スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
アルゼナルの格納庫に再度飛行形態に戻ったヴィルキスが運び込まれた。
そのコックピットシートでぐったりした状態のアンジュがうつ伏せのまま跨っている。
ジルの指示の元、医務室に運ばれた彼女は洗浄と簡単な診察が行われている。
ジルが再びアンジュから取り上げた指輪を弄ぶかの様に確認をしている。
エンジンをフル可動すれば埃や錆びは取れるだろうと踏んでいたが、
あの様に機体が金色に輝く姿をこの目で見るとは思わなかった様ではある。
(よもや、私が成し遂げられなかったあの現象まで到達出来るとはな)
かつて参加したリベルタスではジルはあの機体をその状態まで持っていけなかった。
それが原因とまでは言わないが、結果として右腕毎指輪を持ってかれてしまっている。
「お呼びですか?ジル指令っ!」
予想通りというか、喜々とした声でサリア・テレシコワが格納庫のジルの元にやって来た。
その眼は目覚めたばかりのヴィルキスに注がれている。
「…来たか。お前に少々この機体を体験させてやろうと思ってな」
ジルとしてもアンジュのみにこの機体を貸し出す事の危険性を認識していた。
指輪が他人の手に渡った時に果たしてそれが駆動キーとして機能するかどうかも不明だったし、
何より機体に拘る人間が他に居る以上は早めに対処して置いた方が無難だからである。
「ただし、前にも言ったかもしれんがこの機体は特別仕様だ。この指輪だけが
起動させる為の駆動キーという訳では無いだろうが、血縁まで対象だとなると、
お前ではこの機体を起動させる事が出来ぬかも知れぬ。それでいいか?」
「…構いませんっ!!本当に動かせるかどうかは判りませんが、ジル指令がそうおっしゃるなら!」
かくして指輪を借り受けたサリアが跨ったヴィルキスは問題なく起動出来る事が証明された。
オリジナルだけあってかサリア達が使う量産型パラメイルよりも性能は上の様である。
「思った通りいい機体でした。でも金色にはならないんですよね。エンジン全開にしてみたりはしたんですけど」
ドラゴンが来襲してこなくとも『インベーダー』の様な相手は周囲に勝手に湧く為、
火器を本来の乗機から借りて来たサリアが機体性能を試しながらご機嫌で帰還して来た。
「…そうか。何がトリガーになってるかは判らんが、普段使いが出来る様ならそれに越した事は無いな」
問題があるとしたらアンジュのあの性格と染み込んでしまっている選民思考だろう。
ヴィルキスは兎も角、指輪は間違いなく彼女の持ち物なのだからこれの帰属も問題となってこよう。
(レンタルという形で指輪を他人に貸し出すだけの器量がアンジュにあればいいのだがな。頭が痛い)
とりあえずはアンジュの逃亡防止を兼ねてジルが指輪を預かるしかないだろう事だけは確実だった。
一兵士として生きる事になったアンジュだったが彼女の振舞いが軋轢を招くのにそう時間は掛からなかった。
ブレイブポリスに新たな仲間が増える事になった。
ビルドチームの4人目の仲間である。BP-304・ドリルボーイ。
「よりによってドリル戦車とはな。やはり趣味機体ではないかっ!」
「唯のドリル戦車ではない。変形して飛行形態にもなる優れ物だっ!!」
「どうせ貴様の事だ、合体してドリルアタックとかやらせる心算ではないだろうな!」
「それの何が悪い。見た目的にもカッコいいではないか!」
もはや上下関係など脇に置いて冴島総監と東福総監が言い合いをしている様だが、
後にそれが技の一つとして採用されたりするのだから、ある意味恐ろしい。
だが、そんな彼らを尻目に藤堂主任の顔色は優れなかった。
ドリルボーイの超AI育成に関わるスタッフの失踪が相次いでいたからだった。
何気にサリアに無茶ぶりをやらせてますが、有り得た光景の一つとしてヴィルキスの貸し出し描写を入れてみました。最初の認証さえ出来てれば他人でも通常レベルまでなら動かす事が出来るみたいだったのでそれもありかなと。逆にアンジュも他の武装のパラメイルに乗せられて適正を試されてたかも知れませんけどね。
ユ「まぁ一応軍隊みたいなモンじゃしな。いざと言う時に他人の機体は使えませんは通用しにくいのは判らんではないがの」