スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
―結論から言うと、まったくもって無理だった。
武田長官がどれほどチェンジャーのボタンを連打しようが、
召喚銃形態にしようと引っ張ろうが、端末はピクリとも動かない。
「電童」が自らの基地の場所をいくら誤魔化そうとも、機械帝国ガルファにとっては無問題。
モグラ叩きよろしく、そこら中を無差別に襲うため、子供たちはやや寝不足気味だった。
誰が言うともなく、電童だけに任せてはおけないという結論に達するのは早かった。
彼らは夜闇に乗じて小学校へと忍び込み、自分たちの手でゴウザウラーを起動しようと試みる。
「おい、やっぱり先生に聞いたほうがいいんじゃ……」
火山洋二だけは弱気に零したが、もはや誰も耳を貸さなかった。
だが、大人側もさるもの。夜警を立てて警戒していたのだ。
武田長官は大人の理屈を振りかざして子供たちの前に立ちはだかり、教室からの強制排除を試みた。
「貴様ら! 今何時だと思っているんだ! とっとと家に帰りたまえ!」
「何言ってんだよ! ゴウザウラーを託されたのは俺たちだ!」
峯崎拳一が激昂するが、チェンジャーは没収されたままだ。
「フン、喧しいわ! あれほどの超戦力を大人が管理して何が悪い!」
「だいたい、ゴウザウラーの相手だとかいう機械帝国は、最近やけに大人しいではないか」
長官にそう言われてしまえばそれまでだが、電童の目撃率が跳ね上がっているのは事実。
謎の多い敵の猛攻の裏で、機械化帝国が何を企んでいるかも判らない。
拳一たちとしては、このまま何もできずに指をくわえている現状が、歯痒くて仕方がなかった。
「お前たちはそこで黙って指をくわえて見ていればいいのだ。これを見よ!」
武田長官はここぞとばかりに懐からザウラーチェンジャーを取り出し、自らの手で起動して見せようとした。
―結果、冒頭の無様な姿に戻る羽目になったのは言うまでもない。
「何故だ!? この儂だって『ノーマ』じゃないんだぞ!?魔法だって使えるのに!」
子供達に白けた目線で見つめられ、必死に弄ぶ。だが駄目なものは駄目。
終いには子供たちのザウラーブレスを無理やりひっぺがそうとする始末だった。
そこへ、息を切らせた6年2組の担任・中島辰男が、勢いよく教室に駆け込んできた。
「大変だーっ!! 町に機械化獣が現れたんだ! ……って、あれ?なんでみんな居るのっ!?」
その言葉に、拳一が長官からザウラーチェンジャーを奪い返そうと四苦八苦しながら叫ぶ。
「先生! この分からず屋を何とかしてくれ! ゴウザウラーは俺たちじゃないと動かせないんだ!!」
「 早くしないと、町があいつらのせいで全部機械化しちまうんだぞ!!」
長官ももはや意地だけで拳一と組み合っているが、
周囲の防衛隊員たちはどうしていいか判らず固まっていた。
「何処にそんな根拠がある! この際、電童だけでも十分だろうが!」
不毛な泥仕合を止めたのは、意外にも中島先生の一喝だった。
「いい加減にするんだ!! ──大の大人が情けない!子供たちを信じなくてどうするんですか!!」
「いや、しかしですな!」反論しようとする武田長官を見据えて、中島先生は熱く言い切った。
「確かに、夜中に家を抜け出して学校に来るのはいけないことです。けれど……!」
「みんなの平和を守りたいっていう気持ちは、あなた方にも共通する大事なことでしょうが!!」
「 私たちが今できることは、彼らを信じて送り出すことだけです。叱る事は後からでもできる」
「いよっ! 先生、良いこと言う!!」
「拳一君。宿題は忘れるんじゃないぞ。そこまでは先生、許してないからな」
中島先生の言葉に、長官は渋々手を離した。
長官からザウラーチェンジャーをひったくるように受け取り、子供たちはそれぞれの机へと着席する。
「ザウラーズ、出動!!」司令官として振舞う光主エリカが自らのザウラーブレスのボタンを押した。
その瞬間、春風小学校に組み込まれたザウラーメカが一斉に駆動する。
今、子供たちの学び舎が、その姿を戦士へと換えていく。
常識通用しない相手じゃ流石に電童側だけじゃ隠しきれませんよねぇ。そりゃ。
ユ「しごとが・・・仕事が増えまくっとるんじゃが!?儂、何時から土木業者になっとるんじゃーーっ!?」
あ、引っ込めるの忘れてた。じゃない。も少しだけ出ずっぱりのまま頑張って;
ユ「鬼かーーーっ」