スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
まるで富士山麓と浅間山の変異に呼応するかの様に関東の空に立ち込める暗雲。
富士山山頂の界震観測所の観測ではその雲は関東一帯を覆う程の大きさになるらしい。
だが、その予報に反し、翌日の天気は雲こそ多かったものの晴れとなる。
予定通り関東最大のバルーンフェスタが開催される運びとなり、
護達もその会場に来訪して気球に分乗して空の散歩へと洒落込む事になる。
しかし地上で順番待ちをしていた護のゾンダー感知能力が反応する。
直ちにGGG基地にポケベルで連絡を入れるが、上空の雲はその間にも成長をし続けていた。
気球に搭載されている観測装置のデータを分析していた猿頭寺オペレーターの解析により
雲の正体は空中浮遊型の雲形ゾンダー、EI-09の擬態である事が判明した。
「麗雄博士。もしかして…」「あぁ。もしかしなくてもやり方としてはEI-06と同じじゃよ」
比較的気化しやすく火が付きやすいガソリン等よりもさらに火が付きやすい酸素を選ぶその方法は
タンクローリーやタンカーと言った物理的な入れ物を雲という不定形な空飛ぶ巨大な容器へと換えただけだ。
「ちっ。マッチ一本火事の元なんて優しいもんじゃねぇな。下手に攻撃したら中の人質は全滅だぜ」
火麻参謀が中に取り込まれてしまった複数の気球の乗員達の心配をする。
それだけではない。もし中の酸素濃度が高まり続ければ、それだけで猛毒と成り得るのだ。
「時間が無い。空を飛べるガイガーに先行して貰い、中に突入して人質を救出しなければいけない様だ」
かくしてエンジンを切ったステルスガオーをグライダーの如く操りながら中に乗り込んだ
ガイガーの中で凱が見たのは、不気味な数多の三角錐の入れ物の様な物が並ぶ異様な光景だった。
「何だコレは。まるで植物の種みたいにも見えるぞ?」首を傾げつつも人質達を救出する。
空に浮かぶ事にその能力をつぎ込んだせいなのか抵抗する事も無く浮き続けるゾンダーに対し、
ディバイデングドライバーで核のみを隔離しガオガイガーで確保。
落ち始めたその巨体をイレイザーヘッドで消しさったのだった。
「フン。流石に欲張り過ぎたか。後少しでゾンダー胞子をバラ撒ける所までは行ったのだがな」
苦々し気に少し離れた地上の森の木に鳥の如く止まっていた鳥頭のピッツァが呟いた。
お天気お姉さんを素体にした今回のゾンダーは実に効率よく育ってくれたものの、
比較的簡単に中に侵入されるという防御力に関してはほぼ紙であった事が彼の最大の敗因であった。
『ンモー。』…おっかしぃのぅ。火の用心しとった心算だったんじゃが、結果的には駄目だった件。
小さなガスコンロの火でも駄目とか聴いておらんがな。朝のコーヒーの一杯も満足に飲ませてくれんとは。
ポン。とその小さな肩を労わる様に叩く半透明の白獅子を横に、ユイネはがっくりと頭を垂れた。
ゲシゲシとその逞しい前脚で火の元を消して回ってるのは半透明の赤牛の電子の聖獣、ブルホーンである。
地球で言う所の『丑』じゃな。…ていうか器用に足先だけ実体化しとらんか?こやつら。
レオサークルの今後の行き先は大体予想が付くから楽じゃが、こやつの場合湾岸方面に行って貰わんと…。
恐らくはバイパーウェップ同様にあの富士山山麓の遺跡周辺に潜伏しておったんじゃろうが
『自信』と『知恵』が潜むには相応しい所じゃったろうに今あそこはそれ処じゃない事位は儂にも判る。
にしても、生の光子力研究所とご対面出来る事になるだろうとは思わんかったわ。気を引き締めてかからねば。
という訳で、ユイネにもフラグ回収して貰いました。巨大化してスタンプされるよりも優しいやり方されてるとは思う。
ユ「えぇ・・・」
伸し掛かられるよかマシだとは思うけどね。電子の聖獣達の大きさが曖昧ですが、相手に合わせて大きさを変えてるという事で此処は一つ。