終わらせるためとは言え、自分達が手を出していいのかという考えがララ達ゲルト族の脳裏をよぎる。するとそんなララ達の考えを読んだのかジンが口を開く。

 

「あー……? ちょっといいか? 上でゲルト族の秘宝を奪うつもりはないと言ったがこの遺跡、俺に売ってくれないか?」

 

『『はいぃっ!?』』

 

 突然ゲルト族の秘宝を遺跡ごと売ってほしいと言い出したジンにこの場にいる全員が驚きの声を上げる。だがジンはそんな皆の反応なんて気にもせずに言葉を続ける。

 

「いや、だってよ? こんなに見事な遺跡なんて滅多にお目にかかれないんだぜ? それをたかが数千億ジェニーのためにぶっ壊すなんて勿体無いにもほどがあるだろ?」

 

「た、たかが数千億ジェニー……!? い、いえ、そうじゃなくて私達には新しいゲルト族の国を作るためのお金が……!」

 

「分かっているって。だから俺がこの遺跡を買うって言ったんじゃねぇか?」

 

 ジンの言葉にララは思わず反論しようとするが、それより先にジンが言ってララの反論を潰す。

 

「いやいや、ちょっと待てよジン? この遺跡を買うって、この遺跡は秘宝がある事が分かって数千億ジェニー以上の価値が出たんだぜ? それを買えるだけのお金持っているのかよ?」

 

「そうだな……。とりあえず、俺が今すぐに用意出来るのはこれくらいかな?」

 

 ルパンに言われてジンは自分の右手の人差し指と中指を立てて見せる。

 

「二兆ジェニー。それだけあれば足りるだろ?」

 

『『二兆ジェニー!?』』

 

 ジンが提示した金額にこの場にいる全員が再び驚きの声を上げる。

 

「ああ、そうだ二兆ジェニーでこの遺跡ごとゲルト族の秘宝を買う。買うと言っても悪いようにしないから安心してくれ。もちろんこの秘宝を見つけるのに手を貸してくれた幻影旅団やルパン達にもそれなりの金額を渡すから、それで納得してく「ジンちゃ〜〜〜ん!」……おっ?」

 

 ララ達だけでなく幻影旅団とルパン達にも交渉をしようとするジンに突然不二子が抱きつく。

 

「ジンちゃんってばお金持ちだったのね? 流石はハンター。お金を沢山持っているんだったら早く言ってよぉ?」

 

「ああ、それはすまなかったな。……それより早く準備をした方がいいんじゃないか?」

 

「? 準備って何をですか?」

 

 抱きつき甘えてくる不二子を軽くあしらいながらジンは幻影旅団とララ達ゲルト族に話しかけ、エックスが何の準備をするのかと聞くとジンは当然のように答える。

 

「決まっているだろ? このゲルト族の秘宝を狙っているチンピラ共、結社の奴らを叩きのめす準備だよ」

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