スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
その日。歯車王は、まるで地獄の沙汰を待つ罪人のように、
その全身のギミックを緊張で強張らせていた。
ついに、機械神による彼の査定が下される刻(とき)が訪れたのだ。
目の前にそびえる階段。その頂点にある祭壇の上に、
機械神の分体が禍々しく姿を現す。
『歯車王よ。結論から言おう。貴様にもう後はない』
冷徹なる機械神の声が、冷たい神殿に響き渡る。
それは彼のこれまでの戦績を、
一片の感情もなく冷酷に切り捨てる宣告だった。
『車や冷蔵庫等と言った機械化獣はまだいいとしよう。
だが、矮小な道具であのゴウザウラーに勝てると思ったのか?』
一癖も二癖もある、地球の壊れた懐中電灯の様な道具たち。
人間達に学習され、効率よく機械化できる地球の道具すら
残り少なくなっている現状を、機械神は冷酷に見抜いていた。
『努力自体は買おう。お前の次には、電気王を差し向けることにする』
「そんな……っ! 私はまだ戦えます! どうか、どうか今一度ご考慮のほどを……!」
必死の思いで分体に縋ろうとする歯車王。しかし機械神の分体は、
うねるような無数の配線を一閃させ、その身体を無慈悲にいなした。
『黙れ。我が決定に異を唱えるか。…そこまで戦えると言うのであれば、
次こそは貴様自身の全力をもって、ゴウザウラーを討ち倒してみせるがいい』
通信が切れると同時に分体は消え失せる。
あとに残されたのは、絶望のあまり床に膝を突く歯車王の姿だけだった。
「フフフ…、ハハハハ! あの『力』を妄信する電気王の奴が着任してみろ、
私なんぞただの屑鉄に成り下がってしまうだけではないか…!」
「…いや、まだだ。まだ私は終わらんぞ、ゴウザウラー…せめて貴様だけは…!」
絶望の底で、彼は自らの意地と誇りをかけた最期の戦いへと挑む決意を固めた。
歯車王はギーグにこれまで創り出した機械化獣の残骸を集める様指示を出す。
ブロッケン伯爵らを追い出した「ぼすらーめん」の店内。
客を帰した後の静まり返ったフロアでは、緊急会議が開かれていた。
「国連の連中は当てにならねぇだわさ。俺たちが何とかしねぇと」
リサがいくら怪力を発揮したところで、押し寄せる敵の数には焼き石に水。
このまま数で圧倒されれば、グレートマジンガーの二の舞になりかねない。
「鉄也さんは大丈夫かな。あいつらに捕まって変なことされてなきゃいいけど」
ボスの手下であるムチャとヌケも、不安げに顔を曇らせる。
ミケーネ兵達のような無惨な改造を施されていないと思いたいが、心配は尽きない。
「ここはあいつらの本拠地ってわけじゃねぇ。まだ無事だと信じるしかないだわさ」
「それにこちらには、まだ『切り札』が残っておるからの」
せわし博士がニヤリと不敵に笑った。地元の博物館に飾られていた模造品は、
ごく最近Dr.ヘル一味に「これは違う!」と破壊されたばかりだ。
「やつらが旧光子力研究所を家探ししたときも、結局は無駄足に終わったようじゃしな」
のっそり博士も笑うが、実は彼らも『本物』の隠し場所は知らされていない。
敵がいくら尋問しようが、そもそも答えようがないのだ。
「シローとも連絡が取れたことだし、陽動も兼ねて俺たちも打って出るときだわさ。
名付けて『タゴノウラ作戦』だわよん! 戦いの火蓋を切って落としてやるだわさ!
…甲児、早く帰ってきてくれよ。俺も『アイツ』もみんな、お前を待ってるんだわさ」
かつて田子の浦で行われた激闘の記憶。
その名を冠した彼らの反撃が、いよいよここから幕を開ける。
彼らの言う『切り札』がその威力を発揮するまで後少し…!
章区切りを作った方がいいのかどうか迷い中。アニメで言えば1クールが終わる辺りに差し掛かり始めてるので…。
ユ「無理に区切らんでもいい様な気もせんでは無いがの。出来ればでえぇじゃろ」