遺跡の外に出るとそこにいたのは、遺跡を包囲している流星街の住民達と同じ格好をした集団、結社の者達であった。結社の者達は全員銃などの武器で武装しており、いつでもこちらを攻撃してきそうな雰囲気を纏っていた。
「首領……!? これは一体どう言うことですか?」
「ガル! いきなり攻撃を仕掛けだなんて何を考えているの!?」
流星街の住民の一人とララが結社の首領、ゲルト族の長老の息子であるガルを見つけて呼びかけるが、ガルはそれらを無視して自分の要求をこの場にいる者達に告げる。
「ゲルト族の秘宝を見つけてくれてご苦労だったな! その秘宝は全て我々が貰い受ける!」
ガルがそう言うと彼の周りにいる結社の者達が銃を構え、それはこの場に集まった全てのゲルト族を力づくで排除してゲルト族の秘宝を奪い取るという、この上ない意思表示であった。
「待ってください首領! 何故そのような「やめておけ」……クロロ?」
今にもこちらへの攻撃命令を出してきそうなガルを流星街の住民が止めようとするがそれをクロロが止める。
「どうやらジンが言っていた最悪の予想が当たってしまったようだな。……アイツらはゲルト族ではない、ゲルト族の名を騙った偽者だ」
『『……………!?』』
クロロの言葉に流星街の住民達だけでなくララを初めとするゲルト族の者達が驚いた顔となる。そしてそんな彼らの顔を見てエックスとルパン達は先日ジンが言っていた言葉を思い出す。
『ああ、そうだ。最悪の展開としておの結社の連中が全員ゲルトの偽者であることも考えておけよ? はぁ? 何でそんなことを言うかだって? その結社のガルって奴は元々イゴ族との戦いを望んでいない穏健派だったのに、クカンユ王国に留学したら好戦派に鞍替えして結社とかいうイカレ集団を結成したんだぜ? 色々と怪しいだろうが? そもそも主義が変わるのはともかく、結社を結成するための人と金を、当時まだ族長の息子でしかないガルはどうやって集めた? だったらガルが結社を結成した言うより、人も金も持っている別人がガルの名前を名乗っていると考えた方が自然だ』
ジンの予想は言われてみればあまりにも自然で、そう考えれば今までの結社の行動の全てに辻褄が合う。そしてジンの予想にはまだ続きがあった。
『それで結社の奴らが全員ゲルト族の偽者だった場合、戦いは避けられないだろうな。奴らゲルト族を騙る理由はまず間違いなくゲルト族の秘宝で、それを手に入れるためにはゲルト族は邪魔者でしかなく、何としても排除したいだろうぜ」
「ははっ! そこまで分かっているとはな? ……その通り! 我々はゲルト族ではなく、私もガルではない!」
クロロにゲルト族の偽者と言われてもガル……いや、結社の首領は狼狽えることなく、むしろ自分から自分達がゲルト族の名前を騙った偽者であることを認めるのであった。
「そんな……!? それじゃあ、本当のガルはどうしたの?」
「ガルはもういないよ。彼はゲルト族の秘宝を信じていなかったが、私は彼の話を聞いてこの地に秘宝があると確信した。本当にガルには感謝してもしきれないよ!」
「なんて事を……!」
「そ、それじゃあ、俺達は何のために集められたんだ!? 俺達をゲルト族として受け入れてくれたんじゃないのか!?」
本当のガルがもうこの世にいないという事実にララに愕然となり、流星街の住民の一人が声を上げるが結社の首領はその言葉を鼻で笑う。
「ふん! お前達なんぞゲルト族の信用を得るためにイゴ族と戦う必要があったので、その為の捨て駒に過ぎん!」
『『………!』』
ここにいる流星街の住民達は結社に強引に連れてこられたが、それでもゲルト族の受け入れてもらえると信じて戦ってきた。しかし結社の言葉が全て嘘偽りで、自分達がただの捨て駒に過ぎないと言い切られたことに流星街の住民達は絶望して地に膝をつく。
「そもそもお前達のような世界から見捨てられた流星街の人間を受け入れる場所などあるものか! 身の程をし……!?」
バァン!
絶望する流星街の住民に結社の首領が更なる言葉を浴びせようとした時、一発の銃弾が結社の首領の言葉を遮る。
「黙りなさい! 彼らは私達ゲルト族のために集まってくれた私達の新しい仲間よ! それを侮辱することは許さないわ!」
銃を撃って結社の首領の言葉を遮ったのはララであり、彼女の言葉に流星街の住民達は驚きと共に確かな喜びを感じた。
「この女! 綺麗ごとを「言うじゃねぇか、姉ちゃん! アンタ、いい女だぜ!」……何?」
結社の首領が怒りのあまりララに何かを言おうとしたその時、いつの間にか首領の近くまで来ていたウボォーギンが突撃を開始するのであった。