「ルパンさん、次元さん、五右衛門さん? どうして三人がここに?」
「どうしてって、それはコッチの台詞だぜ? 俺達はただ『お仕事』でこの国にやって来たんだが、仕事の準備をしている最中に何やら怪しい奴らが団体でズフ国にやって来たって情報をキャッチしてな。もし同業者だったらたまったもんじゃないから顔を見に来てみればオタクら幻影旅団だったもんで、驚いたちまったぜ?」
突然現れたルパン達にエックスが思わず何故ここにいるのかと聞くと、ルパンは肩をすくめてそう答えてみせた。最初は首狩り将軍の手下でもやって来たのかと警戒心を最大にしていた幻影旅団のメンバーは相手がルパン達だと分かると警戒心を解くが、ルパン達のことを知らないパニシュは戸惑いながらエックス達に質問をする。
「あの……彼らは一体何者なんだ? 貴方達の知り合いなのか?」
「そう言えば見ない顔がいくつもあるな? オタクらこそ何者だい?」
「ああ、そうか……。ちょっと待ってください、今紹介しますから。ルパンさん、彼らはパニシュさんとその部下の人達で、パニシュさんは二年前のクーデターで処刑されたことになっているこのズフ国の王太子です。それでパニシュさん、彼らは怪盗のルパン三世さんと次元大介さん、そして石川五右衛門さん。二年くらい前に仕事で知り合った盗賊の世界の知り合いです」
エックスがパニシュとルパンに互いの名前と素性を簡単に説明すると、パニシュは驚いた顔となってルパンを見て、対してルパンは興味深そうな視線をパニシュに向ける。
「ルパン三世……。そう言えばそのような名前の怪盗が世界中で活動しているという話を聞いたことがあるな」
「これは驚いたぜ。まさか死んだはずの王太子が生きていて流星街に逃げていたとはな。なるほど、それで流星街で出会った幻影旅団の皆様に自分の国を取り戻す手伝いをしてくれって泣きついたわけか」
そこまで言うとルパンはクロロの方を見て苦笑を浮かべる。
「そんでもってクロロ達は、ズフ国で捕まっている流星街の人間を助けるためにパニシュの依頼を引き受けたっと……。相変わらず人が良いと言うか真面目だねぇ?」
「お前も見習ったらどうだ、ルパン?」
「拙者も同感でござる。お主はもう少し真面目に生きても良いと思うぞ?」
「うるへー!」
クロロに話しかけたルパンは、話を聞いていた次元と五右衛門の言葉に大声を上げて反論し、その様子を見てクロロは小さく笑って口を開く。
「フッ……。それでルパンさん達の狙いはやっぱり軍艦島にあるズフ国の財宝ですか?」
「まぁな。財宝はもちろんだけど『ナノマシン』にも興味があるからな」
「ナノマシン?」
クロロの質問に答えるルパンであったが、ルパンの言葉の中に聞き覚えのない単語があることに気づいたエックスが首を傾げる。
「おろ? ナノマシンのことは知らなかったか? まぁ、いいか。ナノマシンってのは簡単に言うとナノサイズ……メチャクチャ小さな機械のことで色々な使い方があって、ズフ国は元々医療目的で開発していたらしいな。それでもしあったら色々と便利だったり面白いかと思って、ズフ国の財宝と一緒に手に入れることにしたってわけ」
「ふぅん……? そうですか」
ナノマシンの説明をしたルパンであったが、ナノマシンとズフ国の財宝目当てで来たというルパンの言葉に、エックスを初めとする幻影旅団のメンバーはどこか納得がいかない表情をしていた。
「……オイ? どう思う?」
「う〜ん……? 財宝もナノマシンも欲しいのは本当っぽいけど、それだけが狙いかって言われると微妙だよね?」
「ルパンのことだから、それ以外にも狙いがあっても不思議じゃないしね」
ウボォーギンが聞くとシャルナークが微妙な顔となって返事をして、それにマチが同意する。
「ていうかルパンの奴、財宝がメインでナノマシンとかがオマケみたいに言ってるけどよ、本当に欲しいのはナノマシンの方なんじゃねぇか?」
「あり得るね。ルパンが盗みの本命を誤魔化すのはいつものことよ」
「そうね。普段はともかく、盗みに関しては誰にも本心を見せないのがルパンだからね」
「それ以前にルパンって本当に自分の意思で今回の盗みを決めたのかな?」
ウボォーギン達に続いてフィンクスとフェイタンとパクノダがルパンの言葉を疑っていると、シズクが根本的なところからルパンの行動を疑う。
「ほら、ルパンってよく不二子姉さんに色々おねだりされて盗みをすることがあるでしょ? 今回もそれだけど素直に言ったら格好がつかないし、次元さんと五右衛門さんに怒られるから自分から盗むことにしたように言っていたとか?」
『『ああ〜……!』』
シズクの予想はまさにルパンだったらあり得るものであり、彼女の予想を聞いたエックスを初めとする幻影旅団のメンバーは納得したような声を上げる。そして当のルパンはと言うと……。
「ぐぬぬぬぬ……!」
「はははっ! 完全に読まれているじゃねぇかよ、ルパン!」
「ルパンは分かりやすい男でござるからな」
どうやらシズクの予想は見事に当たっていたようで、ルパンは顔を赤くして唸り、次元と五右衛門はそんなルパンを見て大声で笑ったり呆れたりしていた。そして皆の視線を受けたルパンはやがて観念したように両手を上げて白状する。
「わーったよ! 降参だ、降参。確かにシズクの嬢ちゃんの言うように、不二子ちゃんにナノマシンをおねだりされたんだよ。さっきも言ったようにナノマシンって医療用に開発されたもので、使った相手の若さを保つ使い方もあるってことを不二子ちゃんってば、どこからか聞いたらしくて……。でも仕方ねぇだろ? 不二子ちゃんみたいないい女がいつまでも若くいられるんだったら、ナノマシンが欲しくなるだろ?」
ルパンの仕事の動機を聞いたエックス達は、全員呆れ果てたという雰囲気となり、それを感じ取ったルパンは誤魔化すように一つ咳払いをしてからエックス達に話しかける。
「……んん! ま、まあ、とにかく! 俺達も軍艦島に用があって目的は一緒ってわけだ。だからここは一つ、俺達も仲間に入れてくれないか? 足手まといにはならないからよ?」