スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
人類がどれだけ文明を発展させようとも、その底にある競争心だけは変わりようがない。
そんな人間の業を体現するかのように、対峙する二つの巨大企業がそこにあった。
月に本社を構えるマオ・インダストリーと、地球圏の軍需産業を牛耳るイスルギ重工である。
月が未知の敵に占拠された現在、マオ社は一時的に本社撤退を止む無くされていた。
しかし彼らの開発姿勢は揺るがない。EOTを組み込んだRXシリーズを手掛ける一方で、
マクロス船団の主力となる新星インダストリーをも傘下に収め、常に人命最優先を貫いていた。
一方のイスルギ重工は、あのジェネラル・ギャラクシー社を一部門化していた。
脳波コントロールシステムを搭載したYF―21に代表される、尖った機体開発に貪欲である。
時としてサイボーグにすら扱いきれないほどの高性能を彼らは狂気とも取れる熱意でもって追求していた。
二代目社長という重圧に耐えながら舵を取るリン・マオにとって、ミツコは宿敵だった。
その常軌を逸した経営スタンスとは、顔を合わせるたびにいがみ合う関係にある。
「気に食わない」などという次元の話ではない。あいつはもはや病気だ、と彼女は結論づけた。
マクロスが地球に帰還した時の大混乱が良い例だ。イスルギによる技術流出は最悪だった。
結果として、同じ人類の兵器同士が潰し合う凄惨なぶつかり合いへと発展してしまった。
風の噂では播種船団のマクロス級すらも、同型艦との異種格闘技戦を前提とした仕様らしい。
(人類同士で潰し合っている場合じゃないでしょうが。何故それが解らないの……!?)
憤るリンにできるのは、せめて自社製機体の乗員救命率を極限まで引き上げることくらいだ。
地上のアルゼナルとか言う要塞にある「パラメイル」なる機体も、あの尖り方は確実にイスルギ製だろう。
そして今、最終組み立てに入っている「ガンバスター」と呼ばれる合体型超巨大兵器。
それすらもマオ社が関与できたのは主に2号機だけで、1号機の仕様には頭が痛かった。
(そりゃ確かに宇宙怪獣には人間の常識は通用しないでしょうけど、アレは無いでしょ!アレは!)
トップレス理論とかいう極端な思想を反映させたとされるあのトレースシステムは
操縦をダイレクトに伝える為と称して水着にも似た薄っぺらい服装での操縦を余儀なくされていた。
適格者たる少女達への倫理的配慮が、そこには一欠片も存在していやしないではないか。
巨体であるがゆえに、それぞれのコックピットには単体での大気圏突入機能をねじ込んだ。
決定済みの操縦系統はもう弄れない。ならばせめて、パイロットを生きて帰す。
それが彼女なりの反抗だった。何が幸いするかは未知数だからこそ、命を繋ぐ機能を残した。
(何時の日か痛い目に会うのがどっちかは判らないけれど、私は絶対に負けないんだから!)
彼女は新型のバルキリーに組み込む予定の新機軸の耐G・操縦用パワード・スーツ、
通称「EX-ギア(EX-gear)」の開発に新たな情熱を注ぎ込んでいった。
マオさん出撃枠に入れるかどうかは考え中。バスターマシン2号機は無事月から旅立ってますのでご安心を(ぇ
ユ「本社は兎も角ラボはまぁ…ぎったんばったんに壊されてるやも知らんけどな」