スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

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 チカラを得た者のスタンスの違い的な。


ペテン師、もしくは操り師。

 かつて富士の山麓で、世界の命運を賭けた大戦があった。

神々を名乗る機械仕掛けの巨人は、Dr.ヘルが発掘した古代の遺物。

世界を我が手に収めんとした狂気の野心は、一人の勇者によって打ち砕かれた。

 

 人類の守り手たる神・ゼウスの助力を得て、世界を救った勇者の名は兜甲児。

現在の彼は一人の科学者として、皮肉にもかつての宿敵の遺産を掘り起こしていた。

すべては平和のため。彼は発掘チームと共に、富士の地底に眠る探究へと没頭している。

 

―くくく、と。底冷えする、自己陶酔に満ちた笑いが響いた。

富士の樹海、その遥か上空に音もなく浮かぶ、白亜の空中宮殿。

その深奥に構えられた玉座で、甘いマスクの青年が冷酷にチェスの駒を滑らせる。

 

 これほどの高空から眼下を覗き込んだところで、地を這う人間たちの泥臭い営みが見えるわけではない。

しかし、白亜の塔の主は、世界のすべてを書き換える特等席からその「愚行」を見守っていた。

(――ほらほら、そこはそうじゃない。違う、もっとこちらだ、そうそこ。ハイ良く出来ました。)

 

「ふふふ……。自らが最高の知性だと盲信する、あの哀れな滑稽さ。嫌いではありませんよ。

まるで、私が創り変えてあげる前の、かつての出来損ないの世界を見ているようだ」

世界の調律者――すなわち絶対の「神」を気取るエンブリオにとって、人間の躍起などただの泥遊びだった。

 

「あそこに埋まる遺跡には、次元を超えて因果を書き換える装置があるようですが……

所詮はその程度の舞台装置。私を退屈から救うには、いささかチープが過ぎる」

これから起こる顛末のすべてを手玉に取っているかのように、青年は美しい唇を傲慢に歪める。

 

 「……ですが、あの不確定要素は少々、私の美しい庭を汚しそうですね。

念には念を入れ、あの羽虫どもの運命の糸を、無様に縺れさせて差し上げましょうか」

黒い駒が白い駒を完全に包囲した盤上を見下ろし、男の声音に醜悪な愉悦が混じる。

 

 彼は細い指先で、チェスのナイトを愛おしげに、しかし圧し潰すかのように摘み上げた。

「そしてたっぷり…あの『戦闘のプロ』とやらが、泥水をすすって絶望する姿を見せて頂きましょう」

パチリ、とゴミでも捨てるかのように、ナイトの駒が盤上へと転がされた。

 

 「例えどれほど強力な武装を搭載していようと、他人の承認が一々必要な人形など非効率の極み。

ねぇ?そう思いませんか、Dr.ヘル。貴方も、かつての好敵手たちの情けない姿を見れば何て言うでしょうね」

背後に控える三つの人影から、返答はない。それを知りながら、彼はあえて愉しげに問いかける。

 

 されど、一度彼が「そう演じろ」と命じれば、この操り人形たちは疑うことなく言葉に従うのだ。

かつて滅び去った因果の敗北者を現世に繋ぎ止めることなど、絶対者を気取る男には造作もない。

「ああ、そうそう。あの遺跡には、可愛い子が眠りについているのでしたね。あの子の記憶も消さなければ」

 

 無論、背後の人形どもに、あの美しい遺物を明け渡すつもりなど毛頭ない。

『可愛い子には旅をさせよ』と言う。中核ユニットを失ったアレを、この連中がどう扱うか。

あの遺跡が秘める、使用者の意志に同調する「擬態能力」――それをどう解釈するか。

 

 「まっさらになったアレに接触すれば……。アレは恐らく彼らの理想とする姿、

彼らが操る『マジン』に酷似した姿へと変貌するでしょう。

…それを目にした時、彼らが何を思うのか今から愉しみですね」

 

その男は美しくも醜悪な微笑を浮かべ、白亜の宮殿から貪欲に下界を見下ろしていた。




 白き仮面の男の正体は誰だろなー(棒。何気にペテン師呼ばわりされてたりしますが、群体としての個でもある彼らにしてみれば同族嫌悪的な?
ユ「…写し鏡みたいなモンかぃのぅ?こっちの方がメイワク感高そうじゃが」
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