スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
「何で子供が戦闘用のロボットに乗っとるんだ!」
武田長官が怒鳴るのも無理はない。電童とやらが必殺技とやらを派手に披露した直後、
脱力したかの様に海の方へと落っこちていったらしいが今は行方不明。
呆然と突っ立っていた白い人型ロボの足元に彼らの担任とやらが
自転車に乗って現れた事で発覚した事実に彼は内心頭を抱えていた。
とりあえずロボットを発進元だという春風小に帰らせたら校舎と一体化する始末だし。
尚、敵の攻撃で大量のガレキの山と化した星見町の方では
建機カラーの龍頭のグルンガストとやらが率先してガレキを片付けている真っ最中。
「地元の建設会社とか待ってられんじゃろが。」とか正論を吐かれたらぐぅの根も出ないけど。
幸い営業中だったというアミューズメントパークの方の被害は軽微だったらしいが
首都圏へと通勤している住民の寝床となるタワーマンション郡が軒並み崩壊している等爪痕も酷い。
(通勤時間帯で無かった事だけは助かったがそういう問題じゃない)
彼とて近年若年層の社会進出率が高いのは頭の上では理解している心算ではある。
「マナ」のお陰で、早期から魔法を使える様な授業内容を課してる学校すらあるそうだが、
(せめて小学校位、マトモに卒業させてやってくれよ。)と彼は思う。己が娘の事も考えると後が怖い。
聞けばあの恐竜ロボは、大地の自然エネルギーをそのまま術式へと変換する、
魔法と科学が融合した様な、いわば動く「巨大な魔導器」のようなものであるらしい。
最初に放った『ザウラー・ボンバー』の時点で気付くべきだった。あれは強力な水魔法の一種だろう。
オマケに武器となる剣や盾すら召喚魔法モドキで呼び寄せるのだ。
変形する際の不要部品だって異次元収納にしまっている可能性すらある。
先ほど放った『ザウラーマグマフィニッシュ』とやらも魔法の域に達してる気がしないでもない。
国連軍が保有するグレートマジンガーも天候兵器と呼べる装備を複数装備しているが、
エルドランとかいう光るおっさんとやらのお節介とも言える善意とやらには疑問符を呈したい。
(せめて認証システムを良識ある大人に持たせるという選択肢は無かったのかーっ!?)
雁字搦めのせいで敗北したグレートマジンガーの事を彼はまだ知らなかったのは言うまでない。
とりあえず子供達の持ってた召喚機の類いは彼らから取り外せたので没収中である。
現在は地球防衛隊の管理の元、元の状態に戻ったらしい校舎と共に構造を解析中である。
電童を取り逃がしてしまったのはやむを得ないが、どうやらあれの所属は軍属だったらしく、
国連軍の上層部から深追い不要。とのお叱りにも似た釘差しをされてしまったばかりである。
(なんで私が怒られなければならんのだ。怒る相手が違うだろうが!)
グルンガストの乗員の言動も幼さを感じさせる部分はあったものの、個人事業主とやらで
別な軍から派遣されて来たとか云われてしまえばこちらも下手な手出しは出来なかった。
「まぁいい。今度やつらが攻めてきたら、この召喚機を我々が使ってみればいいだけの事だ」
武田長官は没収した召喚機―ザウラーチェンジャーを愛おしげに、かつ勝ち誇ったように見つめた。
子供に扱えるのなら、国家の防衛を担う自分たちプロフェッショナルが扱えぬはずがない。
彼は不敵な、あるいは完璧な解決策を思いついた中間管理職特有の、輝かしい笑みを浮かべて呟いた。
なにやらゴウザウラーが魔装機神みたいなモノになってる気がしないでもありませんが、なんせあのエルドラン製ですしね。そういう解釈があってもおかしくない。
ユ「魔法と科学の融合…浪漫じゃな」