「首狩り将軍を倒す鍵だぁ? どういうことだ? 将軍っつてもただの人間なんだろ? だったら普通にぶっ飛ばしたらすむ話じゃないのか?」
「それとも俺達の力じゃあ、大勢の軍隊に守られているから首狩り将軍には手を出せないと思っているのか?」
パニシュの言葉にウボォーギンが首を傾げ、フィンクスが自分達の力を侮っているのかと聞くとパニシュの部下の一人が慌てて否定する。
「と、とんでもない! 幻影旅団の実力は流星街の人達からもよく聞いています。……しかしあの男、『不死身』の首狩り将軍は単なる力だけでは通用しない……そんな不気味さがあるのです」
「不死身? 首狩りの他にも異名を持っているんですか?」
「そうだ。このアイジエン大陸は領土的野心の強い大国、カキン王国があるせいかどの国も隙あらば他国の領土を奪おうとし、ズフ国はこれまでに何度も他国と小競り合いを続けてきた。首狩り将軍はクーデターを起こすまでは常にそれらの戦いの最前線に立ち戦っていたのだが、何度か命に関わる大怪我を負ったのにそれでも生きていたという報告があって、その事から不死身という異名がついたのだ」
エックスの疑問にパニシュが頷き答えるが、エックスは何故そこまでパニシュとその部下が首狩り将軍を不気味に思っているのか理解できなかった。
「それは……確かに凄いことだと思いますけど、単にその首狩り将軍が常人離れした体力と頑丈な身体を持っていただけでは?」
「それもあるかもしれない……。だが戦場からの報告書には敵の砲弾の直撃を受けて腕が吹き飛ばされたり、狙撃で胸に大穴を空けられたりしたのだが、翌日にはそれらの傷が最初からなかったかのように完治していたというものが一件や二件の話ではなく何十件と上がっていた。私達にはこれがただ首狩り将軍の身体が優れていたり、影武者を使っていたという風には思えないんだ」
「まあ、それは確かに変ですね……」
「……」
エックスはパニシュの話を聞いてそう返事をするとある可能性を思いつき、クロロの方を見れば彼もエックスと同じ考えに至ったのか小さく頷いてみせた。
エックスとクロロが考えたのは、首狩り将軍が念能力者という可能性であった。
一度瀕死の重傷を負っても次の日には全快している。それが自分が死んだ時に自分の身体を修復して蘇生する念能力だとしたら、特質系よりの具現化系能力だったら念能力の発現に難易度の高い条件を課せば十分可能で、パニシュ達がただの力押しでは首狩り将軍に通用しないと感じるのは正しいと言えた。
「首狩り将軍がクーデターを起こす数ヶ月前、父上はもし首狩り将軍が我らに牙を向いたら軍艦島に向かえと私に言った。そこにはズフの財宝と首狩り将軍を止める手段があると」
『『財宝?』』
パニシュの言葉に幻影旅団のメンバーの数人が反応するが、彼らが興味を持ったのは首狩り将軍を止めるための手段ではなく財宝の部分であった。そんな自分の部下達を見てクロロは肩をすくめた後にパニシュの方を見る。
「とにかく、その軍艦島とやらが捕えられた流星街の住民を含めた囚人が送られている場所らしいな。そして俺達は流星街の住民と財宝が目当てで、パニシュ達は首狩り将軍を止める方法が目当てで軍艦島を目指す。……それでいいか?」
クロロがそう言うとエックスを初めとする幻影旅団のメンバーもパニシュ達も異論はないようで頷き、これからどうやって軍艦島に忍び込むか話し合おうとしたのだが、そこに聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「面白いそうな話をしているじゃないの? ちょっと俺達も混ぜてくれない?」
突然聞こえてきた声にその場にいる全員が声が聞こえてきた方を見ると、そこにはルパンと次元に五右衛門のエックス達もよく知る三人の姿があった。