スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
GGG技術部が、ゾンダーの放つ素粒子ZOを計測する装置の小型化に、漸く成功した。
「これが『Zセンサー』です。天海護隊員のゾンダー感知能力を模倣した物とお考えください」
猿頭寺オペレーターが、ゴーグル状のモニターが接続された無骨なバックパックを背負いながら言う。
「おう、上出来じゃねぇか。護の奴だけに日夜ゾンダーを警戒させとく訳にもいかねぇからな」
火麻参謀が言うまでもなく、あの子は正規の隊員ではなく、まだ守られるべき特別隊員である。
護の負担と露出を減らすべく、GGGによるゾンダー対策は密かに、だが着々と進んでいた。
だが、今回のゾンダーは、彼らの苦労を嘲笑うかのように圧倒的な「数」で攻めてきた。
「おいおい…もしかして、こいつら全部が囮だって言うんじゃねぇだろうな」
メインスクリーンに映るそれは、群体となって市街地を暴走する、無人のバイク集団だった。
「こりゃEI-08の時の模倣じゃな。強いて言えば、EI-09のやり口とも似とるが……」
麗雄博士が頭を抱えるのも無理はない。総ての囮が明確な素粒子ZOを纏っていたからだ。
「『雲を掴むような話』とは言うが、それを数と機動力、さらに地形効果でカバーするとはな」
大河長官が感心したように呟くが、今回暗躍しているゾンダリアンは相当な知恵者らしい。
走り回ることに特化しすぎているせいか、個々の脅威度はせいぜい信号無視を繰り返す程度。
だが、どれが本体か見分けが付かないという意味では、まさにEI-08のリベンジだった。
「本体がEI-08みたいに、どこか別の場所に隠れとる可能性もあるのが厄介じゃな」
麗雄博士の言う通り、下手に刺激して四散されれば、蜘蛛の子を散らすように逃げられるだけ。
首都高速のような一方通行ではなく、広域の入り組んだ市街地を選ぶそのやり口は巧妙だった。
ウォルフガングとてただ指を咥えて偽りの地上の様相を見守っていた訳ではない。
バハムートにとっては現在の政策は『過去』の世界の再現でしかないが、
『過去』を慈しむ彼にとってはそれはとても許し難い冒涜に他ならなかったからだ。
「皮肉なもんじゃよ。儂らの世代ではもう手に入らない物でさえ手に入りやすくなっとるんじゃからな」
彼が見慣れぬ部品の中から取り出したのは一本の極太の真空管だった。
あの『ユリウス』なる元スナイパーのアンドロイドにも使われていた貴重な『骨董品』である。
『昭和』固定政策によって造られたガソリンエンジンだって彼にとっては懐かしきシロモノだが、
その実態は見てくれだけのエコ・エンジンに他ならなかった。
「幾ら機能を似せた所で『本物』には程遠いからの。そんな時に儂が出会ったのがこやつ等よ」
ある意味無法者の集団だからこそ、自らの愛車のチューンナップに拘った暴走族でもある
『TRASH(トラッシュ)』がウォルフガングという希代の天才に辿り着いたのはむしろ必然だった。
最初は唯の手慰めに過ぎなかった彼の資金稼ぎもすっかり板に付いて居ると言う。
「儂らの市民IDこそあの偽の地上では通用せんが、そこは持ちつ持たれつと言った所よ」
ホイ・コーローの様にラーメン屋としての表の顔を持たないものの、
裏の世界の関係を再構築するに当たって彼らの存在はウォルフガングにとっても非常に有難かったのだ。
ライトニングという男も頷く。「俺っちにとってもバハムートのやり方は前々から気に入らねぇからな」
彼が見据えたTV画面ではあの風祭イヴが相変わらずの様相で歌を歌っている。
但し、その歌詞はデザルグ軍の侵攻に合わせる様に『軍歌』として編曲、編集された物に変化させられていた。
幾ら技術が進歩しようとガソリンエンジンその物を実装するかどうかは管理AI次第では?と言う事で、メガゾーンの日常で使われてたエンジンがモドキになってしまいました。まぁ宇宙船内部の話ですし、あり得た話かも知れない。という事で。
ユ「もしやアルコールエンジンとかそーゆーの使ってた可能性もあるという事かの?」
メインに見せかけた補機という可能性も否定出来ませんけどね。
ユ「なるへそ。あくまでもメインは電気のまま、って訳なのじゃな」