空を飛ぶ怪盗   作:兵庫人

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ハックツ × ト × ケンコク(5)

「随分と人が集まったね」

 

 エックス達がゲルト族の遺跡に隠されていたゲルト族の秘宝を見つけてから三日後。シズクは遺跡の大広間を見回して呟いた。

 

 ゲルト族の遺跡の大広間には大勢のゲルト族の者達が集まっていた。そしてゲルト族達の者達は皆、ゲルト族の秘宝を実際に目にして大いに驚いた後に新たな自分達の国を作れるかもという話を聞いており、その顔に希望の笑みを浮かべている。

 

「そうだな。これだったらジンさんの言う通り結社の人達が来ても何とかなるんじゃないか?」

 

 シズクの呟きに隣にいたエックスが頷き答える。

 

 ゲルト族の遺跡にゲルト族の者達を集めたのはジンの指示によるものであった。

 

 ジンが言うには、彼が情報を掴んだ以前からゲルト族の遺跡を調べていた謎の集団は結社の者達で、結社は例えジンが二兆ジェニーで遺跡を買っても遺跡を諦めたりはしないとのこと。それで結社が力づくで遺跡を奪いに来た時のために、結社に属していないゲルト族の者達を集めるようにララ達に指示を出したのである。

 

 ジンの読みによると結社は最初からゲルト族の秘宝が目当てで、ゲルト族とイゴ族の戦いなんてどうでもいいらしい。自ら率先してイゴ族に戦いを挑んだのは「自分達はゲルト族の未来のために行動している」と思わせるためのアピールで、ある程度自分達がイゴ族に対して優勢であると思わせたところでゲルト族の長老を初めとする上層部に「ゲルト族の勝利を確実なものにするために大きな資金が必要だ。そのためにゲルト族の秘宝を使わせてほしい」とでも言って、秘宝の在り方を聞き出すつもりだったというのがジンの予想だ。

 

 結社が流星街の住民を無理矢理にでもスカウトしたのは、ゲルト族の未来のためというアピールの他にイゴ族との戦いを有利に進めるためであり、ルパンを襲撃した貞千代達も結社の手下であるとジンは考えていた。

 

 そして例え結社が本当にゲルト族のためにイゴ族をコツロモ王国から追い出そうとしている者達でも……いいや、そんな者達だからこそ「新しい国を作るからこれ以上イゴ族と戦う必要はない」と言っても簡単に納得してくれるとは思えず、ゲルト族の者達を集めたのはそういった時に説得をするためでもあった。

 

「……だけどその肝心のジンはいやがらねぇ。散々色々言ってくれた上にあんな『イヤ〜な予想』まで出したってのに。本当に無責任な奴だねぇ? あ〜、ヤダヤダ」

 

 エックスとシズクの話に横からルパンが入ってきて愚痴を言う。

 

 ルパンの言う通り、ゲルト族の者達をこの遺跡に集めたジンは現在ここにはいない。ジンはララ達に指示を出した後、自分は色々準備があると言ってどこかへ行ってしまい、結社のことに関しては完全にエックス達に丸投げしたのである。

 

「ジンの奴、なぁ〜にが『お前達だったら結社の奴らくらい、どうとでもなるだろ?』……だよ? 馬鹿にしやがって」

 

「ああ……。あれは確かに俺達を信頼しているのか、本当にこれくらいどうにかなると思っているのか分かりませんでしたね」

 

 ルパンはジンがここから出て行く時に言った言葉を思い出して不機嫌そうな顔になり、エックスも上手くジンを擁護できず苦笑いを浮かべる。実際、ジンがあのセリフを言った時はルパン以外の面々も多少なりの苛立ちを感じ、特に幻影旅団のメンバーの数人は明らかな怒りを見せていた。

 

『『……………!』』

 

 エックスとルパンがジンについて話していると、大広間の入り口からざわめきが生じ、何事かと入り口の方を見ると仮面をつけた一団が大広間に入ってきていた。

 

「何だ、アイツら?」

 

「あれは結社の人達だわ」

 

 ルパンが仮面をつけた一団を見て首を傾げていると、近くに来ていたララが仮面の一団を見てそう言った。ゲルト族の者達は緊張した様子で仮面の一団、結社の者達を見ており、結社の者達は慣れない様子で周囲を見回しながら大広間の中を歩き、やがて一人の人物を見つけた。

 

「あれ? そこにいるのはクロロじゃないか?」

 

 結社の者達が見つけた人物とはクロロであり、結社の一人がクロロに話しかける。

 

「何? 俺を知っているってことは……お前達、流星街の奴らか?」

 

「ああ、そうだよ。もしかしてお前達もゲルト族になりにきたのか?」

 

『『……………』』

 

 突然名前を呼ばれたクロロが結社の者達、流星街の住人に聞くと流星街の住人達は頷き、それを見てエックスだけでなく幻影旅団の他のメンバーにルパン達は何か嫌な予感を感じ、それと同時に先日ジンが言っていた言葉を思い出す。そしてそれはクロロも同様で、クロロは少し考えてから流星街の住人達に質問をする。

 

「……一つ聞くが、ここに来ているのは流星街の者達だけか?」

 

「え? そう言えばそうだな。首領とその側近の人達は、ゲルト族の族長との話し合いの準備をするから遅れると言って……………っ!?」

 

 流星街の住民がそこまで言った時、ゲルト族の遺跡が大きく揺れた。それは地震ではなく明らかに外からの砲撃によるものであった。

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