スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
それは、七曲町の建設会社からワークロボとの勝負を挑まれた時のこと。
「なんでワザと負けたのさ!」と、勇太はデッカードを責めた。
しかし、それは自身の不勉強ゆえの誤解だった。
デッカードは、相手が建設会社の人々の「自慢の仲間」だと知っていた。
だからこそ、相手を傷つけないよう限界まで配慮して敗北を選んだのだ。
むくれる勇太を宥めるデッカードを、街の住民たちが微笑ましく見守っていた。
そんな彼らの平穏な日常に、宇宙から舞い降りてきたのが「ガイゾナイト」だった。
見た目は小さなテトラポッド状の、無力そうな宇宙鉱物生命体。
しかしその本質は、周囲の機器を特殊電波で乗っ取り暴れ回る凶暴な存在だった。
七曲町のワークロボまでもが乗っ取られ、街を破壊し始める。
「構わん、破壊してくれ!」と涙を呑んで言い切る建設会社の社長。
それに対し、デッカードが導き出した答えは「関節の破壊」だった。
たとえ相手がただのロボットでも、その所有者の想いまで背負う。
それこそが、超AIを持つブレイブポリスたる彼の強さだった。
被害を抑えるため、冴島総監は開発中のBP301、302、303の出動を許可する。
だが、その決断が最悪の悪手となってしまった。
電波強度を増したガイゾナイトに、3体とも制御を乗っ取られてしまう。
さらに電磁障害で勇太の警察手帳も故障し、遠隔指令は不可能になった。
残された手段は、電波遮断シートによる3体の強制隔離のみ。
デッカードも乗っ取られそうになる中、街の住人たちの勇気ある行動が彼を支えた。
町の人々の手によって隔離は成功し、ガイゾナイトの確保にもどうにか成功する。
この事件を経て、冴島は改めて「心」の重要性を深く認識した。
そして、残る3体にも超AIを搭載することを即座に決定する。
後日、ブレイブポリスのドックに新たな声が響き渡った。
「改めまして、ボス。BP301型、コンバット刑事マクレーンです」
「BP302型、カンフー刑事、パワージョーだぜ! アチョーッ!」
「BP303型レスラー刑事、ダンプソンだ! 今日も鍛えまくるぜっ!」
一転して強烈な個性を放ち始めた彼らを前に、ボスたる勇太は愕然とする。
「……見ての通りだ。皆同じように育てたつもりなんだがな」
チーフメカニックの藤堂が呆れ、隣で副総監の東が頭を抱える。
しかし、冴島総監だけは彼らの仕上がりに大満足の笑顔を浮かべていた。
一方その頃、GGGバリアリーフ基地・エリアIV。
水陸両用整備装甲車の内部では、氷竜と炎竜の最終組み立てが進んでいた。
メインモニターを見上げる大河長官へ、獅子王麗雄博士が報告を告げる。
「既に報告した通り、氷竜と炎竜のAI育成自体は無事終了したんじゃがな…」
「何か問題でも? 彼らは警視庁の超AIの育成方法を参考にしたはずですが」
大河が尋ねると、麗雄博士は白髪の頭をガリガリとかきむしった。
「同じぺースで同じように育てたはずが、明確な『個性』が出てしもうてな」
「それだけなら良いんじゃが、二体のシンパレート値が上がらんのじゃよ」
麗雄が指さしたモニターには、同調率を示す『60%』の文字が点滅していた。
「AIの内容の肥大化か別の理由か……儂にもまだ原因が判らんのじゃ」
「もしこれが、育成法を参考にしたブレイブポリスにも共通する特性なら大問題じゃて」
大河の表情が引き締まる。竜シリーズには、左右合体という最大奥義がある。
二体が融合する『シンメトリカルドッキング』の承認。
その成功には、互いのシンパレート値が『100%』に達することが絶対条件だった。
「個性を得る代償に、同調を拒むというのか。一筋縄ではいかんな。」
竜シリーズは同型同士での合体なのでブレイブポリスよりもハードルは低かったとは思うんですよね。
ユ「電脳貴族達とは違うんじゃな」
あれは集合体みたいなモノですしね…