「な、何だコリャ? ……って、おお!?」
突然床や壁から生えてきた紐状のなにかを見てルパンがそう言った時、紐状のなにかの先端からエックスやルパン達に向けて赤い光が放たれた。赤い光はエックス達の目や指などを照らすだけで特に害があるように思えないが、エックス達は何か嫌な予感がしてそれはすぐに的中することになった。
「……っ!? 団長、これって……!」
「ああ、これはマズいぞ」
先程から周囲から感じられていたオーラが急に強まったことに気づいたエックスがクロロに話しかけると、クロロもオーラが強まったことに気づいており周囲を油断なく見回しながら頷いた。このオーラの強まりは普通ではなく、まるでこれから敵に攻撃を仕掛けるために「練」でオーラを増強しているように感じられ、そしてこの場合の敵と言うのは……。
「……っ!? オイ! 急に形が変わったぞ!」
「来るぞ!」
次元の見ている前で紐状のなにかが先端を凶悪な刃に変形させたかと思うと一斉に飛び掛かってきて五右衛門が皆に声をかける。エックス達は凶悪な刃を生やした紐状のなにかの攻撃を避けるが、そうしている間にも床や壁から新たな紐状のなにかが次々と生えてくる。
「アブね!? これが軍艦島の警備システムって奴か?」
「こんなのってアリかよ!? 次から次へと襲ってきやがる!」
「いくら斬ってもキリがない……! これが例の『なのましん』とやらの力なのか?」
ルパンと次元が紐状のなにか……軍艦島の警備システムの攻撃を避け、五右衛門が斬鉄剣で警備システムの刃を斬りながら言うと、エックスが五右衛門の言葉を否定する。
「いえ! これは警備システムでしょうけど、ナノマシンではないです」
「そうだ。これは……念能力での攻撃だ」
エックスとクロロはこの紐状のなにかに宿っているオーラを見て、これがナノマシンの機能ではなく念能力であると判断する。
「念能力だぁ!? 念能力ってお前達が使うあの便利能力だよな? これが念能力だったら使っているのは誰だよ!?」
「……恐らく念能力を使った奴はここにはいないでしょうね」
「俺もエックスと同じ意見だ。恐らくこの建物……いいや、この軍艦島そのものが警備システムそのもので、特定の人物以外が建物に入ったら自動に攻撃するようにオーラと一緒に命令を入力していたんでしょうね」
「何だよそれ!? 念能力ってのはそんなこともできるのか?」
「念とは奥が深いものでござるな……」
ルパンの質問にエックスとクロロが警備システムの攻撃を避けながら答えると、次元と五右衛門が驚いたような感心したような顔となって呟く。そしてその間にも警備システムは、新たな紐状のなにかを床や壁から生やして攻撃の回数を増やしていく。
「これはちょっと……かなりマズい! 皆、ここは一旦逃げません!」
「何ぃ!? このルパン様がお宝を手にせず逃げるなんて……おわぁ!?」
増え続ける紐状のなにかによって通路が埋まりつつある状況を見て撤退を提案するエックスにルパンが反論しようとした瞬間、紐状のなにの一本がルパンの尻を掠めズボンを引き裂いた。それによりもう少しで尻が縦ではなく横に割れそうになったルパンは前言を撤回する。
「て、撤退! 撤退〜! 流星君、お願〜い!」
「分かりました! 『
ルパンの言葉に頷いたエックスが念能力でジェットスーツの姿に変身すると、クロロとルパン達はエックスの近くに集まって彼の身体を掴む。全員が自分に掴まったのを確認したエックスは彼らごと高速で飛んで来た道を戻り、その途中で建物の崩壊によって生じた天井の穴を見つけるとそこから建物の外へ脱出するのであった。