スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
武田長官の視力がもっと良ければ、恐竜ロボのさらに後方が見えたかもしれない。
そこには、大きく損壊した春風小学校の校舎が佇んでいた。
だが、今の武田には、そんなものを仰ぎ見る余裕など微塵もなかった。
地球防衛隊の貴重な航空戦力であるハリアー数機が、轟音を響かせて戦闘を開始する。
オマケ扱いの出撃とはいえ、その火力が通用するかは極めて微妙だった。
せめて旧式のVF‐1でも貸し出してくれればいいものを、と武田は内心で毒づく。
実は有人式の最新鋭戦闘ヘリも、事前に上層部へと申請していたのだ。
しかし「箱根で大規模な軍事演習がある」とはぐらかされた挙句が、このありさまだ。
目の前の敵は、鉛筆削りのように周囲の建造物を粉砕しては飲み込む四角い機械化獣。
右腕にドリル、左腕にペンチ状のアームという、悪趣味極まりない仕様。
まるでゲッター2を思わせるその装備を振り回して、敵は不気味なほど冷酷に立ち回る。
接近しすぎた戦車を器用に摘み上げては、中央の粉砕口へと放り込む余裕さえ見せる。
そこへ激しい飛行音を響かせ、戦場に飛来したのは青いマッハプテラだ。
両翼のバルカンで牽制し、白いサンダーブラキオが背中の二門の大砲から砲撃を叩き込む。
しかし、敵の強固な装甲を削るには至らない。
赤いランドステゴに至っては、地響きを立てて歩くのが精一杯という様相だった。
四角い機械化獣の両肩から、反撃のミサイルランチャーが火を噴く。
地上の2体が爆風に怯んだ隙に、空中から体当たりを敢行したマッハプテラが捕らえられた。
無残にもペンチアームで引っ掴まれ、残る二体に向けて投げつけられる。
そこへさらにミサイルが追撃し、激しい爆炎が恐竜ロボたちを完全に包み込んだ。
「ここまでか……! 我々の装備では邪魔にしかならん、後退だ!」
武田たちが無念の撤退を開始した、まさにその目の前だった。
爆炎を切り裂き、3体の恐竜ロボたちが空中合体を敢行する。
眩い光とともに、それらは一体の白い巨大人型ロボットへと変形していく。
合体妨害対策のバリアも展開され、万が一への備えも抜かりはない。
一瞬、噴火する火山の山頂からマグマが噴き出す光景を幻視した。
恐竜ロボ達が不要部分を格納しながら、各ブロックへと組み上がっていく。
まるで魔法でも見せられた気分だったが、その構造はあまりに洗練されていた。
ランドステゴを核とし、マッハプテラが両腕とバックパックを構成。
最も巨大なサンダーブラキオが強固な脚部を担う。
合体を完了して地上に降り立ったロボットへ、四角い機械化獣が再び襲いかかった。
一度ふっとばした人型ロボをペンチアームで掴み、粉砕口へ投入しようと引き寄せていく。
「ザウラーボンバーっ!!」搭乗者の叫びが響き、胸のクリスタルに空中の水分が猛烈に集約されていく。
生み出された結晶状の巨大な水の塊が、機械化獣の粉砕口へと突き刺さった。
「成る程。相手が機械の塊なら、その手もあったか」
敵の動きが止まり、武田にもようやく戦況を観察する余裕が出てくる。
「反撃だ! ザウラーブレード!」 ロボの頭頂部から上空に向け、眩い赤い光が発射された。
光は雲を裂いて複数の白い光となり、流星のように地上へと降り注ぐ。
幻影のマグマの海から、ステゴサウルスとブラキオサウルスが現れた。
彼らがマグマの海から咥え上げた盾と剣を、人型ロボが力強く受け取る。
最後に、プテラノドンが咆哮で作り上げたマグマのトンネルをロボが駆け抜けた。
「ザウラーマグナフィニーーシュ!!」
咆哮と共に放たれた鋭い一閃が、四角い機械化獣を袈裟斬りに切り裂く。
「熱血最強! ゴウザウラーっ!!」 勝利の決め言葉と共に、剣と盾を虚空へと還すゴウザウラー。
思わず両手で熱い握り拳をつくった武田長官。
だが、彼が次に頭を抱える事になるまで、そんなに時間は掛からなかった。
ほぼ武田長官視点でした。VFあるのにハリアーあったりするのは予算の都合というか使える物は何でも使えの精神からかも。一応熱核ジェットに換装はされてるとは思いたい。
ユ「お隣さんも結構な修羅場になりつつあるようじゃし、頭抱えるわなぁ・・・そりゃ」