スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
その男は、階下の格納庫を見下ろせる指令所から、無慈悲に言い放った。
「シンジ。お前はこのエヴァンゲリオンに乗るのだ」
胸の前で組んだ両手に頬杖をつく男。逆光の眼鏡のせいで、その表情は窺い知れない。
けれども、それは碇シンジの心を困惑させるに十分すぎるほどの衝撃だった。
母が亡くなり、浜松の先生の元へ預けられてから梨の礫(つぶて)だった父親。
久しぶりに箱根の「ジオフロント」に呼び出されたと思えば、これだ。
人と接するのが苦手な自分でもわかる。いくら何でも説明がなさすぎる。
大体、どうやってこのロボの様でロボではないナマモノっぽいナニカに乗れというのか。
目の前のハンガーでは、エヴァンゲリオンと呼ばれる巨大な貌(かお)が、無言で自分を見下ろしている。
遥か地上では、駅に着いたばかりの自分を車で迎えに来てくれた葛城ミサト。
自分らを襲った巨大な「使徒」とかいう「怪獣」に似た化け物が闊歩しているというのに。
「乗るなら早くしろ。でなければ、帰れ」とゲンドウは淡々と告げる。
母が生きていた頃は、もっと父親らしい交流があった気がしていた。
けれど、あれは自分の幻影だったのだろうか。
それとも―これに乗れば、少しは僕のことを見てくれるようになるのだろうか。
その男は、今更ながら後悔していた。自分の無謀さに対してではない。
準備を怠ったつもりはなかったが、せめて随伴機の申請だけでもしておくべきだった。
かつてのロボットジュニアを彷彿とさせる「イチロク式」であっても、複数機あれば結果は違っていただろう。
突如として復活し、富士山麓の遺跡に陣取ったDr.ヘルが最初に仕掛けたのは、
強力なジャミング作戦だった。「ゴラーゴン」と呼ばれる遺跡を手中に収めた彼は、
復活した二人の側近を引き連れて人々の前に現れる。
そして、遺跡の発掘隊を人質に取った状態で、人類へ宣戦布告したのだ。
「フハハハハ! ザマはないな、剣鉄也!赤の他人に己の手綱を預けた、己のヘマを恨むがいい!」
Dr.ヘルとて一介の科学者。一度は遺跡泥棒の類いに身を落としたとはいえ、その眼光は未だ鋭かった。
承認ボタンによって機体に掛けられたロックを解除しない限り必殺技も碌に撃てないただの鉄の巨人。
ゴラーゴンを背に不敵な笑い声を上げながら、彼はグレートマジンガーの弱点を的確に言い当てた。
「くっ……! 貴様はマジンガーZの手によって一度滅んだはず!なぜ今になって蘇った!」
怯みそうになる心に鞭打つように、鉄也がコックピットの中で吠える。
圧倒的な物量の前に膝を突き、今にも引きずり倒されそうになりながらも、
彼は最後まで諦めるつもりはなかった。
「ふん、貴様が知る必要はないわ。だが、これを見よ!ゴラーゴンの雄姿をな!」
ゴゴゴゴゴ……!地中に半ば埋まっていたゴラーゴンが、今、その全容を現していく。
「よもや、このような形状の遺跡がここに眠っていようとはな。儂もまだまだ勉強不足ということよ」
感慨深げなDr.ヘルだが、何の考えもなしにグレートを捕らえたわけではないようだった。
「このゴラーゴンは見ての通り、お前たちの機体のような存在が乗り込むことを想定した造りになっておる」
「本来はゼウスとやらが乗り込む予定だったのかも知れんがな。だが、今やそのゼウスもおらん」
ニヤリ、と嗤ったDr.ヘルが、鉄也の乗るグレートを杖で指し示す。
「そこで貴様の機体の出番というわけだ。せいぜい儂の世界征服の野望の礎になってもらうぞ、剣鉄也!」
(すまん……ジュン。どうやら俺は、無事にここから帰れそうにない。我が子を頼む……!)
Dr.ヘルは自分が操られてる事は知りません。蘇ってラッキー。そんな事より世界征服してしまわないと。位にしか思って無い。ゲンドウはなぁ・・・
ユ「自分の理想を押し付けてくるてトコはまぁ似とるっちゃ似とるかの???」