「な、何者だ貴様!? おい、お前ら! 首領を守「邪魔だぁっ!」ぐはぁ!?」
「ひ、ひいぃ!」
結社の者達が突然現れたウボォーギンから結社の首領を守ろうとするのだが、ウボォーギンは念で強化したパンチ一発で結社の者達数人を吹き飛ばしてしまう。しかしその隙に首領は何とかウボォーギンから逃れることに成功する。
「何なのだ貴様は!? 一体どこから現れたんだ!?」
「おおっと、ここにいるのはウボォーだけじゃないぜ?」
「……ふん。数だけはいやがる」
「こんな雑魚、いくら数がいたって大したことねぇよ」
「フィンクスの言う通りね。ささと終わらせるよ」
結社の首領の悲鳴のような声に何者かが答えたかと思ったら新たに数人の男達、ノブナガとフランクリン、フィンクスにフェイタンが現れて、彼らは結社の者達に攻撃を仕掛ける。ウボォーギン達五人は結社の者達を次々と一撃で倒していき、その光景を見ていたシャルナークが笑う。
「ははっ! あの首領慌ててる。ジンの言う通り、襲撃に備えていて良かったね、団長?」
「そうだな」
「でもジンの奴、どうしてあの『隠し通路』のことを知っていたんだろうね? ゲルト族の皆も知らなかったのに」
シャルナークの言葉にクロロが頷くとマチが疑問を口にする。
このゲルト族の遺跡は元々はゲルト族の王宮で緊急避難用の隠し通路があり、ウボォーギン達五人が結社に気づかれずに接近できたのもその隠し通路を使ったからであった。この百年の間で当のゲルト族ですらも存在を忘れていた隠し通路であったが、結社との戦いを想定していたジンによって発見され、こうして再び利用できるようになったのである。
「ジンが言うにはこういう偉い人間が住んでいた場所には必ず隠し通路か隠し部屋が一つはあるらしい。とにかく向こうの方もそろそろ終わりそうだな。……このままいけば」
マチの疑問に答えるクロロの先ではウボォーギン達の戦いはもう終わろうとしていた。残っている敵は結社の首領と二人の部下だけで、その首領と部下をウボォーギン達五人が取り囲んでいる。
「さぁて? 残っているのはお前さん達だけだぜ?」
「くぅう……! な、何故こんなことに………ん?」
ウボォーギンが結社の首領達に言葉を言い放った直後、ウボォーギン達の頭上に武装ヘリが現れ、エックスはその武装ヘリに見覚えがあった。
「あれは貞千代の……!」
「あのオカマ暗殺者、しょうこりもなく出てきやがったな」
エックスの言葉に先日武装ヘリで追いかけ回されたルパンが苦い顔をする。
「どうするんだ? アイツらまで出てきたら少し厄介だぜ?」
「そうね。その貞千代って人、不完全だけど念能力者なんでしょ? ウボォー達が負けるとは思わないけど、戦っている隙に首領が逃げてしまうんじゃない?」
貞千代が現れたのを見て次元とパクノダが不安を口にするが、クロロは一切心配しておらず首を横に振って二人に答える。
「いいや、大丈夫だ。あの男については手を打ってある。……というか『向こう』の方から協力を願い出てくれた」
「向こう? それって一体……えっ?」
クロロの言葉にエックスが首を傾げて尋ねようとしたその時、突然貞千代が乗っている武装ヘリが真っ二つに斬れて地面に墜落し、危うく丁度真下にいた結社の首領を下敷きにするところであった。
「はぁ……! はぁ……! な、何でいきなりヘリが堕ちる!? 私を殺す気か、貞千代!」
「知らないわよ! こっちだって好きで墜落したんじゃないわよ!」
間一髪墜落した武装ヘリの下敷きを免れた結社の首領が、こちらも間一髪墜落した武装ヘリから脱出した貞千代に抗議する。絶体絶命の状況に援軍が来て助かったと思った瞬間に更なる命の危険が迫ってきたのだから首領が文句を言いたくなるのも分かるのだが、貞千代の方も危うく死ぬところだったので反論する。
「大体一体どうしてヘリが墜落を……?」
貞千代がそこまで言った時、墜落した武装ヘリのすぐ近くに一人の男が立っていることに気づく。その男は貞千代がよく知る人物で、貞千代の表情が困惑から驚愕のものへと変わる。
「あ、アンタ……五右衛門!? どうしてここに……!」
「知れたこと。貴様を斬るため。……同門の恥、覚悟!」
狼狽える貞千代に五右衛門が斬りかかる。そのまま五右衛門と貞千代の達人同士の戦いが始めるのだが、それ以外の戦いはもう終わったのも同然であった。
「五右衛門もやっぱりそうだが、あの貞千代って奴もスゲェ腕前だ。……クソ、俺もあの戦いに混ざりたかったぜ」
「やめとけよ。一対一のケンカに割ってはいるなんてダセェだけだぜ? それよりも今はコイツを捕まえるのが先だ」
五右衛門と貞千代の戦いを見て剣士として血が騒ぐノブナガにウボォーギンはそう言うと結社の首領の方を見る。結社の首領は腰が抜けているのか立てない様子で、残っていた二人の部下はフィンクスとフェイタンに無力化され、貞千代の部下達も半数は先程のヘリの墜落で死亡して残っていたのはフランクリンによって撃ち倒された。
もはや結社の首領を守る者はどこにもおらず、首領はウボォーギン達によって捕えられるのであった。