空を飛ぶ怪盗   作:兵庫人

49 / 49
イッショニ × クニヲ × トッテ(9)

「な、何だコリャ? ……って、おお!?」

 

 突然床や壁から生えてきた紐状のなにかを見てルパンがそう言った時、紐状のなにかの先端からエックスやルパン達に向けて赤い光が放たれた。赤い光はエックス達の目や指などを照らすだけで特に害があるように思えないが、エックス達は何か嫌な予感がしてそれはすぐに的中することになった。

 

「……っ!? 団長、これって……!」

 

「ああ、これはマズいぞ」

 

 先程から周囲から感じられていたオーラが急に強まったことに気づいたエックスがクロロに話しかけると、クロロもオーラが強まったことに気づいており周囲を油断なく見回しながら頷いた。このオーラの強まりは普通ではなく、まるでこれから敵に攻撃を仕掛けるために「練」でオーラを増強しているように感じられ、そしてこの場合の敵と言うのは……。

 

「……っ!? オイ! 急に形が変わったぞ!」

 

「来るぞ!」

 

 次元の見ている前で紐状のなにかが先端を凶悪な刃に変形させたかと思うと一斉に飛び掛かってきて五右衛門が皆に声をかける。エックス達は凶悪な刃を生やした紐状のなにかの攻撃を避けるが、そうしている間にも床や壁から新たな紐状のなにかが次々と生えてくる。

 

「アブね!? これが軍艦島の警備システムって奴か?」

 

「こんなのってアリかよ!? 次から次へと襲ってきやがる!」

 

「いくら斬ってもキリがない……! これが例の『なのましん』とやらの力なのか?」

 

 ルパンと次元が紐状のなにか……軍艦島の警備システムの攻撃を避け、五右衛門が斬鉄剣で警備システムの刃を斬りながら言うと、エックスが五右衛門の言葉を否定する。

 

「いえ! これは警備システムでしょうけど、ナノマシンではないです」

 

「そうだ。これは……念能力での攻撃だ」

 

 エックスとクロロはこの紐状のなにかに宿っているオーラを見て、これがナノマシンの機能ではなく念能力であると判断する。

 

「念能力だぁ!? 念能力ってお前達が使うあの便利能力だよな? これが念能力だったら使っているのは誰だよ!?」

 

「……恐らく念能力を使った奴はここにはいないでしょうね」

 

「俺もエックスと同じ意見だ。恐らくこの建物……いいや、この軍艦島そのものが警備システムそのもので、特定の人物以外が建物に入ったら自動に攻撃するようにオーラと一緒に命令を入力していたんでしょうね」

 

「何だよそれ!? 念能力ってのはそんなこともできるのか?」

 

「念とは奥が深いものでござるな……」

 

 ルパンの質問にエックスとクロロが警備システムの攻撃を避けながら答えると、次元と五右衛門が驚いたような感心したような顔となって呟く。そしてその間にも警備システムは、新たな紐状のなにかを床や壁から生やして攻撃の回数を増やしていく。

 

「これはちょっと……かなりマズい! 皆、ここは一旦逃げません!」

 

「何ぃ!? このルパン様がお宝を手にせず逃げるなんて……おわぁ!?」

 

 増え続ける紐状のなにかによって通路が埋まりつつある状況を見て撤退を提案するエックスにルパンが反論しようとした瞬間、紐状のなにの一本がルパンの尻を掠めズボンを引き裂いた。それによりもう少しで尻が縦ではなく横に割れそうになったルパンは前言を撤回する。

 

「て、撤退! 撤退〜! 流星君、お願〜い!」

 

「分かりました! 『勢い良く飛ぶ者(ブラストマン)』!」

 

 ルパンの言葉に頷いたエックスが念能力でジェットスーツの姿に変身すると、クロロとルパン達はエックスの近くに集まって彼の身体を掴む。全員が自分に掴まったのを確認したエックスは彼らごと高速で飛んで来た道を戻り、その途中で建物の崩壊によって生じた天井の穴を見つけるとそこから建物の外へ脱出するのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

天堕とし(作者:心ここにあらず)(原作:ONE PIECE)

世界で最も美しい女帝――ボア・ハンコック。その心の奥底には、誰にも語ることのない”初恋”と”約束”が眠っていた。天竜人に囚われた幼き日、一人の少年との出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。▼


総合評価:838/評価:7.88/連載:10話/更新日時:2026年07月28日(火) 10:37 小説情報

僕のヒーローアカデミア A Little Extra(作者:ジョン堂)(原作:僕のヒーローアカデミア)

 日本に生きるごく普通の一般人だった男は、唐突に【個性】が存在する世界へ転生する。▼ 原作に登場するキャラ達、事件の数々、襲い来る敵、物語の中心『雄英高校』での試練……。▼ 転生主人公が、薄い原作知識とチート【個性】をもって、どうあがいていくか……。▼ これは、そんなよくある話――▼※注意※▼ 拙作・愚作・凡作・駄作、ご注意されたし。▼ 何卒寛容な心をもって…


総合評価:702/評価:7.33/連載:29話/更新日時:2026年08月18日(火) 17:30 小説情報

~転生したら奈良シカマルの双子の兄でした~(作者:ZAZAI)(原作:NARUTO)

奈良シカマルの双子の兄・カゲマルとして転生した主人公。アカデミーで仲間との絆を育みながら、未来を変えるため忍として歩み始める。


総合評価:1450/評価:7.47/連載:20話/更新日時:2026年08月11日(火) 22:03 小説情報

念能力者になってよ!(作者:メガシャキ)(原作:HUNTER×HUNTER)

原作開始前にモブに憑依してしまった男が、某魔法少女アニメの害獣みたいなことをする話


総合評価:1178/評価:6.89/連載:17話/更新日時:2026年06月04日(木) 04:46 小説情報

第四の壁を越えて(作者:タカリ)(原作:HUNTER×HUNTER)

死んだと思ったらハンターハンターの世界に転生した。ゴンの兄だった。▼原作にガッツリ関わる立場になっちゃったけど、別に自重しなくていいよね?


総合評価:7567/評価:7.72/連載:66話/更新日時:2026年05月27日(水) 12:25 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>