スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
次元の裂け目から現れた艦艇と主人公が漸く出会います。
場面的にはα外伝とかの月決戦後に次元跳躍した感じが一番近いです。
空間の裂け目から現れた黒鉄の船体は、戦闘直後のように激しく大破していた。
スペースノア級万能戦闘母艦二番艦「ハガネ」のブリッジは今、混沌の渦中にある。
激しい火花が飛び散り、鳴り響く警報音と白煙が乗組員たちの視界を遮っていた。
計器が焼き切れる中、副長のテツヤ・オノデラは必死に現状の把握に努める。
艦内から届く被害報告と観測データを統合し、コンソールへ指を走らせた。
地球の配置と星位を確認したテツヤは、安堵の表情で背後の艦長席を振り返る。
「ダイテツ艦長。転移状況の確認が完了しました。位置の誤差は僅かです」
「どうやらここは、私たちが元いた本来の過去の世界で間違いありません」
未来の凄惨な戦場から、時を遡って月面へ辿り着いたことをデータが証明していた。
艦長席のダイテツ・ミナセは、愛用のパイプを握る手にぐっと力を込める。
安堵も束の間、ダイテツは表情を引き締め、静かに声をかけた。
「判った。……して、ゼンガー君の様子はどうかね」
テツヤは一瞬だけ言葉を詰まらせ、痛ましげに声を絞り出す。
「表面上は取り繕っていますが、精神的な消耗が激しいようです」
「そうか……。ソフィア博士の最期を看取ったのは彼だ。無理をせねばよいが」
ダイテツは帽子を被り直して呟く。だが運命は彼らに休息を許さなかった。
「艦長! 本艦の上方に多数の未確認飛行物体を捕捉! 識別反応はありません!」
オペレーターの悲鳴のような報告が、満身創痍のブリッジに響き渡る。
それはハガネを包囲するように現れた、この時代に暗躍する未知の小型円盤群だった。
最悪のタイミングでの急襲に、ダイテツは即座に問い返す。
「何だと? バルマーの連中ではないのだな?それと、月ベース基地の様子はどうなっている」
「それが……ベース基地機能は停止状態です。いえ、正確には一箇所だけ例外があります」
「完全な沈黙のはずですが、不自然な高エネルギー反応を観測しています」
歴史が正しければ、未来の遺物である『ルナ・クエイドル』は未完成のはずだった。
基地自体が眠っているのは当然だが、存在するはずのない「熱源」が確かに動いている。
包囲を狭めてくる円盤群を睨みつけ、ダイテツは決然とパイプをくわえ直した。
「誰かが基地に取り残されている様だな。急速発進! これより救助および撤退行動に移る!」
「了解!」テツヤが叫び、大破一歩手前のハガネが再びゆっくりと駆動する。
船体は地表の熱源を目指し、スラスターを激しく噴射して加速し始めた。
その時、ブリッジの通信コンソールが、突如として通常回線の電子音を鳴らし始める。
『もしもし! 聞こえるか、そこのボロ戦艦の艦長どの!』
スピーカーから響いたのは、どこか幼くも尊大で、年寄りじみた少女の声だった。
『お主らがどこの誰かは知らぬが、いい所に来たのじゃ!まさに緊急事態じゃ!』
『あやつら、とうとうこの地球に先兵だけでなく母艦まで寄越しおったのじゃ!』
『すまんが頼む! 儂をその艦に載せてくれんかのぅぅう!?』
直後、地鳴りのような爆音が轟き、月面のベース基地が激しく炎上する。
小型円盤群の一部が、高エネルギー源に向けて無差別攻撃を開始したのだ。
「やつら、手当たり次第かよ! 艦長、こっちにも連中が向かって来てます!」
テツヤが焦燥を露わにするが、満身創痍の艦にまともに戦える機体は残っていない。
ダイテツ「現状での反撃は可能か?」とテツヤに確認するが回答は非情な物だった。
テツヤ「戦闘機が数機出せるかどうかです!」敵のぶ厚い壁がハガネの前に立ち塞がる。
ダイテツが苦渋の決断を迫られたその時、オペレーターが驚愕の声を上げた。
「ベース基地から脱出した機体を補足。認識番号を確認しました。……こいつはっ!?」
驚いたオペレーターの様子にテツヤが思わず聞き返す。「脱出した機体がどうかしたのか。」
「驚かないで聞いて下さい。あの機体・・・グルンガストなんです」
テツヤは眉をひそめた。「それが何処が変なんだ。未来で嫌というほど弐式を見たろう」
「それが……かつて行方不明になったはずの、龍型ヘッドのグルンガスト壱式みたいなんです!
しかもカラーリングが……イエローとブラックの、あの建機カラーでして!」
「何だと……!?」メインモニターに、にわかには信じられない光景が映し出される。
それは無数の敵を相手に、必死の形相で暴れ回る黄色と黒の重機じみた機械竜だった。
「あの機体・・・こんな所に隠されていたのか。だが尻尾まで付いてるぞ?カスタム機か?」
かつてテスラ研究所で開発され、未完成のまま歴史の闇に消えたはずの幻の機体。
それが今、月面で腕をロケットのように交互に飛ばし、開いた顎から光線を吐き散らしている。
敵を蹴散らしながら縦横無尽に立ち回るその姿は、まるでハガネを導くようだった。
『ちょっとそこのボロ戦艦ぁ! ゆうちょに見物でもしとらんと指示だけでも教えて欲しいのじゃ!』
必死に操縦桿をこね回しながら奮闘しているであろう少女の声が再び通信回線へと割り込んでくる。
今度は胸からのビームで迫る敵を叩き潰すものの、上空を埋め尽くす敵の数に圧倒されかけていた。
ダイテツは腹の底から響く声で、マイクに向かって怒鳴り返す。
「月面の機体、聞こえるか! 本艦はまだテスラ・ドライブが健在だ!」
「最大戦速で前進し敵前衛を突破、貴機を収容する! それまで持ちこたえろ!」
『出迎えをしてくれるというのかの? ならばこちらも問題ないのじゃ!』
少女は通信の向こう側で、獰猛に、しかしどこか嬉しそうに不敵に笑う。
『こっちじゃって、ただの足手まといで終わるつもりは毛頭ないのでの!』
その援護に応えるように、敵を千切っては投げていたグルンガスト壱式が動く。
戻ってきた両腕をガチリと装着すると、背中のバーニアを全開にして月面を蹴った。
「艦長! 敵の大型艦艇を捕捉! 螺旋型の巨大な艦が月に飛来しつつあります!」
月に不気味な影を落として進行する巨艦から、無数の中型・小型円盤が発進する。
『チェーンジ! 飛竜モードォォォ!!』彼女の叫びが通信を揺るがした。
グルンガストの無骨な脚部装甲が劇的に変形し、瞬く間にシルエットを変えていく。
ドラゴンヘッドを機首とするその姿は、宇宙を駆ける黄色い飛竜そのものだった。
『ついでじゃ! 距離を詰めるのじゃ! スパイラル・アタックーーっ!!』
後先を考えない猛烈な進撃だったが、回転する飛竜はドリルと化して敵を食い破る。
凄まじい突撃力に敵機は次々と粉砕され、月面に眩い爆炎の尾が引かれていった。
ハガネとの距離を急速に縮めてくる圧倒的な機動に、テツヤは目を見張る。
「艦長! あの龍型機、本艦の誘導に従い速度を同調! このまま敵の追撃を振り切ります!」
ダイテツは深く頷いた。「うむ、見事な連携だ。テツヤ、衛星軌道上を離脱しろ!」
「了解! ハガネ、これより地球への進路を取ります!」テツヤの声が響く。
拉げたカタパルトデッキへ、速度を合わせた黄色い飛竜が鮮やかに滑り込んだ。
月の引力を振り切ったハガネは、煙を引く敵軍を置き去りにして宇宙へ躍り出る。
満身創痍の戦艦は、青き地球へと向かって一気に加速を開始した。
危機を脱した宇宙戦艦と、謎の少女――歪んだ世界線で、彼らの戦いが今幕を開ける。
龍ヘッドかつ尻尾付きの建機カラーなグルンガスト操るのじゃ口調の少女というある意味てんこ盛りな主人公でした。
「あー今の内に告知しとくとじゃな。作者が未試聴作品とかゲェムで知った口の作品に関しては描写が甘かったりするんじゃけれども、その点に関しては勘弁しておいて欲しい。との事じゃそうな。では、宜しく頼む…儂の容姿?それはまた、後の話でおいおいとな。」