スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
6年2組の教室を核として、春風小学校の校舎が変形していく。
教室内にいた武田長官をはじめとする大人達は、変形開始の直後に廊下に放り出された。
武田長官がどれほど悔しさに歯ぎしりしようとも、そういうシステムなのだから仕方がない。
「ザウラージェット、発進!」石田五郎の掛け声が響き渡る。
学校の敷地内から垂直離陸した機体が、春風町の上空を勢いよく駆けていく。
「ザウラーフォーメーション!」3体の恐竜ロボへと分離変形すると、現場へと急行した。
校舎の変形時や各機への分離時、担当者は小型ビークルに搭乗しなければならない。
その際、専用の衝撃緩衝用スーツへ強制的に着替えさせられる仕様だ。
着替えの手間が省けるという意味では、ある意味で便利かもしれなかった。
「あいつか! 前回は鉛筆削りみたいな奴だったが、今回は懐中電灯かよ!」
哨戒機を兼ねるマッハプテラでいち早く敵を捉えた峯崎拳一が、コックピット内で吠えた。
「…分かりました。どうやら連中は、一度壊れた道具でないと機械化できないみたいです」
普段から「教授」と呼ばれる小島尊子が、集めたデータを基に冷静な分析を口にする。
「へっ、道理でなかなか出てこられないわけだぜ。偉そうな割には随分と間抜けな連中だな!」
拳一は敵の頭頂部から放たれたビームを軽々と回避し、一気に間合いを詰めていく。
「拳一!見た目で油断しちゃダメよ!いくら相手が弱そうに見えたって!」
サンダーブラキオのコックピットから周囲を警戒しつつ、朝岡しのぶが注意を促す。
あの機械化帝国の幹部のことだ。夜の闇に紛れて接近されたら何をされるか分からない。
「だいじょーぶ、大丈夫!『いくら強力な武器でも、当たらなければ意味はない』ってね!」
ゲームか何かで聞きかじったらしいセリフで、余裕しゃくしゃくの拳一。
その一撃によって、機械化獣はあっけなく破壊された。
「ほらな? 俺たちに懸かれば、機械化獣の一体や二体、どうってことないって!」
だが、今夜の敵はそれだけでは終わらなかった。
「ええい、不甲斐ない! だが、これで終わったと思うなよ…『巨大改造』!!」
やはりと言うべきか、近くに潜んでいた歯車王が自ら破壊された機械化獣に改造を施した。
「拳一君、気を付けてください!そいつのエネルギーは、少なく見積もってもさっきの約3倍はあります!」
図体が肥大化し、懐中電灯状の筒が3つに増殖した巨体が拳一達の前に立ちはだかる。
時はあの日の夕刻まで遡る。ヒロトが自宅の門をくぐろうとした時、
背後から名前を呼ぶ声がした。振り返ると、
そこには幼馴染のムカイ・ヒナタが立っていた。
テレビの緊急特報で星見町の惨状を知り、大慌てで駆けつけたらしい。
傷一つないヒロトの姿を見て、彼女は心底ホッとした表情を浮かべる。
「ごめんなさい。私、あんなことになるなんて思わなくて……」
GBNへの復帰を勧めたことを、ヒナタは申し訳なさそうに謝ってきた。
だが悪いのはあの侵略者たちであり、彼女の責任ではない。
そんなことは、ヒロトだって重々承知している。
むしろ出不精の父や翻訳家の母に心配をかけたことの方が、よほど心苦しかった。
家路につく道中、スマートモニターには運営からの通知が届いていた。
今回の騒動は「外的被害」とされ、お詫びに課金アイテムが補充されている。
ゲームの収支だけで言えば赤字ではないのが、せめてもの救いだった。
しかし、カザミがネットに上げた戦闘映像は、案の定というか炎上寸前だ。
(そりゃそうだ。リアルな獣人はガンダムの作品世界には今まで居なかったからな)
動画の締めがデスビーストだったことで、世間は特殊なクエストだと解釈はされてたみたいだが。
だが、実際にあの戦場にいたヒロトの感覚は、周囲の呑気な評価とは違う。
網膜に焼き付いた『倒した敵の数:0』という冷徹な数字。
あの奇妙な現実感を含め、ヒロトにとってそれは到底納得できるものではなかった。
若干タイムラインが入り乱れてる気がしないでもありませんが、お話の都合上という事でここは一つ。
ユ「同時進行だけではなく、過去話も入れとる訳じゃな。まぁ仕方ないかのぅ…」