スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
曇り空の下、アルゼナルから射出された一筋の飛行機雲が大空を疾走する。
「くそったれ!隼人の奴、何考えてんだ!」
ビリビリと振動するイーグル号のコックピットの中で竜馬が毒づいた。
甲児がマジンガーZカラーのイチナナ式で出撃したのはいいとして。
だが、まさか自分のかつての愛機がアルゼナルの廃棄場に転がっていようと誰が思うものか。
恐らく自動操縦で航路が決まってるらしい愛機の操縦桿を握り続けている。
幼きメカニックのメイとやらによって最低限のメンテは受けていた様だが、
彼女とその部下達の担当はあくまでパラメイルであり、こちらは単なる居候でしかない。
気の毒そうに発射台毎竜馬の前に転がして来た時には呆然とするしか無かったが。
「なーにが、『俺が信じられないならそれで俺を撃て。』だ。すかしてんじゃねーよ」
ジル指令から渡された記録媒体を機体にセットした所、メインモニターに表示された彼の伝言。
ついでにとばかりサイドボードの隠しポケットから装填された拳銃まで自動で出てくる始末である。
竜馬が早乙女博士を詰めていたその時、あいつも傍に居た。
俺が去った後、てっきり奴が早乙女博士にトドメを指したのでは?
と疑っていたんだが、この告白じみた伝言を読み解く限りじゃどうにも違うらしい。
いずれにせよあの事件のせいでそれまでのゲッターの計画の総ては頓挫した。
光子力研究所との提携で組み上げられる筈だった作業用ゲッターの計画がおじゃんになる位だ。
今の隼人が作りあげた機体はそれを元にした『ネオゲッター』なるゲッタードラゴン的なモノらしいが…
大体俺らは3人揃ってのゲッターチームの筈。俺や武蔵を蚊帳の外に置いて何やってんだ。あいつは。
『タワー』なる移動基地で一定の拠点を持たず移動しまくってるらしいがそれも不審極まりない。
「プラズマだかマグフォースだか知らんがゲッター線を使わん偽ゲッターなんぞに拘りやがってからに」
資料を読む限りじゃ「インベーダー」て奴はゲッター線を好むらしいがそれにしたって極端すぎる。
「まぁいい。空のジェット・コースターだと思えばこんなものリハビリの足しにもならん」
不満たらたらな竜馬を載せたまま、イーグル号はその生誕の地へと滑り込む様に飛翔するのだった。
電童がガルファとの戦いで出撃するせいもあり、家族団欒の場さえも支障をきたしている現状に、
北斗は嘘を付き続ける事の限界が近い事を思い知らされていた。
直接の関係は無いものの、6年2組も悪辣なTV番組の監督とやらのせいで散々な目にあったらしいと聞く。
父親・圭介が折角取ってくれたサッカーの試合のチケットすら出撃のせいで無駄となってしまう。
落ち込む北斗をベガが慰めるものの、彼女もまたジレンマに陥り掛けていた事を北斗は知らない。
一方銀河はガルファとの戦闘を優先し過ぎて0点のテストが山積みになる程勉強が疎かになっていた。
そんな折、湾岸沿いの街の電源設備の仕事に派遣されていたチップ達が電子の聖獣・ブルホーンを目撃。
いぶり出す為に大型機獣が螺旋城から差し向けられる。北斗は今度こそチケットを無駄にするものかと発奮。
戦闘の余波で発生した火災の炎に牽きつけられるかの様にブルホーンが乱入して来た。
契約よりも火災の消火を優先するブルホーンの様子に北斗が気付き、銀河がブルホーンを護る為に拳を握る。
ブルホーンがそんな銀河を認め契約を承認。相手を連打するファイナル・アタックで敵を下す。
戦闘後、帰宅した銀河を待っていたのは0点のテストを発見した母親からの鉄拳だった。
尚、アルテアが今回出てこなかったのは螺旋城の判断に依る所が大きかった事を彼らは知らない。
使役逆転してるからこその嫌われかも知れませんが、現状のアルテアの思考では其処に到れないという皮肉。
ユ「電子の聖獣と天秤に掛けてであったとしてもそっちの方が軍配が上がるとはの。洗脳される前にどんな扱いしてたか大体判る気はするが・・・」
尚、前半で何気に『ゲッター號』とクロスさせてありますが、参戦はありません。