スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

120 / 120
光の十字架が立ったみたいです。


狙いすましたその先で

 ヤシマ作戦はなんとか終了した。

『怪物』…いや、『使徒』を倒した証である十字架の様な独特の撃破光がそれを証明する。

何故その様な光の柱が立つのかはシンジには判らないけど、判りやすい光景にホッとした。

 

 初号機の横で溶け落ちた盾を捨て、ブスブスと生焼けの様な煙を上げて横たわる

零号機に初号機から下りたったシンジが駆け寄っていく。

目指すはその傍にイジェクトされた零号機のエントリープラグだ。

 

 誘爆を防ぐ為、ロケットモーターの燃料が抜かれたそれは沈黙したまま横たわっている。

「綾波!」シンジが声を掛けるが内部からの返答は無い。

シンジはパイロットスーツが熱で悲鳴を上げるのも構わず緊急脱出用のレバーに手を掛ける。 

 

 内部から開けられない場合に備えられたレバーは多少のダメージ位ならば問題無く動く筈。

果たして無事にレバーが動き、持ち上がったレバーを回す事でハッチが開いていく。

よもや使徒がこちらの射撃に合わせる様に撃ち合いをしてくるとはネルフ側も想定外だった。

 

 僅かに向こうの反応が遅れたのか、寸前でぶつかったライフルからの光の弾丸の航跡は、

『の』の字を描く様にひん曲がりつつも幾何学模様に変形した相手に着弾した。

だがその光の弾丸に対し核だけが使徒の身体の中で水の中を泳ぐ様に器用に避けて見せたのだ。

 

 一方使徒の放った光弾は零号機が初号機の前に翳す様に立てた盾に直撃。

「そんなズルい!」と誰かがネルフ本部内で使徒に対して言ってた様だがシンジは気にしない。

盾はもって後一射が限界であろう。向こうも殺る気らしく、今一度変形を開始する。

 

『シンジ君、次の攻撃が來るわ。避けて!!』ミサトが発令所で叫ぶがむしろ今しか無いだろう。

かくして後出しジャンケンの要領で、相手に撃たせて変形を解除した直後を狙ったシンジの読みは当たった。

ロングレンジ用のバレルの冷却が間に合わないと判断したシンジはバレルをパージする。

 

 射程こそ短くなるが、誤差の範囲だと判断したシンジは構わず相手が撃ち終わり

変形を解除したその直後を狙いすましてライフルを撃つ事で、使徒を撃破してみせたのだ。

ロックがハズれ、手が火傷になり掛けながらもハッチのレバーをねじ開けるシンジ。

 

 内部のパイロットシート、『インテリア』で眠る様に気絶していたレイに光が差す。

シンジに助け出されたレイは目を覚ました後、困惑したかの様に彼に告げた。

「…こんな時、どういう顔をすればいいのか判らないの」

 

 「笑えばいいと思うよ?」シンジの微笑む顔を真似して微笑み返してみたレイは

己の心の奥底にのみその光景を刻み込み、仕舞い込む。

(…『コレ』だけは駄目。私だけの『証』だから)彼女のその決意の意味をシンジは知らない。

 

 

 ペンシル・ランチャーの活躍でバイクの群れの足止めに成功した竜兄弟。

片方だけでは硬化しないその特性を利用して、時間差での水掛けにも似た射撃に

バイク達はずぶ濡れになりつつも一回は拡散したものの、合流をした所を縫い停められたのだ。

 

 「ディバイディング・ドライバー!」念の為に規制線を張り直し人を隔離した中心の地に

そのマイナスドライバーの刃が突き立てられ、特殊空間が広がっていく。

ゾンダーが特殊空間に巻き込まれない理由は彼らのバリアシステムに依る所が大きい。

 

 完璧に展開すれば空気すら閉じ込める事が可能なそれは『ATフィールド』にも似るが故に

空間湾曲に対しても耐えてみせるのだ。無論、彼らと似た様な技術を持つガオガイガーも同様の装備を持つが。

 

 ともあれ空間外に逃げ出せなくなったバイク集団は今度はガオガイガーの表面を走り始めた。

獲物に群れる軍隊蟻の如きバイクの集団暴走にガオガイガーは苦戦するのであった。




 ヤシマ作戦がほぼダイジェスト化しましたが、無問題。発射に伴う大停電描写は省きましたが、この世界、いろんなエネルギー源があるのでバックアップ体勢も充実してたという事でここは一つ。
ユ「ま、拠点によっては停電とかしてたかもじゃけどな」
尚、電童の停電回と絡めようと思ったけど、少々間に合いそうにないので今回は諦めました。こればっかりはなぁ・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定