スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
ジオフロント内から複数ある射出用通路を経由したエヴァンゲリオン初号機が地上へと出現した。
「シンジ君、今は歩く事に集中して」葛城ミサトのアドバイスに恐る恐るエヴァが一歩を踏みしめる。
「そうよ。その調子」武装もへったくりもなく、ただ単に送り出された現状にシンジは戸惑うしかない。
何より、さっきから肺の奥を満たしている、黄色い生臭く暖かい液体―LCLとやら不快だった。
エヴァと自分の神経を強引に繋ぎ、機体の感覚を脳へダイレクトに送り込むための処置だと説明されたが、
こんな異常な密室で正体不明の怪物と戦えと言われても、恐怖が勝るばかりだった。
送り出した方も最初からシンジの操縦技能に期待をしてる訳でない事は直ぐ証明される事になる。
「シンクロ率はどう?」オペレーターの伊吹マヤがリツコからの質問に答える。
「現状で41.3%です。何なんです?あの子」との言葉には「流石はユイの子ね」と即答する余裕すらある。
対峙する使徒も初号機が何をするのか気になったのかそこで立ち止まり睨み合う形となった。
「シンジ君、来るわよ! 構えて!」ミサトの鋭い警告が通信回線を震わせる。
構えろと言われても、巨大な手足をどう動かせばいいのかすら分からない。
衝撃波を伴う見えない敵の一撃が、初号機の巨体を容赦なく吹き飛ばした。
「初号機、被弾! 首部および左腕大破!」マヤの悲鳴のような報告が、赤く染まった発令所に響き渡った。
一瞬の沈黙後、「ウオォォォン!!」無事だった片目を光らせエヴァが自然な動作で立ち上がっていく。
「暴走した!?」ミサトの驚きを他所にエヴァが四つん這いの恰好になった。
まるで獣の様な四つ脚走行で使徒に迫っていくも赤いバリア状の障壁に行く手を阻まれる。
「A.T.フィールドね。アレがある限り使徒には指一本触れられないわ」とリツコが冷静に分析する。
「初号機、A.T.フィールドを中和中!いえ、これは浸食してるっ!?」マヤが驚きの声を張り上げた。
遂に初号機が使徒のA.T.フィールドを両手で無理やり引き裂き使徒に肉薄した。
使徒の脇腹辺りにある意匠の様な骨部分をベキバキと剥ぎ取ると馬乗りになって
使徒の胸の中央に存在する赤い球体に向けて両手でそれを何回も振り下ろし始めた。
「勝ったな」「あぁ」事態の進展を指令室で見守っていた冬月とゲンドウが同時に呟く。
敵わないと悟ったのか使徒が初号機を抱え込むとそのまま自爆を決行した。
爆炎の中から現れた初号機はまるでふんす。と言わんばかりに歩みを止めるとそのまま沈黙したのだった。
熱海での死闘の末、辛くもヘテロダインの強制排除に成功したダイ・ガード。
しかし奴はまだ死んでおらず、水中をお台場方面へ向けて移動中だった。
なお都庁方面では謎の馬面の巨大ロボと黒いロボットが激闘を繰り広げていたが今回そちらは対象外。
赤木たちは本来の業務のため、輸送機「アホウドリ」で現地へと緊急搬送される。
お台場の空き地で彼らを待ち受けていたのは、急造の新装備「ドリルアーム」だ。
かのゲッターを参考にしたそれは、民生品ながらブースター付きの凶悪仕様だった。
「誰だよ、こんな趣味丸出しの装備を作った奴は……」
目を輝かせてノリノリの赤木を余所に、青山が引きつった顔でこぼす。
その頃、開発部の個室ではゴスロリ服の女性がクシャミをして研究に没頭していた。
激戦続きで満身創痍のダイ・ガードだが、ヘテロダインは待ってくれない。
すぐさま専用の「アセンブリ・トレーラー」による現地での組み立てが始まる。
長距離搬送用の分離機能は、そのまま戦地での迅速な換装機構へと化ける。
換装用ゲージのクレーンによって吊り上げられた上半身に、運び込まれた重厚な両脚が接続される。
続けて左右の腕がガッチリと固定され、機体各部に次々と充電用のプラグが装着された。
今回、あのロマン溢れるドリルアームが装着されたのは、その右腕であった。
横浜近郊とお台場なら結構な近場だとは思うんで、久々に主人公に出番をば・・・
ユ「ほぅ?儂にそやつらの後片付け役を押し付けようとでも言うのではなかろうなぁ?」
そんな事は・・・(目を逸らしつつ