スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

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化けの皮の剥がれ始め


新たなる「顔」を見せる刻

 運命の歯車という物は時として思いがけない再開を彼らに齎す。

ギャラクシー船団から来たという「歌姫」を持て成す為の舞台上の演出中、

本来ならば有り得ない筈の挙動をしたお立ち台から「歌姫」を受け止めたパイロットが居た。

 

 新型バルキリーに装備される事になったEXギアの超簡易版のお披露目を兼ねた

観覧飛行中の事故の現場に居合わせたパイロット、早乙女アルトにとっては忘れ得ぬ少女が居る。

「アルト…?まって、そのイヤリング、私がかつてある男の子にあげた物と一緒なんだけど!?」

 

 それはまだ、彼女が浮浪児となる前の幸せの時間に於ける一瞬の邂逅。

あれから二度と連絡が取れる事なく、忘れられていたと思い込んでいたその少女が目の前に居た。

「へっへーん。見間違えたでしょ?言っとくけど私、これがインプラントもやってない素の姿だからね!!」

 

 シェリル・ノームと名乗る彼女は気が付かなかったが、彼女の背後では

マネージャーなるグレイス・オコーナーの表情は何処か苦々しい雰囲気を醸し出していた。

アルト自身はてっきりそれはアイドルに付き物のスキャンダルを懸念する物だと推察していたが。

 

 「所で、そのEXギアっての、あのマオ・インダストリー製だよね?」

とシェリルが興味深々と言った感じで彼が装着している簡易鎧状の飛行ユニットに注目する。

「あ、あぁ、そうだけど……。待て、もしかして『マオ』って、君の祖母さんの……!?」

 

 普段は恋愛ごとに疎いアルトの脳裏に、かつて七五三の折に引き合わされた、

おてんばな幼女の記憶が鮮烈に蘇る。シェリルは満足そうに微笑んだ。

「そうよ。ふふ、やっぱり君に直接聞いて正解だったわ」

 

 

 テレビの画面に映るアニメを、一人の老人が懐かしむように眺めている。

その静かな背中を、ベッドの上の村下智美は呆然と見つめていた。

―ほんの数時間前までは、いつも通りの退屈な日常だったのだ。

 

 夜、コンビニからの帰り道に、妙な気配が背後に張り付いていると気づいた。

共同生活を送るアパートはもう目の前、あと数メートルという距離だった。

そこで不意に視界が暗転し、彼女は何者かによって連れ去られた。

 

 意識を取り戻したとき、智美は見知らぬ部品の山に囲まれた部屋にいた。

「あぁ、気がついたかね。儂らはあんたの命の恩人というやつじゃな」

老人の言葉が耳に入らないほど、テレビ画面に流れる臨時ニュースに思考が凍りつく。

 

 画面に映し出されていたのは、他でもない智美自身の顔写真だった。

『村下智美さん殺害される、犯人の男は現在も逃走中』最悪の文字が躍る中、

さらにアナウンサーがショッキングな国難を告げる。

 

「政府が軍部に掌握された」「デザルグ軍と名乗る部隊が侵攻中」

けれど、一市民でしかない智美には、国家の危機など現実感が薄かった。

「なによこれ……! なんで省吾が私を殺したことになってるのよ!」

 

 叫ぶ彼女の横で、老人が「バハムートもなりふり構ってられんか」と呟く。

バハムート。その単語で、智美の脳裏に省吾のヘンテコな赤いバイクが浮かんだ。

省吾は両脇の箱を飾りだと言っていたが、あれは絶対に何かある。

 

 ふと、智美はテレビ画面と、それを凝視する老人の横顔を見比べた。

画面の中にいるアニメキャラと、目の前にいる本物の老人の顔。

(いや待って。単なるコスプレにしては、骨格から何からリアルすぎる)

 

 映画監督を志望する智美の鋭い観察眼が、強制的にディテールを拾う。

だからこそ確信した、これは自分に正解を気づかせるための演出だと。

「嘘でしょ…!? なんでアニメのキャラが現実にいるのよっ!?」

 

 悲鳴とともに智美が指を突きつけた先で、その男はパイプ椅子に座って寛いでいた。

それはアニメ『勇者特急マイトガイン』の悪の天才科学者、ウォルフガングその人であった。




 何気にシェリルの親族になってるマオ・インダストリー。そういやアルトも早乙女性なんですよね…やっぱりあの博士とは親戚だったりするんだろうか。
ユ「将来顔が濃くなったりするんかのぅ?」
それはどうなんだろ・・・
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